更新日:2014年11月28日(金)
NY金相場は1カ月前、10月30日終値で1200ドルの大台ラインを割れるとその後1,130ドルまで安値を更新、そして反発基調となって11月後半には1200ドル付近まで上昇。瞬間的には何度も1200ドルを超える場面もあったものの、終値ベースでは一度も1200ドルを超えることができない状態が継続。その反面、下値も1,190ドル付近で支えられる状態となり、1200ドル手前での攻防が続きます。背景には、価格下落に伴うアジアの実需拡大も一つの要因に。今年第3四半期(7-9月期)の中国の金消費需要は前年比大幅減と低迷していましたが、10月以降の金需要は拡大傾向にあることが予想されます。10月の香港から中国への輸出量は77.628トンとなり、3カ月連続の増加、過去7カ月で最大量となっているようです。1200ドルを大きく下回るようなケースでは、アジアの現物需要がしっかりと買い支える構図が健在のようです。
一方、プラチナ相場は11月6日、1200ドルの大台割れ。これ以降は、瞬間的に1,170ドル台まで下落する場面こそあったものの、ほぼ1200ドル近辺で下値を支えられる状態が継続中。こちらのサポート要因には、相対的な売られ過ぎや絶対的な低水準への相場下落に伴う買い戻しに加え、南アランド建てプラチナ価格が重要水準にさしかかっていることも影響がありそうです。南アランド建てプラチナ価格が生産コストラインと見られる13,175ランド付近まで下落してきたことにより、ドル建てプラチナ相場への売り圧力も緩和傾向となりやすくなります。
1200ドルがレジスタンスとなる金相場、逆にサポートラインとなるプラチナ相場、それぞれ重要な分岐点突破に向けた攻防、分岐点に支えられての攻防が続きます。
そんななか、時間外でのNY金相場は1,190ドル割れを試す状況にあり、このまま行くと1,160ドル近辺へと再び下値模索の流れが強まることになり、今回の1200ドルの節目トライはいったん失敗、の可能性が高まります。
プラチナ相場も軟調気味で1,210ドル前後で推移中。もう一段、売り圧力が強まるようなら、瞬間的にでも1200ドルのサポート水準を、再び大きく割り込む可能性が高まります。
感謝祭でNY株式市場や商品市場が休場となった27日の為替市場、閑散取引のなかドル円相場はわずかに0.03%安で3日続落。しかし、朝方の117円台後半のサポートライン割れによる軟調推移も117円20銭台どまり。欧州、NY時間にかけては買い戻し優勢となり、再びレンジ下限付近まで戻してきたところに相変わらずの底堅さも見られる状況。OPEC総会での原油減産見送りを受けた原油安の流れもドル買いの支援材料に。今朝時点では再び118円台を回復、118円前後のレンジでの揉み合いに回帰してきた形。可能性としては116円台半ばまでの調整余地を残しつつ、レンジ上限となる118円30銭を明確に上抜けるようなら120円近辺を目指す流れ再開へ。
28日の国内金価格は0.43%下げて3日続落。買われ過ぎ状態はやや緩和されたものの、まだ過熱感は継続。これまでも急上昇後には急反落となるケースが多かった金価格、今回はここまで小幅下落。4,810円台まで上昇してきた9日移動平均線付近までの調整でとどまるようなら、この近辺での揉み合いを経て再び上昇基調再開への可能性も。
週間ベースでは-15円(-0.31%)となり、4週間ぶりの小幅反落。
プラチナ価格は0.81%安で5日ぶりの反落。90日移動平均線が都合よく、ちょうど上値抵抗線となってそれなりの調整。上向きの9日、21日移動平均線にサポートされてゆるやかに下落する90日移動平均線を上抜けると上方視界が開ける可能性。なお、4,900円付近は比較的サポートされやすい水準。しかし、下方向へ4,800円近辺までほとんど素通りしやすい真空地帯。
週間ベースでは+14円(+0.29%)の小幅高で4週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格11/28とチャート
2014年11月28日(金)時点の相場
国内金:4,821 円 11/28(金) ▼21(0.43%)
国内プラチナ:4,900 円 11/28(金) ▼40(0.81%)
NY金:1,196.6 ドル 11/26(水) ▼0.5(0.04%)
NYプラチナ:1,228.4 ドル 11/26(水) ▲3.9(0.32%)
ドル円:117.69 円 11/26(水) ▼0.04(0.03%)
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