更新日:2014年4月9日(水)
金融政策決定会合後の黒田日銀総裁の定例会見がリアルタイム発信となった日。記者の質問に満面の笑みで応える黒田総裁の上機嫌ぶりが印象的でした。
国内では予想通りと見られた金融政策の現状維持も、やはり一部では追加緩和期待もかなり高かった様子で、会見報道と同時に確実に円高が進行。夜間、NY時間にかけても円高の流れは止まらず、海外勢の追加緩和期待に冷水を浴びせた形で日経平均先物の下落も同時進行。
最近では、ドル円と日経平均の連動性が薄れて来たとも言われますが、それほどでもありません。ピーク時にこそ及ばないものの、30日間の相関係数の推移では、3月に2度0.6を割れるほど相関係数が低下したものの、最近では上向きとなっています。90日間の相関係数でも、やはり3月後半に底値をつけて現在では0.8以上の強い相関関係を回復しています。
ドル円も日経平均も強い上昇トレンドを示していた時期には、相関係数も高い数値を示していましたが、最近のボックス相場継続の流れのなかで、日経平均の乱高下によって相関性が一時弱まったものの、再び高まりつつある状況、と言えます。
ただ、強いトレンドが生じている時期ではない為に、両者の関係性も限定的、という面もありそうです。
夏場にかけての状況次第で、黒田総裁からのサプライズが飛び出すことがあれば、ドル円と日経平均の相関関係も、さらに強まることにはなりそうです。
NY市場、金相場は0.83%の反発。東ウクライナをめぐる緊張感の高まりとドル売りの流れにより2週間ぶりの高値。突発的な事象が発生しない限り、下落トレンド中の戻り局面としての目安1,310ドルに到達したことで一服感も出易い水準。再び下方向へ向かうか、流れが変わるか。サポートラインは1,280ドル。
プラチナ相場も0.97%の反発。荒っぽい値動きが続き、徐々に流れは上向きつつあるようにも。1,420ドル台から1,450ドル台のレンジを構成中で、上抜けなら年初来高値更新トライへ、下抜けなら年初来安値更新トライの可能性も。
ドル円は1.25%の大幅下落。やや軟調推移が続く今年のドル円ながら、1.25%の下落率は、1月23日、アルゼンチンペソの急落で新興国リスク懸念が高まったときの1.2%下落を超える今年最大。どちらかといえば円安方向へと向かう可能性が高かった最近の流れも逆流、下値サポートラインとなっていた102円ちょうどを下抜けたことにより、円高リスクが拡大。目先は101円割れ、100円80銭近辺まで円高進行の可能性が高まった状態。上方向には104円が当面のレジスタンスに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/8終値とチャート
国内金価格は0.17%の小反発。ドル円急落による4,580円台のサポートライン割れリスクは、NY金の急反発によってカバーされた形。上値目標水準4,730円近辺を目指す流れを円高圧力が足を引っ張る状況。円高圧力が勝る状態となり、サポートライン割れなら3月末安値4,434円方向を目指す流れも。
プラチナも0.22%の小反発。上値目標5,180円付近を目指す展開ながら、やはり円高圧力が大きく立ちはだかる状況。5,000円辺りまでの間で足場固めができると状況持ち直しも、ダメなら大きく水準を切り下げるリスクも。
※参考:金プラチナ国内価格4/9とチャート
2014年4月9日(水)時点の相場
国内金:4,594 円 4/9(水) ▲8(0.17%)
国内プラチナ:5,039 円 4/9(水) ▲11(0.22%)
NY金:1,309.1 ドル 4/8(火) ▲10.8(0.83%)
NYプラチナ:1,441.7 ドル 4/8(火) ▲13.9(0.97%)
ドル円:101.80 円 4/8(火) ▼1.29(1.25%)
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