更新日:2014年8月2日(土)
7月分の米雇用統計は、市場予想をやや下回ったものの、非農業部門雇用者数(NFP)は過去分が上方修正され、それほど悪くはない結果となりました。NFPの年間平均は過去10年で最大の+23.0万人を維持し、6ヶ月平均でも+24.4万人、3ヶ月平均では+24.5万人と好調を維持しています。
しかし、その他詳細指標を見ると、労働参加率が62.9%へと前月までの最低水準からわずかに0.1ポイント改善した以外は軒並み低調。
失業率は6.2%へと0.1%の悪化、長期失業者の割合は32.9%と前月から0.1ポイント悪化、広義の失業率も12.2%と前月から0.1ポイントの悪化。
そして、賃金上昇率もほぼ変わらずの状況。
イエレン議長がFOMC声明文で、依然「労働資源は著しい未活用状態」とした根拠が示され、市場はゼロ金利の当面継続方針に従わざるを得ない状況に追い込まれた格好です。
ゼロ金利継続を好感したNYダウは上昇で反応も長続きせず、ISM製造業景況指数が3年ぶりの高水準となった時点をピークに反落すると、4日続落。欧米株はいずれも続落で、潮目が変わったことによる高値圏からの下落基調は、ゼロ金利継続見込みによっても止められない状態のようです。
ドル円も早期利上げ観測の後退により反落、ISM製造業景況指数の好結果に一瞬反発するもドル売り圧力が強く、潮目が変わったことによる変動率拡大で一時102円台前半まで大きく値を下げる展開に。
相次ぐ地政学リスクなどに支えられて比較的堅調推移が続いてきた金相場は、ドル高の流れが加速することで潮目が変わることも予想されたものの、イエレン議長が固執するゼロ金利継続論の根拠を突きつけられて、素直に上昇で反応。
1日のNY市場、金相場は0.96%の大幅反発。雇用統計のポジティブ・サプライズを予想する向きが多かったようで発表直前には1,280ドル割れまで下落。結果確認後には急騰し、前日の大幅下落分をほぼ取り戻す形で1,290ドル台半ばへ。前日に下値目安の1,280ドル辺りまでしっかり到達していたことも、雇用統計の悪くはないが予想をやや下回る程度、の結果に大幅反発という流れにつながった様子。上値は1,300ドル台の抵抗線に押さえられ、1,280ドルのサポートラインとの間でレンジ形成の兆し。
週間ベースでは-9.7ドル(-0.74%)となり、3週続落。
プラチナ相場は4日続落となる0.13%の小幅安。金に連れ高となる場面もあったものの、前日の1,470ドルのサポートライン割れによる下押し圧力のほうがやや勝った模様。今のところは、さらに加速するような勢いも感じられない状況で、1,460ドル付近まで上昇してきた90日移動平均線にもサポートされる状態。ここを割れると当面の下値メド1,440ドル近辺へと向かう流れへ。
週間では-15.3ドル(-1.03%)、3週続落。
ドル円は11営業日ぶりの反落で0.23%安。この日の高値も雇用統計発表直前につけた103円ちょうど付近。小幅続伸とはいえ、ここまで一方的にドルが買われ過ぎた流れを是正するにはまだ足りない程度の調整幅。値動きが拡大の兆しを見せ始め、少しのきっかけがあれば、当面の上値メド103円台半ばへ。週間ベースでは+0.72円(+0.70%)、3週続伸。なお、週間値幅は1.32円となり、4月7日からの週(2.07円)以降で最大。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/1終値とチャート
2014年8月2日(土)時点の相場
国内金:4,536 円 8/1(金) ▼46(1.00%)
国内プラチナ:5,160 円 8/1(金) ▼58(1.11%)
NY金:1,293.6 ドル 8/1(金) ▲12.3(0.96%)
NYプラチナ:1,463.3 ドル 8/1(金) ▼1.9(0.13%)
ドル円:102.56 円 8/1(金) ▼0.23(0.23%)
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