更新日:2014年6月27日(金)
今年のFOMCでは投票権を持たないものの、ハト派と見られていた米セントルイス連銀のブラード総裁が、2015年第1四半期末までの利上げが適切との発言。
年内に失業率が6%を下回り、インフレ率も目標の2%に向けて加速、向こう4四半期には成長率が3%に達する可能性が高いという自身の見通しが根拠となっています。
また、米国の信用市場が正常な状態へと改善している中での低金利継続を正当化するのは一層困難になる、とも述べています。
先日の、やはりハト派のニューヨーク連銀ダドリー総裁による「2015年半ばの利上げ開始予想は妥当」発言を上回る、タカ派寄り発言、とも言えます。
もちろん、FRBの正式見解としてはイエレン議長が言う「QE終了後も相当の期間は低金利継続」という曖昧な表現であり、FOMC参加メンバーが予想する政策金利の動向としても、2015年末までには数回の利上げが行われる可能性が高い、というだけ。
しかし、今後は確実に、ブラード総裁やダドリー総裁のような発言は増加していくことでしょう。必ずしも利上げ時期前倒し観測となるようなタカ派的なものだけではなく、逆に低金利長期化観測となるようなハト派寄りの発言も出てくるかもしれません。それでもQE終了時期が近づき、利上げ開始時期に関する市場の注目が高まるに連れて、それに対してFRB関係者が何らかの発言を行う機会は増加することが予想されます。
しかも、その内容は、より具体的となり、今回のブラード総裁の発言根拠となった失業率やインフレ率、GDP成長率が今後どう推移していくのか、といった経済指標への注目度がいっそう高まり、FRB関係者の発言との整合性をチェックしつつ、市場での利上げ開始時期予想の精度が高まって行くことになりそうです。
とりあえず今回の発言の影響は、利上げ前倒し懸念に反応した可能性のある金はやや売られたものの、持ち直し。好感しても良いはすのドル円は今回、スルーして逆に円高圧力が高まる状況となっています。
26日のNY市場、金相場は0.42%安となり、7日ぶりの反落。過熱感MAXの状態からようやく売り優勢の展開、1,300ドルのサポート水準付近、1,306ドルまで売られたところで、米5月の個人消費支出が予想を下回ったこと、新規失業保険申請件数がわずかに増加したことなどを受けて10ドルほどの買い戻し。結局、過熱感の解消はわずかにとどまり、1,300ドルサポート水準の堅さと1,320ドル台での上値の重さを確認し、揉み合い状態を形成。上値余地としては1,350ドル近辺までの可能性が継続。
プラチナ相場は0.21%の小幅反落。南アのスト終結とともに落ち着きを見せ始めた様子で、金に連れ安とはなったものの上下の振れ幅も限定的に。上向きの流れを維持しながらも1,450ドル台から1,480ドルまでの狭いレンジを形成中。上限ブレイクなら今年最高値圏へ、下限ブレイクなら1,400ドルの大台割れとの攻防へ。
ドル円は0.14%の小幅続落。米経済指標がわずかに下振れたことをきっかけにドル売り圧力が強まると、一時サポートライン割れとなる101円40銭台まで円高進行。その後はやや戻す展開ながら、今朝も円高方向への攻防が続く状況。上方向の節目、90日移動平均は102円21銭、長期的にも重要なサポート水準となっている200日移動平均は101円67銭。明確に下抜けた場合には、2月4日につけた今年最安値100円75銭と5月21日安値100円82銭とでダブルボトムを形成中の水準が意識されることに。トリプルボトム形成へと向かうか、もしくはこれも突破するようなら100円の大台ラインとの攻防が視野に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/26終値とチャート
国内金価格は0.35%の続落。やや控えめながらも、ようやくそれなりの押し目を形成。急上昇する9日移動平均線の4,560円台辺りまで下落したとしても上昇トレンドは変わらない状況。4,620円を上限としていったん落ち着きを見せる状況か。
週間ベースでは-10円(-0.22%)となり、4週間ぶりの小反落。
プラチナは前日から変わらず。短期上昇トレンドを維持し、5,070-5,130円の狭いレンジでの上下の節目を上抜けなら今年高値圏へ、下抜けなら5,000円近辺へと向かう可能性。やや円高リスクが高まる兆しにも要警戒。
週間では-9円(-0.18%)、3週間ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格6/27とチャート
2014年6月27日(金)時点の相場
国内金:4,595 円 6/27(金) ▼16(0.35%)
国内プラチナ:5,112 円 6/27(金) +-0(0.00%)
NY金:1,317.0 ドル 6/26(木) ▼5.6(0.42%)
NYプラチナ:1,470.1 ドル 6/26(木) ▼3.1(0.21%)
ドル円:101.72 円 6/26(木) ▼0.14(0.14%)
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