更新日:2014年11月14日(金)
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が13日発表したGold Demand Trends Q3 2014によると、2014年第3四半期の世界の金需要は929.3トン。前年同期比-2.5%、前期比-2.9%となり、いずれも小幅に減少。
目的別需要
宝飾品:534.2トン(前年同期比-4%、前期比-4.2%)
工業関連:97.9トン(-5%、-2.6%)
投資関連:204.4トン(+6.5%、-9.6%)
公的関連・中央銀行:92.8トン(-8.6%、-21.2%)
投資関連では、現物投資が-21%と減少。ETF関連の売り越し幅が減少したことにより合計で小幅増に。
国別の金消費需要(宝飾品需要とバー・コインなどの現物投資需要合計)
1位 インド:225.1トン(前年同期比+39.3%)
2位 中国:194.1トン(-36.7%)
3位 米国:42.3トン(+2.9%)
4位 ドイツ:33.2トン(+3.1%)↑
5位 トルコ:25.8トン(-13.4%)↓
6位 ベトナム:19.0トン(-26.9%)↑
7位 ロシア:18.6トン(+1.1%)↑
8位 タイ:16.5トン(-42.3%)
9位 サウジアラビア:15.3トン(-15.9%)↓
10位 エジプト:13.1トン(-7.7%)↑
※世界合計:779.8トン(-10.2%)
世界全体では前年比小幅減少となるなか、インドの大幅増が際立ちます。ディワーリー(ヒンズー教の新年の祭り:2014年は10月23日・第4四半期)や婚礼シーズンを控える時期に相当したことに加え、金相場の下落傾向、モディ新政権となって以降の景気回復期待が金の需要増に大きく影響したものと推測されます。なお、宝飾品需要に限定すると前年比+60%の大幅増。
中国の大幅減は、昨年の大幅増による在庫過多の吐き出しに伴うものと、景気減速にの影響もありそうです。
上位3カ国の順位は第2四半期と変わらず。4位以下ではドイツとロシアの小幅増、サウジアラビアの大幅減により変動。
ランク外主要国で前年比増加している国は、英国(+18%)、フランス(+12%)。
11月末に金準備増加の国民投票を控えるスイスは-28%。中央銀行に対して圧力をかける国民の金消費需要はそれほどでもないようです。
中央銀行保有量
1:米国 8,133.5(72%)
2:ドイツ 3,384.2(67%)
3:IMF 2,814.0(-)
4:イタリア 2,451.8(66%)
5:フランス 2,435.4(65%)
6:ロシア 1,149.8(10%)
7:中国 1,054.1(1%)
8:スイス 1,040.0(7%)
9:日本 765.2(2%)
10:オランダ 612.5(54%)
11:インド 557.7(7%)
12:トルコ 523.8(16%)
13:ECB 503.2(27%)
14:台湾 423.6(4%)
15:ポルトガル 382.5(79%)
16:ベネズエラ 367.6(69%)
17:サウジアラビア 322.9(2%)
18:英国 310.3(11%)
19:レバノン 286.8(22%)
20:スペイン 281.6(24%)
中央銀行の金保有量・2013年末時点からの順位変動は、
第2四半期末時点でロシア(8→6)、中国(6→7)、スイス(7→8)が変動し、第3四半期は変動なし。
なお、金準備増加に反対するスイス中銀の外貨準備比率は第2四半期の8%から7%へ減少。
供給量
合計供給量は1,047.5トン(前年同期比-7.2%)で118.5トン(12.8%)の供給過多。内訳は、金鉱山産出量が797.0トン(+0.3%)、リサイクルが250.5トン(-24.9%)。
※2014年第2四半期
13日のNY金相場は0.21%の小反発。米雇用関連指標の結果に上下に振られながらも1,160ドル近辺での揉み合い状態が継続。上方向の節目1,180ドルの手前、1,170ドルが抵抗線としての存在感を高め、下方向には1,140ドルの重要サポートライン手前、1,150ドル付近での底堅さも目立ち始め、しばらくはレンジ相場継続の様相に。
プラチナ相場は0.52%安となり、4日続落。1,220ドルから1,190ドル台のレンジ内キープも下限トライに傾斜。11月6日につけた終値ベースでの今年安値1,197.1ドルを下回る兆しもあり、このまま1,190ドル台前半以下へと水準を切り下げるようなら再び下値模索の流れへ。その場合、1,186.5ドルの今年最安値を更新し、1,160ドル近辺が当面の下値目標に。
ドル円相場は0.24%の反発。新規失業保険申請件数が予想を少し下回り、115円30銭台まで下げたのがこの日の安値。9月のJOLTS求人件数が473.5万件と8月の485万件に続き2001年1月以来約13年ぶりの高水準を維持し、退職率は2.0%と、2008年4月以来6年ぶりの高水準へと改善傾向を示したことなどを好感し堅調推移に。今朝9時台には11日につけた今年高値を更新し116円20銭近辺まで上昇する場面も。114円60銭の下値サポートライン割れなら大幅調整の警戒感を抱えつつも、ドル買い円売りの流れがもう少し続きそうな様子。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/13終値とチャート
14日の国内金価格は0.39%の反発。短期上昇トレンドを維持し、8月15日以来3カ月ぶりの高値水準を回復。4,630-50円付近は抵抗線となりやすい水準で減速感も。それでも現時点ではこの水準を超えて4,670円近辺の上値目標水準を目指す可能性十分の勢い。4,570円が重要な下値サポートライン。
週間ベースでは+100円(+2.21%)の大幅高で続伸。
プラチナ価格はわずかに1円の反発。ゆるやかな上昇トレンドも失速、4,770円台の抵抗線が超えられずレンジ状態に。4,730円のサポートラインを維持する現時点では、4,780円台を上抜けて4,830円近辺を目指す可能性も維持。
週間ベースでは+17円(+0.36%)の小幅高で続伸。
※参考:金プラチナ国内価格11/14とチャート
2014年11月14日(金)時点の相場
国内金:4,626 円 11/14(金) ▲18(0.39%)
国内プラチナ:4,749 円 11/14(金) ▲1(0.02%)
NY金:1,161.5 ドル 11/13(木) ▲2.4(0.21%)
NYプラチナ:1,199.0 ドル 11/13(木) ▼6.3(0.52%)
ドル円:115.76 円 11/13(木) ▲0.28(0.24%)
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