更新日:2014年10月24日(金)
昨日発表された10月分ユーロ圏の製造業PMI速報値は事前予想に反して上昇。その前に発表されたフランスの製造業PMIが予想を下回り、6カ月連続で節目の50を下回る不調が続いたことで警戒感が高まり、ユーロ売りドル買いが加速しました。しかし、30分後に発表されたドイツの製造業PMIは予想に反して節目の50を超える51.8へと大幅上昇。一転してユーロは対ドルで買い戻される展開へ、さらに30分後に発表されたユーロ圏のPMIも50.7と予想を上回り50割れも回避、50.4へと反発した中国との形成逆転も無事回避。
ドイツの不調に伴うユーロ圏の景気減速への警戒感が高まっていただけに、ひとまず安心感からのユーロ買いが進行しました。
しかし、ユーロ圏の安心感は世界景気減速への警戒感の緩和にもつながったようで、ドル円もドル高円安が加速。こうなると、ユーロドルとの相関性が高まっている金相場にも売り圧力が強まります。しばらくはユーロ買いドル売り、ドル買い円売り、金売りの展開に。
その後発表された米国の新規失業保険申請件数では、事前予想よりわずかに増加したものの、4週移動平均は28.1万件へと減少、2000年5月以来の低水準となりました。同時に発表された失業保険継続受給者数の235.1万人も前週から3.8万人減少し、2000年12月以来の低水準。長期失業者の減少を示唆し、労働市場の順調な回復基調を示します。
これを受けてユーロ買いドル売りの流れは逆転し、ドル買いユーロ売り優勢へ、ユーロドルは下落。そしてドル買い円売り傾向はさらに加速し、ドル円は上昇。こうなると、ユーロドルに相関、ドル円に逆相関の金相場の下落圧力はいっそう強まります。
欧州景気減速懸念の緩和にとどまらず、米国の経済指標の好調も加わり、世界景気減速懸念の大幅緩和期待が高まったことが金相場の大幅下落を招きました。
しかし、今朝にはニューヨークでのエボラ熱感染の疑いからリスク回避傾向が強まる場面もありました。
下げ止まりの兆しを見せたドイツとユーロ圏の景況感も、速報値。月初に発表される確定値で下方修正されるようなことがあれば、再び警戒感が高まることにもなりかねません。
月末月初の重要イベントも控え、市場の不透明感が払拭された訳ではありません。
23日のNY金相場は1.32%の大幅続落。米雇用統計を受けて1,200ドルを割れた10月3日の1.83%下落以来となる大幅下落。急速に進んできた反発基調の流れからの調整がやや大きくなった形。1,230ドル台後半の軽めのサポートラインを下抜けたことで、1,220ドル割れ程度までの調整が進む可能性も。方向感はまだ上向き、1,250ドル台が当面の上値抵抗線に。
プラチナ相場も金に追随する流れで1.27%の大幅続落。広めの保ち合いレンジ下限付近となる1,250ドル台で下げ止まり、この水準を維持できれば1,310ドル前後の上値目標への再トライへと向かう可能性。維持できなければ2番底をつけに行く可能性。
ドル円は1.05%の大幅高で6日続伸。上値メドとなっていた107円60銭近辺到達後は伸び悩み。しかし、新規失業保険申請件数の結果で労働市場の好調維持が確認されたことをきっかけに株高の流れとともにドル買いが加速、10月8日以来2週間ぶりの108円台に。流れは好転間近、しかし急反発の行き過ぎの感も。105円90銭から109円80銭までの広めのレンジ内で新たな展開の模索へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/23終値とチャート
24日の国内金価格は前日比変わらず。NY金の反発の流れが減速し、円安ドル高の加速によりボラティリティは低下傾向。流れは上向きを維持し、4,600円前後の目標水準再トライへと向かうなら、さらなる上値余地拡大の可能性も。
週間ベースでは+49円(+1.08%)の反発。
プラチナ価格は0.3%の小幅反発。バイアスは上方向ながら上値も重い状況、三角保ち合いのレンジを一段と狭め、再び大きく動き出すタイミングが近づきつつある可能性。上方向の節目4,710円を超えると4,800円近辺を目指す流れへ。下方向に4,650円割れなら4,550円辺りまでの下押しも。
週間では+63円(+1.37%)、5週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格10/24とチャート
2014年10月24日(金)時点の相場
国内金:4,579 円 10/24(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ:4,668 円 10/24(金) ▲14(0.30%)
NY金:1,229.1 ドル 10/23(木) ▼16.4(1.32%)
NYプラチナ:1,255.0 ドル 10/23(木) ▼16.1(1.27%)
ドル円:108.27 円 10/23(木) ▲1.13(1.05%)
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