更新日:2014年12月26日(金)
ロシアのシルアノフ財務相は、ルーブル急落などの危機的な状況はもはや終わった、と言っています。
ロシア中銀による政策金利の大幅引き上げや為替介入、政府による輸出業者への外貨売却命令などが功を奏し、急落していたルーブルは急回復中。ルーブルが安定すれば金利も引き下げられる、とタカをくくります。
原油相場の急落とともにルーブルも急落し、チャート上では強い逆相関関係を示す状態は継続しています。
足元のロシア・ルーブルは過去最安値圏からは急速に戻し、現在1ドル=53ルーブル近辺となっていますが、原油相場は1バレル=55ドル近辺での揉み合い状態、安値圏でいったん下げ止まったに過ぎない状況。
原油相場は年初来43%下落の水準、ドル・ルーブルは年初来62%下落の水準にまで戻したところ。
原油相場の反発が当分見込めない状況にあり、むしろもう一段の下落も想定されるのに対し、ルーブルがさらにルーブル高方向へと向かう可能性にはかなり疑問が残ります。ルーブル安は明らかに大幅な行き過ぎ状態から急速に戻しただけ。原油相場動向に加え、ウクライナ問題、クリミア半島の問題、西側との経済制裁による悪影響が続くなか、対ドルでルーブルが買われ続ける全うな理由は見当たりません。
今回のように、急激に不安定な状態とならない限り、リスク回避傾向はそれほど高まらないのかもしれませんが、原油相場がルーブルの動向に大きく影響し続ける状態はまだしばらく継続しそうな状況です。
安値圏で揉み合い状態となっている金相場にとっても、原油相場がやや足を引っ張る状況がもう少し続くのかもしれません。
25日の為替市場は実質半ドン、ドル円は0.28%の小幅続落。120円台前半での軟調推移でも120円台割れを回避、今朝には120円40銭台まで上値を切り上げて再び軟調推移の状況。本日終値時点でも120円台を維持できた場合、3日続落となったとしても23日の始値を下回らず、反発への可能性が高まることに。120円台を維持できない場合には下落基調が強まる可能性。121円台半ばの上値目標再トライへと向かうのか、諦めるのか、年末最後の分岐点に。
26日の国内金価格は3日ぶりの反発で0.23%高。短期的には下落トレンド進行中、中期的には上昇トレンドを維持して三角保ち合い状態に。欧米市場のクリスマス休暇明けからのボラティリティ拡大に伴うレンジブレイクに要警戒。4,910円台上抜けなら目標水準4,970円近辺、4,860円台下抜けなら4,800円割れを目指す展開へ。
週間ベースでは-24円(-0.49%)の続落。
プラチナ価格は0.49%の反発。12月8日5,094円から17日4,840円までの下落幅の38.2%ライン4,937円に到達。反落しやすい水準を突破できれば、短期的な下落トレンドにも変化が見られる可能性。上方向への次の目安50%ラインの4,967円を抜ければトレンド好転への可能性、届かなければレンジ傾向へ。
週間ベースでは+41円(+0.84%)、3週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格12/26とチャート
2014年12月26日(金)時点の相場
国内金:4,880 円 12/26(金) ▲11(0.23%)
国内プラチナ:4,938 円 12/26(金) ▲24(0.49%)
NY金:1,173.5 ドル 12/24(水) ▼4.5(0.38%)
NYプラチナ:1,191.1 ドル 12/24(水) ▼0.6(0.05%)
ドル円:120.15 円 12/24(水) ▼0.34(0.28%)
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