更新日:2014年10月9日(木)
9月のFOMC議事要旨の内容では、ユーロ圏や中国、日本の経済成長減速への懸念、中東、ウクライナなどの地政学リスクへの懸念、ドル高に伴う米国のインフレ率低下懸念などが示され、そしてそれらが及ぼす米国経済見通しへのリスクも懸念されています。また、ゼロ金利継続を「相当な期間」としたフォワードガイダンスの変更についてもかなりの慎重姿勢が見られます。
予想以上にハト派的と受け止められたFOMC議事要旨の内容を受けて、米株市場に広がった大きな安心感を裏付けるように、NYダウは274.83ドル、1.64%もの大幅上昇、今年最大の上げ幅となりました。前日にはIMFの世界経済見通しが引き下げられたことで272.52ドル、1.6%下落していたNYダウは乱高下状態に。
なお、9月25日にも264ドル、1.54%の大幅下落を記録しており、NYダウの変動率はこのところ急速に高まっています。
今年、NYダウが前日比1.5%以上変動したのは、これ以前では、7月31日の1.88%下落、4月10日の1.62%下落、2月3日の2.08%下落、1月24日の1.96%下落の4回。
全7回のうち3回が最近2週間での出来事。そして1.5%超の大幅上昇は今年初。今年ここまで何度も史上最高値更新を続けた割には、大幅上昇はほとんど無かったことになります。地道に小幅上昇し続けて、何らかの材料をきっかけに大幅下落、コツコツ、ドッカーン!というパターンが続いている、ということになります。
何らかの警戒感が高まってきているような流れ、と言えそうです。
FRBのハト派を好感し、緩和的政策がサポート材料となりやすいのは金相場も同様。しかし、今朝のNY金相場の上昇度合いは今のところ限定的。
いずれ訪れる、利上げ局面への警戒感が既に高まってきている様子、とも言えそうです。
8日のNY市場、金相場は終値では前日比0.53%の反落。引け後に公表されたFOMC議事要旨を受けて1,220ドル台へと急反発。このまま現状水準から1,210ドル台後半までの水準を維持できるなら、短期上昇トレンドの勢いを増し、上値余地を1,230ドル台後半まで拡大、サポートラインも1,200ドル台へと切り上げ。維持できないようなら、レジスタンスラインを1,210ドル台半ばへと切り下げて1,190ドルまでのレンジ形成へ。
プラチナ相場は0.4%の小幅高で3日続伸。やはり引け後に急騰すると1,270ドル台まで水準を切り上げた状態。オーバーシュートからの戻り局面にあり、昨年最安値圏1,300ドル近辺までは比較的戻し易い状況か。9日移動平均線にぶつかる位置にあり、1カ月半ぶりのパーフェクトオーダー状態脱出をかけて最初の節目攻防へ。
ドル円は0.05%の小反発。107円台後半を何度か試した後にはドル買い意欲の強さを見せて108円70銭台まで反発。しかし、FOMC議事要旨公表を受けて108円ちょうど付近まで急落となる行って来い。ドル高円安基調の強さを感じさせつつも、調整局面継続の可能性が高い状況。当面の下値目安として106円60銭近辺、ドル高方向へのレジスタンスラインは109円80銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/8終値とチャート
9日の国内金価格は0.75%の反発。前日の下落値幅の2倍の上昇幅となり、2日前の価格を大きく上抜け、戻り基調の強さを感じさせる流れに。下方圧力も大幅に縮小し、9月までの揉み合い水準4,560-80円の上限付近、4,580円辺りまで上値を伸ばす可能性も。サポートラインは4,500円台へと切り上げ。
プラチナ価格は0.98%の大幅高となり3日続伸。1週間前の目標水準4,700円前後を完全にクリアしたことで、このままの反発基調が続く可能性よりもいったんは調整をはさむ可能性も。目先の上値抵抗線は4,755円まで下げてきた9日移動平均線。※参考:金プラチナ国内価格10/9とチャート
2014年10月9日(木)時点の相場
国内金:4,541 円 10/9(木) ▲34(0.75%)
国内プラチナ:4,740 円 10/9(木) ▲46(0.98%)
NY金:1,206.0 ドル 10/8(水) ▼6.4(0.53%)
NYプラチナ:1,266.9 ドル 10/8(水) ▲5.0(0.40%)
ドル円:108.08 円 10/8(水) ▲0.06(0.05%)
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