更新日:2014年7月2日(水)
月初に発表される各国の製造業PMI、景況指数では米国と英国の好調ぶりが際立ち、ユーロ圏の低迷ぶりが目立ちます。
6月の米国ISM製造業景況指数は55.3と、わずかに前月を下回ったものの、今年高値圏を維持し、マークイットによる製造業PMIは57.3で2010年5月以来の高水準。JPモルガン発表の世界製造業PMIが52.7となったことからも、米国の好調ぶりは際立ちます。
HSBCとマークイットによる主要国の製造業PMIでは、英国が57.5と高水準を維持しているのに対し、ユーロ圏は今年1月をピークに下落基調が鮮明となり、51.8まで下落。モディ政権への期待が高まるインドの51.5、さらには足元での急回復を見せる中国の50.7とも競合し、次月には順位変動のリスクも高まります。
ユーロ圏内主要国の5-6月の数値を見ると、
ドイツ:52.3-52.0、フランス:49.6-48.2、オランダ:53.6-52.3、イタリア:53.2-52.6、スペイン:52.9-54.6、ギリシャ:51.0-48.4など。
ギリシャ(これでも結構改善!)を除く南欧勢の好調ぶりに対し、北部側の主要国に元気がありません。オランダはまずまずとしても、ドイツにも一時の勢いがなく、減速感が目立ちます。最もユーロ圏の足を引っ張るのはフランス。今年3-4月に一時的に節目の50を超えた以外、過去10ヶ月以上50未満の低迷ぶり。
フランス低迷要因の一つにはユーロ高による競争力低下も考えられます。従って、しきりにECBはユーロ高牽制を行ってきましたが、前回のECB理事会以降、いったん下落したユーロは再び上昇し、当時の水準を上回る状態。量的緩和を導入すべき、との声も高まるなか、少なくとも明日、ドラギ総裁が再びユーロ高牽制発言を行う可能性は高そうです。
米雇用統計結果が良好となった場合、ユーロ安ドル高の流れが加速する可能性も高まり、堅調推移中の金相場にも若干の重しとなるかもしれません。
1日のNY市場、金相場は0.35%高で3日続伸。前日引け後につけた高値1,334.9ドルは3月24日以来となる水準。ここからはやや押し戻され、1,320ドル台後半から1,330ドル付近までの間で揉み合う展開に。NYダウやNASDAQの高値更新など株高の流れのなかで金相場は高値圏を維持したまま。7日間続いた1,320ドル前後の揉み合い水準をわずかに上抜けた形で上方向への目標水準1,350ドル近辺へと向かう流れ再開の兆しも。依然、過熱感が高く反落への警戒感も。
プラチナ相場も2.16%の大幅上昇で3日続伸。南ア鉱山スト終結後も7月1日から新たに金属労働者組合(NUMSA)のストが予定どおり実行されたことなども背景となった模様。今年高値を大きく更新し、昨年9月4日以来、10ヶ月ぶりの高値水準となり、上値メド1,520ドル近辺にほぼ到達。
ドル円は5日ぶりの反発となる0.19%の小幅高で101円50銭台を回復。日経平均の上昇とともに堅調推移もNY時間には101円50銭近辺での揉み合い状態へ。円高方向へのメドとして99円90銭近辺。上方向へのレジスタンスは102円20銭、その手前には長期サポートラインとなっていた200日移動平均線がレジスタンスラインと化して101円71銭に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/1終値とチャート
国内金価格は0.17%の小幅続伸。4,620円のレジスタンスランをわずかながらも突破。現時点ではまだ可能性はやや低めながらも4,720円近辺まで上値を伸ばす可能性が浮上。ただし4,570円台のサポートライン割れの場合には4,500円近辺までの下落リスクも。
プラチナは1.36%の大幅高で3日続伸。今年最高値を更新し、いきなり5,200円近辺の目標水準をクリア、昨年2月20日以来、約1年5ヶ月ぶりの高値水準に到達。一服感の出やすいところも重要イベントをきっかけに乱高下の可能性も。下方向へは5,070円のサポートライン割れで5,000円の大台割れを試す可能性、上方向には、ここから5,300円台にかけては真空地帯。昨年春先の急騰急落で通り過ぎた、滞留時間の短い水準。場合によっては5,300円付近までの急騰も。
※参考:金プラチナ国内価格7/2とチャート
2014年7月2日(水)時点の相場
国内金:4,622 円 7/2(水) ▲8(0.17%)
国内プラチナ:5,217 円 7/2(水) ▲70(1.36%)
NY金:1,326.6 ドル 7/1(火) ▲4.6(0.35%)
NYプラチナ:1,515.0 ドル 7/1(火) ▲32.1(2.16%)
ドル円:101.52 円 7/1(火) ▲0.20(0.19%)
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