更新日:2014年8月7日(木)
ロシア軍のウクライナ侵攻への脅威に警戒感を示したポーランド外相に続き、NATOと米国も同調。当然ロシア側は「根拠がない」と一蹴。表面上はちぐはぐなやりとりが続くものの、欧米の対ロシア制裁強化とロシア側の報復制裁への動きは続き、欧米とロシアとの対立の構図はまだまだ続きそうな状況となっています。
この状況を受けて、欧米株の軟調推移は続き、米10年債金利は今年最低水準付近に低迷、ドイツの10年債金利は過去最低となる1.101%まで低下しています。欧州圏での影響は強く、景気低迷が続くフィンランドでは、対ロシア制裁強化により、さらに深刻な経済危機に陥る可能性があり、EUへの救済も辞さず、との首相発言も伝えられます。ロシアとの結びつきが強いバルト3国、リトアニアやラトビアなどでも悪影響が懸念されます。
さらに、イタリアでは第2四半期の成長率が-0.2%となり、第1四半期に続くマイナス成長で2008年以降3度めのリセッション入り。
本日のECB理事会後のドラギ総裁会見では、緩和スタンスをいっそう強めることも予想され、ユーロの軟調推移もまだまだ続きそうな状況です。
ウクライナ危機長期化が逆にサポート材料となる金相場は大きく反発し、今年の年間平均も1,294.5ドルへと上昇しています。
日本国内では、田中貴金属の今年1-6月の買取実績が発表され、昨年同時期と比べて金は65.5%減少とのこと。一方、海外では、英ブリオンボールトの顧客による金保有が過去最高水準に増加した、とも伝えられます。
昨年比での価格低迷に伴い、リサイクルによる供給量は減少し、投資需要は増加していることを示します。
予想外の金相場上昇が続き、年末までに1,400ドルへ、との予想も聞かれますが、ウクライナ危機が続くなら、まんざらでもないような状況となってきました。
6日のNY市場、金相場は1.78%の大幅反発で7月21日以来の水準を回復。ヘーゲル米国防長官も「ロシア軍のウクライナ侵攻への可能性」を示唆したことで警戒感が高まり、1,290ドル近辺での底堅い推移から、1,300ドル台へと急騰。レンジ上限付近に達し、1,310ドル台へともうひと伸びの余地はあるが1,320ドルが次の抵抗線。
プラチナ相場は0.64%の反発。金に連れ高となったことで、2カ月ぶりの90日移動平均線割れの状態からは1日で脱出。中期上昇トレンドの健在ぶりを確認も、もう少しの下押し余地、1,440ドル付近まで下値を試す可能性も継続。
ドル円は0.48%の大幅反落。ウクライナ情勢緊迫化に伴うリスク回避地合い優勢の流れで米長期金利低下に伴う軟調推移。NY時間には101円70銭台まで不自然な急落場面もあり、102円台前半へと持ち直し。しかし、ドル高方向へと動き始めた流れは急速に巻き戻された状態となり、102円80銭を上限とするレンジ形成へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/6終値とチャート
7日の国内金価格は0.92%の大幅続伸。急速に上下のレンジを縮小した三角保ち合いの頂点付近から上方向へブレイクすると7月18日以来、3週間ぶりの高値水準へ。7月半ばから続いた短期下落トレンドもほぼ終息した可能性。当面の上値目標水準は4,680円辺り。4,530円が下方向への節目。
プラチナは0.12%の小幅反発。やや減速感はあるものの短期下落トレンドは継続中、下値メド5,100近辺まで、もう少しの下落余地。しっかり下げると5,099円まで上昇してきた90日移動平均線にサポートされて流れに変化が見られる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格8/7とチャート
2014年8月7日(木)時点の相場
国内金:4,596 円 8/7(木) ▲42(0.92%)
国内プラチナ:5,142 円 8/7(木) ▲6(0.12%)
NY金:1,308.2 ドル 8/6(水) ▲22.9(1.78%)
NYプラチナ:1,465.2 ドル 8/6(水) ▲9.3(0.64%)
ドル円:102.10 円 8/6(水) ▼0.50(0.48%)
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