更新日:2014年10月21日(火)
米国の財務省は強いドルを歓迎しているのに対し、FRBでは「さらなるドル高は米国の輸出部門に有害な影響を与え、為替レートはFRBの決定に影響を及ぼす」とドル高をけん制する姿勢を見せ始めています。
一方、日本では黒田日銀総裁が「ファンダメンタルズを反映した円安は全体として景気にプラス」と従来からの基本スタンスを維持するのに対し、安倍総理は「円安にはプラスもマイナスもある。輸入物価上昇に苦しむ地方や、中小企業には支援が必要」と円安けん制ともとれる発言が見られ始めています。
ドル円相場が110円を目指し始めた頃から、日米ともに政府と中央銀行との間での為替に対する認識ギャップが見られ始め、結果的にはFRBと安倍総理の思惑が一致してドル安円高方向へと大きく調整することになっています。
また、FRB内部では、先週の株安局面にタカ派のブラード・セントルイス連銀総裁が「量的緩和終了を先送りすべき」とハト派発言していたのに対し、株安一服後には、ハト派のウィリアム・サンフランシスコ連銀総裁とローゼングレン・ボストン連銀総裁が「今月のFOMCで終了すべき」とタカ派発言。さらに市場がやや落ち着くと、タカ派のフィッシャー・ダラス連銀総裁も「最近の市場変動で見通しが変わることはない(予定通り終了すべき)」。
その発言が市場を動かすほど影響力がある人たちの認識にギャップが見られ、発言にもバラツキが見られるような状況下では、ある程度マーケットが荒れるのも致し方ないこと。しかし、荒れたマーケットに影響され、その発言にブレが見られ始めると、市場の不安心理を増幅させます。
20日のNY金相場は0.46%の反発。先週水曜日の始値1,233.3ドルが意識されたのは日本時間午前中まで。ドル高の流れが長続きしなかったことにより堅調推移に転じると一時1,250ドルをうかがうような展開に。反落の危機を回避し、1,230ドル台後半から1,240ドル台半ばの小幅レンジを形成。レンジ上抜けなら上値目標は1,270ドル台辺り、下抜けなら1,220ドル割れ程度の下押しも。
プラチナ相場は0.48%の続伸。反発傾向が続くも高値はレンジ上限1,270ドル台前半で抑えられ、三角保ち合い継続。上下どちらかに大きく動き出す可能性が日々高まる状況。上限突破に成功できれば上値目標水準は1,310ドル近辺。下方向には1,250ドル割れなら現状下値リスクの1,230ドル、さらに一段下げて2番底をつけに行く可能性も。
ドル円はわずかに2ドル高、ほぼ横ばい推移。107円台の窓開けスタートも107円40銭付近で力尽きて反落、しっかり窓を埋める流れとなり、分岐点となる先週水曜始値107円05銭を超えられず、反落へと向かう確率が高まることに。2日間の反発は短期下落トレンド中の戻り局面だった可能性が高まり、下値目標水準104円台前半までの下落リスクも再び増大。ただし、反転して107円10銭の抵抗線を超えた場合には107円台後半へと上値を伸ばす可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/20終値とチャート
21日の国内金価格は0.59%上昇し3営業日続伸。節目の攻防からレンジ上限を上抜けて急騰。目先の目標水準は4,600円前後。円高方向への動きが限定的となった場合にはさらに上値を伸ばす可能性も。サポートラインは4,510円台。
プラチナ価格は0.13%の小幅反落。広めのレンジでの三角保ち合い傾向が強まる展開。上下どちらにも振れやすい状況、しかし上下の節目まではいずれも距離を残し、しばらくは4,570円台から4,740円台までのレンジ内で揉み合う展開か。
※参考:金プラチナ国内価格10/21とチャート
2014年10月21日(火)時点の相場
国内金:4,576 円 10/21(火) ▲27(0.59%)
国内プラチナ:4,636 円 10/21(火) ▼6(0.13%)
NY金:1,244.7 ドル 10/20(月) ▲5.7(0.46%)
NYプラチナ:1,267.5 ドル 10/20(月) ▲6.0(0.48%)
ドル円:106.94 円 10/20(月) ▲0.02(0.01%)
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