更新日:2014年10月11日(土)
欧米株の下落が止まりません。前日、NYダウが今年最大の下落幅となったのに続き、今度はNASDAQが2.33%の大幅下落、NYダウも0.7%の続落で遂に年初来マイナス圏に突入。ドイツDAXは2.4%の大幅下落で今年安値を更新、英FTSEも1.43%下落で今年安値。週間ベースでもNYダウ、NASDAQ、DAX、FTSEはいずれも3週続落。日経平均も同様に。
為替は対円を除いてドル全面高、欧米債券が買われて金利は下落。底値圏からの反発途中にある金が調整売りとなったことを除けば典型的なリスク回避の流れとなっています。
この流れを牽引するのは、年初来騰落率8%前後の下落となっている通貨ユーロとドイツDAXの下落。やはり、ユーロ圏経済を牽引してきたドイツの減速が大きいようです。
ドイツの経済成長率見通しは下方修正傾向にあり、成長促進の為にも建設的な財政政策を望む声も聞かれます。IMFのラガルド専務理事はインフレ改善に向けて、ユーロ圏は一層の追加対応が必要との考えを示し、ドイツへの投資拡大を望むような発言。ドラギECB総裁は「ユーロ圏の各国政府には、責任ある財政政策を導入し、構造改革を実施する強い意思がある」と暗にドイツの財政出動を期待するかのような発言も。
当のドイツ・ショイブレ財務相は、ユーロ圏の成長を押し上げるために政府が歳出を拡大することは間違った方法、と完全否定。
ユーロ圏と密接な関係にある英国のオズボーン財務相は、ユーロ圏の最近の弱い経済指標を踏まえると同地域が再び危機に陥るリスクがある、と警戒感を高めます。
そうこうしている間に、ゼロ成長状態が続くフィンランドの格付け「AAA」がS&Pによって剥奪され、いっこうに景気が回復しないフランスの格付け見通しも「ネガティブ」へと引き下げられています。今やユーロ圏で格付け主要3社全てからトリプルA相当の最上級格付けを付与されているのは、ドイツとルクセンブルクの2カ国のみとなっています。
財政問題に起因するユーロ債務危機が収束して2年、ユーロ圏は今、デフレによる景気後退への危機に瀕しています。
10日のNY市場、金相場は0.29%の小幅反落。ほぼ1,220ドル台前半での揉み合い状態に終始、短期上昇トレンド中の小幅調整。当面の上値メドとなる1,230ドル台後半に対し、前日高値1,234ドルで一度到達した形となっているものの、再度この水準まで上値を伸ばす可能性は十分に想定される状況。1,200ドル台をサポートラインにゆっくりとした上値トライへ。
週間ベースでは+28.8ドル(+2.41%)、6週ぶりの反発。
プラチナ相場は1.31%の大幅安となり、5日ぶりの反落。ボラティリティの高い状態を引きずり、急反発の反動による大幅調整に。短期的な流れは上向きつつあり、足場固めを経て再度1,300ドルの大台回復トライへと向かう可能性も。1,280ドルの節目を突破できれば上値余地は1,300ドル台前半へと拡大の見込み。
週間ベースでは+35.6ドル(+2.9%)、6週ぶりの反発。
ドル円は0.17%の小幅続落。調整局面継続ながらも107円台半ばでの底堅さは相変わらず、108円近辺までの間で揉み合う展開のなか、米株の下落に連れてNY時間終盤にはやや円高方向へ。ドル買い圧力の高まる107円台半ばを突破できれば下値目標水準106円60銭近辺へと向かう可能性も。
週間ベースでは-2.1円(-1.92%)、9週間ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/10終値とチャート
2014年10月11日(土)時点の相場
国内金:4,540 円 10/10(金) ▼1(0.02%)
国内プラチナ:4,681 円 10/10(金) ▼59(1.24%)
NY金:1,221.7 ドル 10/10(金) ▼3.6(0.29%)
NYプラチナ:1,261.6 ドル 10/10(金) ▼16.7(1.31%)
ドル円:107.65 円 10/10(金) ▼0.18(0.17%)
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