更新日:2014年4月22日(火)
トムソン・ロイターGFMSが先週発表したレポートによると、2014年の金相場は平均で1,225ドルとの見通し。
新興国市場リスクに伴う安全資産買いと弱い米国経済指標に支えられて強気相場で2014年をスタートした金相場は、米FRBによる債券購入プログラムの縮小が続くに連れて、今後数ヶ月の間に下落傾向が続くものと予想され、同時に国債利回りが上昇し、株、米ドルが強気に傾くと見ています。
また、欧米投資家のゴールド離れによる金価格の下落が進むと、実需の買いがサポートし始めるだろう、ともしています。
2013年第2四半期の売り局面では、投資対象としての宝飾品需要に加え、金貨、バーの購入需要が、1,200ドル近辺の水準で高まることを示しました。
実需の買いが出てくるであろうと仮定し、今年の金相場のレンジを約1,100ドルから1,400ドルのレンジでの見ているとのこと。
金のサポート要因としては他に2点。
1点目は、経常赤字対策として昨年、金の輸入規制を強めたインドの輸入に再び持ち直しの兆候がみられること。
2点めは、2013年の平均的な一次産金コストが1,205ドル近辺に落ち着いていること。
2013年の金の鉱山生産量は前年比6%増加し、過去最高となる3,022トン。スクラップ供給量は1,280トンと6年ぶりの低水準となり、前年比22%の低下。生産者ヘッジ解消分48トンを加味すると、2013年のトータル供給量は4,254トン。2012年の4,455トン、2011年の4,509トンよりも減少。
※出典:Thomson Reuters GFMS GOLD Survey 2014
3連休明けとなったNY市場、金相場は0.42%の続落で4月3日以来の安値水準。1,300ドルの大台ラインに抵抗感が高まりつつ、下値サポートライン1,280ドルも維持。下方バイアスが徐々に高まる状況で、サポートライン割れなら下値目標は1,230ドル近辺。
プラチナ相場は1.96%の大幅安で4営業日続落。南ア鉱山の労使交渉が収束に向けて進み出したことを背景に、先週末時点で1,410ドル近辺まで下落し、週明けにもう一段の下押し。会社側の賃上げ提案に対する組合側の回答が本日行われる見通しのようで、このまま収束方向か、逆に波乱か、やや不安定な状況も懸念されるところ。流れとしては1,420ドル台にあったサポートラインを完全に下抜けており、下値目標水準として1,350ドル付近が浮上。ただし、現時点で1,400ドルちょうどの節目に位置していることもあり、波乱の展開なら急反発の可能性もわずかに。
ドル円は0.17%の小幅高で7日続伸。しかし7日かけて1円07銭上昇と値幅は限定的。ドル円の7日続伸は珍しく、3月27日から4月3日までの6日続伸を超えて今年最長、2012年10月11日から22日までの8日続伸以来、1年半ぶり。なお、当時も小幅続伸が続き、8日間で78円台前半から79円台後半へと1円70銭程の上昇。上昇トレンドが強かった訳でもなく、その後も80円前後を行ったり来たりの状態が継続。明確な上昇トレンドに移行したのはおよそ1か月後、野田前首相の解散宣言、安倍自民総裁(当時)の金融緩和宣言以降のこと。アベノミクス期待でスタートした円安トレンドが1年半近く経過し、アベノミクスの評価に市場が疑問を感じ始めたことを象徴しているかのような状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/21終値とチャート
国内金価格は0.83%の反落。4,580円のサポートラインを再び下抜け、4,564円の21日移動平均線も下抜け、徐々に下値を切り下げて下値目標水準4,440円を目指す展開へ。90日移動平均線が4,441円まで上昇してきており、目標水準到達後のサポートラインとなる準備も。
プラチナは0.7%の反落。9日移動平均線が21日移動平均線をデッドクロスへと向かい、下押し圧力が強まる状況。4,850円の下値ターゲットを目指す流れが継続中。
※参考:金プラチナ国内価格4/22とチャート
2014年4月22日(火)時点の相場
国内金:4,554 円 4/22(火) ▼38(0.83%)
国内プラチナ:4,944 円 4/22(火) ▼35(0.70%)
NY金:1,288.5 ドル 4/21(月) ▼5.4(0.42%)
NYプラチナ:1,400.7 ドル 4/21(月) ▼28.0(1.96%)
ドル円:102.59 円 4/21(月) ▲0.17(0.17%)
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