更新日:2014年12月1日(月)
11月30日に行われたスイス中銀の金準備拡大を問う国民投票は77%の反対で否決され、NY金相場は時間外で1,150ドル近辺へと下落。事前の世論調査でも反対派がかなり優勢、スイスフラン高阻止の為にこの提案を否定するスイス中銀の声明などもあり、このイベントへの注目度はかなり低下していたものと見ていたものの、可決なら1,500トンの金買い増し、への期待は予想以上に大きかった様子。
加えて、NY原油先物も時間外で続落。1バレル=65ドル割れとなり、2010年5月以来の安値を更新、という原油安継続も影響しているものと思われます。
また、今朝発表された中国の製造業PMIでは、HSBCの改定値は速報値から変わらずも節目の50で低迷、国家統計局の数値も低下傾向にあり、先月の利下げ効果は見られない状況。中国景気低迷も今後の金にはマイナス材料に。
その一方で、インドでは先週末、金輸入量の20%を輸出に振り向けることを義務付けた規制撤廃を発表。今後のインドの正規輸入量増加が見込まれるサポート要因に。
さらに、世界景気を単独で牽引する米国の年末商戦もスタートし、好調が予想されていたにもかかわらず、感謝祭の週末小売店売上高は前年比11%減と予想外の低迷。オンライン売上は大幅増となっているものの、全体に占める規模はまだまだ少ない為、影響は限定的。米経済が好調過ぎないことも金相場のサポート材料。
しかし、中長期的な流れとしては米国経済の回復傾向が続き、リスクオン傾向、そして米国の政策金利引き上げへと向かう流れがドル高をサポートし、金相場のサポート材料は乏しい状況が継続。
そしてドル高円安が進行し、今朝もドル円相場は119円台を記録、着々と120円手前の抵抗線を突破しつつある状況。
スイスの金を救えなかったことをきっかけに、ドル建て金価格は一段安となり、もうしばらく軟調状態が続きそうな状況ですが、日本の金だけは、円安が救う状態が継続中。
1日の国内金価格は2.39%の大幅安で4営業日続落。下げ幅としては今年最大、昨年12月20日の-105円、-2.46%以来の下落率に。NY金の大幅下落を円安で支えきれず、急上昇と急反落がセットで生じやすい国内金価格の特徴が現れた形。半月前まで今年の最高値となっていた3月の4,708円付近で下げ止まったことで、中期スパンで見れば水準を切り上げる流れが継続中。下方向には4,650円近辺が次のサポート水準候補、上方向へは4,860円台が当面の抵抗線に。
プラチナ価格も1.2%の大幅安で続落。下げ幅としては金よりも小幅にとどまり、上昇基調をなんとか維持している状態。しかしNYプラチナが時間外で1,190ドル割れを試す状況にあり、このまま明朝まで反発出来なければ下方リスク拡大の可能性が高まり、国内プラチナ価格も下落リスクが高まることに。サポート水準は4,800円近辺、4,740円台には重要な節目。
※参考:金プラチナ国内価格12/1とチャート
2014年12月1日(月)時点の相場
国内金:4,706 円 12/1(月) ▼115(2.39%)
国内プラチナ:4,841 円 12/1(月) ▼59(1.20%)
NY金:1,175.2 ドル 11/28(金) ▼21.4(1.79%)
NYプラチナ:1,211.3 ドル 11/28(金) ▼17.1(1.39%)
ドル円:118.68 円 11/28(金) ▲0.99(0.84%)
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