更新日:2014年8月4日(月)
週間ベースで467ドル、2.75%の急落となった先週のNYダウ。NASDAQも2%超の下落、ドイツDAXは4.5%もの大幅下落となり、高値圏での推移が続いた欧米株は大幅調整となりました。この結果8月1日時点での欧米株の年初来騰落率はマイナス圏へと後退しています。さすがに今週はいったん反発の可能性が高まるところですが、じわじわと進む米国の早期利上げ観測や、一向に改善しないウクライナ情勢や中東リスクも背景に、上値の重い状態が続くことも想定されます。
雇用統計がそれほど好結果ではなかったことで、早期利上げ観測は現時点でやや後退気味とはなっていますが、根底には根強く懸念材料として継続しているはずで、これを好感するドル円との相関関係に、その傾向が表れ始めています。ドル円とNYダウの比較チャートを見ると、6月以降の逆相関的な動きが顕著となっています。直近の90日間相関係数はそれほど強くはないものの、30日間の相関係数は-0.557台と逆相関傾向の強さを示します。また、相関係数の推移チャートより、ドル円とNYダウの関係は、春頃までの正相関から確実に逆相関方向へと向かっていることが分かります。
比較的コンスタントに逆相関関係を示しやすい、ドル円と金との最近の比較チャートを確認すると、概ね逆相関の動きとなっています。金の場合、今年継続的に発生する地政学リスクの状況をより強く受けることで、相関係数の推移チャートにはやや乱れも見られますが、やはり概ね逆相関傾向の強さを示しています。
株価の調整局面は、バブルを避けたいイエレン議長には好都合とも言えますが、NYダウの月足チャートを見ると、長期上昇トレンドは継続中。年後半にかけて、6%超の大幅下落となった今年1月のような大幅調整局面がもう一度、訪れる可能性も決して低くはないのかもしれません。
なお、NYダウが6%超下落した今年1月には、金は6%超の大幅上昇となっていました。しかし、次回のNYダウ大幅調整局面の際には、金も同様に大幅調整となる可能性が高まります。
週明け、4日の国内金価格は0.55%の反発。NY金の急落・急反発に連動する形で短期的にはレンジ相場形成の動きに。上方向には4,590円、下方向は4,530円台が節目となりつつある状態も、7月半ば以降の上値が切り下がる流れも継続。4,500円近辺までの下落リスクも残る状態。米経済指標などが材料難となる今週はレンジ傾向となる可能性がやや優勢か。
プラチナは0.06%の小幅続落。7月半ばまで5,250円のレンジ上限は5,220円へと切り下がり、小幅レンジを形成中。5,140円前後で下げ止まればこの流れが継続する可能性が高まり、下げ止まらないようなら5,100円近辺が当面の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格8/4とチャート
2014年8月4日(月)時点の相場
国内金:4,561 円 8/4(月) ▲25(0.55%)
国内プラチナ:5,157 円 8/4(月) ▼3(0.06%)
NY金:1,293.6 ドル 8/1(金) ▲12.3(0.96%)
NYプラチナ:1,463.3 ドル 8/1(金) ▼1.9(0.13%)
ドル円:102.56 円 8/1(金) ▼0.23(0.23%)
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