更新日:2014年8月8日(金)
ECB理事会後の会見でドラギ総裁は、こう発言しました。市場の認識と同じ内容であっても、あらためてドラギ総裁が発言したことでユーロ売りが進みました。
さらに、「マイナス金利の導入は成功」、「ユーロ安のファンダメンタルズはより良い」などユーロ安傾向を支持する口先介入的な発言も。
なお、政策金利維持で追加の緩和策導入などは見送りの現状維持も市場予想どおりとなりましたが、中期的なインフレ見通しが変わるなら、大規模な資産買い入れを行う用意がある、と量的緩和への可能性を示す、いつもの思わせぶりの発言も変わらず。
デフレリスクへの懸念も捨てきれない様子で、最終手段は持ち越しという見方も。
そして、ECBとしてもその動向が非常に気になるウクライナ・ロシア情勢。地政学リスクが現実のものとなった場合、2-3四半期は成長が押し下げられる、と警戒感も高まります。
安全資産の欧米債券は買われ続け、金利は低下の一途。7日終値時点では米10年債金利2.411%、英10年債金利2.482%、ドイツ10年債金利1.062%はいずれも今年最低。
なかでもドイツ国債金利の最近の下落率は群を抜いています。
株価では、
NYダウの過去最高値(7月16日)からの下落率は4.5%。
NASDAQの今年高値(7月3日)からの下落率は3.37%。
英FTSEの今年高値(5月14日)からの下落率は4.1%。
ドイツDAXの今年高値(7月3日)からの下落率は既に9.9%に達しています。
ウクライナ・ロシア情勢に伴うユーロ圏への影響に関しては、ECBよりも市場の警戒感のほうが、かなり高まっているようです。
7日のNY市場、金相場は0.33%の続伸で1,310ドル台へ。前日時点で意識された水準へと到達し、高値では1,316.4ドル。次の抵抗線1,320ドルにいったん上値を押さえられた形。短期的には反発の勢いはエネルギー切れ状態。しかし、地政学リスクを背景に底堅く推移する可能性も高く、1,320ドルの節目を超えると新たに上方向へのトレンドが始まる可能性も。下方向へのサポートラインは1,280ドル。
プラチナ相場は1.11%の大幅続伸。中期的な上昇トレンドを支える90日移動平均線を1日だけ下回って反発の流れが加速。1,440ドル付近まで下値余地に対しては前日まで2日連続で1,451ドルまで下げたことで諦めてしまった可能性。短期的な下落トレンドの勢いは大きく後退し、上方向の節目1,490ドル台も意識される展開へ。
ドル円はまたも前日比ほぼ変わらず。新規失業保険申請件数の予想以上の好結果には一瞬ドル高で反応した程度、ウクライナ情勢不安の高まりを背景とする円高地合いが優勢となり、102円ちょうど前後まで下げる場面も。ドル高方向への流れはほぼ終息状態となり、101円10銭台から102円80銭の間で新たな展開を模索する動きへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/7終値とチャート
8日の国内金価格は0.2%の小幅高となり3日続伸。地政学リスクを背景に底堅く推移するNY金と、地政学リスクにもかかわらずドル円の円高傾向も限定的な状態でとどまっていることにサポートされる状態が継続。短期的なトレンドも上方向へと向かい始めた兆しで上値目標水準4,680円近辺を目指してゆっくりとした堅調推移が続く可能性も高まりそうな状況に。
週間ベースでは+69円(+1.52%)となり2週続伸。
プラチナも0.68%上昇し2日続伸。短期下落トレンドにも一服感も、9-21日移動平均線も位置する5,180円近辺の節目は抵抗線にもなり易い水準。5,100近辺の下値メドまでの下落リスクはまだ残る状態か。上方向への節目は5,220円。
週間ベースでは+17円(+0.33%)の小幅続伸。
※参考:金プラチナ国内価格8/8とチャート
2014年8月8日(金)時点の相場
国内金:4,605 円 8/8(金) ▲9(0.20%)
国内プラチナ:5,177 円 8/8(金) ▲35(0.68%)
NY金:1,312.5 ドル 8/7(木) ▲4.3(0.33%)
NYプラチナ:1,481.5 ドル 8/7(木) ▲16.3(1.11%)
ドル円:102.09 円 8/7(木) ▼0.01(0.01%)
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