更新日:2014年10月31日(金)
NY金相場も遂に今年年初からの騰落率がマイナス圏となりました。主要指標で年初来騰落率プラス圏にあるのは米株とドル円、あとは国内金価格のみ、という状況(国債も買われて金利が大幅下落)となっています。
厳密には、NY金相場は10月3日終値時点でも一度年初来マイナス圏となり、2度めのマイナス圏入り。1カ月も経たないうちに2度めの1,200ドルの大台割れとなっています。世界経済を牽引する米国の金融政策の転換期にあり、量的緩和終了に伴う金相場のこの程度の下落は想定の範囲内、という見方もできなくはありません。
ただ、これまでの金相場の急落局面を振り返ると、その後まもなく市場の混乱期、マーケットの波乱局面を迎えています。
昨年4月に金相場が2日間で200ドルもの暴落となった時には、さすがに株式市場なども同時に影響を受けることにもなりましたが、その後バーナンキショック、量的緩和縮小開始懸念に伴う世界的株安、新興国通貨安のリスク回避局面を迎え、日経平均は5月23日に1,143円もの暴落、それまでの堅調推移の流れが大きく逆転することになりました。NYダウも6月末には14,600ドル台まで下落しました。
昨年12月19日に金相場が終値ベースでの2013年安値となる1,193.6ドルまで、前日比3.35%の急落となった翌月後半には、新興国通貨安リスク拡大に伴うリスク回避局面を迎え、やはり世界的株安となり、NYダウは2月初旬に2014年最安値15,300ドル台を記録。
そして先日の10月3日、プラチナ相場急落に牽引される形で金相場も1,192ドルまで、翌6日朝には一時1,183ドルまで下落。その2週間後の15日には米経済指標悪化などをきっかとした株高ドル高の急速な巻き戻しが起こり、NYダウは一時458ドル急落し、欧州株も大幅下落、ドル円も105円まで急落、降って湧いたようなリスク回避局面となったのも記憶に新しいところです。
NY金相場は今朝、再び1,200ドル割れへと急落局面を迎えています。年末に向かうマーケットの波乱のサインかもしれません・・・。
30日のNY市場、金相場は2.15%の大幅続落。FOMC後の軟調地合いが継続、米7-9月期GDP速報値上振れなど米経済の好調維持による早期利上げ懸念も重しとなり約1カ月ぶりの1,200ドル割れ。終値ベースでの今年安値、10月3日の1,192.9ドルが重要な分岐点。今のところはサポートラインとして作用、しかしこのラインを明確に下抜けた場合には、1,100ドル台半ばまで下値余地拡大の可能性。
プラチナ相場も1.84%の大幅安。上向きつつあった流れが巻き戻され、揉み合い状態のレンジ下限1,250ドルラインも下抜け。1,310ドルの上値目標再トライへの可能性はいったん消滅、1,200ドル台後半でのレンジ相場維持の可能性を残しつつも、下値トライの可能性も浮上。レンジ相場継続中の行き過ぎでなければ、1,200ドル前後、1,200ドル割れ程度が下値目標水準。
ドル円相場は0.29%高で3日続伸。10月3日以来ほぼ1カ月ぶりの109円台。米GDP速報値に一時急騰も、国防支出の伸びが大きく、個人消費は下振れとやや期待はずれの内容に急落。その後年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用比率変更報道によって上値を切り上げる展開へ。上値目標は110円台前半を目指す堅調推移継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/30終値とチャート
31日の国内金価格は0.77%の続落。4,540円台のサポートラインを大きく割り込み、短期上昇トレンドも終了。目先の下値余地は4,480円台辺り。NY金の下げ幅拡大なら4,400円台半ば付近までの可能性も。
週間ベースでは-62円(-1.35%)の反落。月間では-57円(-1.25%)で続落。
プラチナ価格は0.53%の続落。三角保ち合いからの小幅上抜け状態からの巻き戻し。4,640円のサポートラインを維持し、4,780円台の上値目標水準を目指す可能性も維持。NYプラチナの下値リスクが現実化した場合、国内価格も大きく反転し、保ち合い下抜けリスクも。
週間ベースでは-1円(-0.02%)の小反落。月間では-242円(-4.93%)の大幅安で3カ月続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/31とチャート
2014年10月31日(金)時点の相場
国内金:4,517 円 10/31(金) ▼35(0.77%)
国内プラチナ:4,667 円 10/31(金) ▼25(0.53%)
NY金:1,198.6 ドル 10/30(木) ▼26.3(2.15%)
NYプラチナ:1,245.9 ドル 10/30(木) ▼23.3(1.84%)
ドル円:109.21 円 10/30(木) ▲0.32(0.29%)
Copyright(C) Let's GOLD