更新日:2014年4月5日(土)
米3月分の雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の前月比20万人増に対して8千人届かない19.2万人増となり、上方修正された2月分の19.7万人増からは5千人の低下。失業率は予想の6.6%を上回る6.7%で2月と変わらず。しかしNFPは過去2ヶ月分合計で3.7万人上方修正され、労働参加率も2月の63.0%から63.2%へと上昇。決して悪い結果ではなく、むしろ好結果。
発表直前に10銭ほど急騰し104円台に達していたドル円は、この結果を受けて103円50銭台まで急落後、104円10銭台まで急反発する乱高下状態で反応。結局この104円10銭台がこの日の高値となって円高基調へ。同じように発表直後に急騰、急落の乱高下となった金は上昇傾向へ。
NFPの今年3ヶ月間の平均値は+17.8万人となり、昨年の年間平均19.4万人にはまだ届かないものの、冬場の鈍化懸念は随分緩和され、今後の米労働市場の回復基調への期待を高めるには十分の結果。直前のフライング的な動きを見ても、市場ではNFP+20万人以上のポジティブ・サプライズを期待する向きも多かったのかもしれません。そして、事前の期待先行から節目の103円台前半を上抜けて小幅上昇が続いていたことからも、材料出尽くしとなり「噂で買って事実で売る」流れとなってしまったようです。
程よい好結果はサポート材料になると思われた株式市場でも、NYダウは買い反応で高値を更新したものの、これも長くは続かずNASDAQの急落に連れ安となるように大きく反落の流れへ。これもドル売り圧力の一要因となった様子も。
株式市場の流れだけを見ると、今回の雇用統計結果は、悪くない、程良い、というレベルではなく、かなり好結果だっとという認識で、利上げ前倒し観測へとつながった可能性もありそうですが、それならドル買いの加速、金売りの加速へとつながってもおかしくないはず。
やや見方が分かれそうな今回の雇用統計の結果に、少なくともドル円と金相場の流れが極端に変わることは、なさそうに見えますが。
NY市場、金相場は1.47%の大幅反発。3月後半の下落基調からは1,280-90ドル付近のレンジで下げ止まり感を見せていた今週、昨日は雇用統計前に1,290ドル台前半へと水準を切り上げ、既に反発への動きは始まっていた可能性も。雇用統計後のドル売りの流れによって反発の勢いがサポートされて3月26日以来となる1,300ドル台を回復。依然下落トレンド中の戻り局面の域は超えないものの、1,310ドル辺りまでの上昇余地。当面のサポートラインは1,280ドル。
週間ベースでは+9.7ドル(+0.75%)となり、3週間ぶりの反発。
プラチナ相場は0.37%上昇。6日続伸は2月7-14日の時と並び今年最長。ここ最近は金との強い相関関係が弱まっていたなかで、昨日は結果的に金に連れ高となった形。3月の下落幅の61.8%戻しとなる1,452.8ドルにほぼ到達し、一服感も出やすい水準。
週間では+46.2ドル(+3.29%)の大幅高で4週間ぶりの反発。
ドル円は7日ぶりの反落となり0.66%下落。雇用統計に乱高下した後、一方的にドル売り円買いの流れに。結果的には2日連続の高値104円10銭付近から反落。ドル高方向の流れが完全に止まった訳ではないものの、上値目標水準105円への再トライに向けては、この104円10銭付近がレジスタンスラインとなる可能性も。
週間ベースでは+0.36円(+0.35%)で3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/4終値とチャート
2014年4月5日(土)時点の相場
国内金:4,588 円 4/4(金) ▼25(0.54%)
国内プラチナ:5,108 円 4/4(金) ▲8(0.16%)
NY金:1,303.5 ドル 4/4(金) ▲18.9(1.47%)
NYプラチナ:1,450.9 ドル 4/4(金) ▲5.4(0.37%)
ドル円:103.23 円 4/4(金) ▼0.69(0.66%)
Copyright(C) Let's GOLD