更新日:2015年1月9日(金)
ユーロ圏の消費者物価(HICP)が前年比-0.2%へと2009年10月以来となるマイナス圏へと落ち込んだのに続き、11月分の卸売物価指数(PPI)も-1.6%へと低下、ドイツの製造業新規受注も前月比-2.4%と悪化、ユーロ圏のデフレ懸念と景気低迷が鮮明となり、ユーロは対ドルで2005年12月8日以来、9年1カ月ぶりとなる1.1750ドル台まで下落。ドラギECB総裁は国債買い入れを含む量的緩和導入への可能性を示唆。
これを好感した欧州株は大幅上昇となり、ドイツDAXは前日比3.36%の上昇。DAXの3%超の変動は異例のことで、2014年には3月3日の3.44%下落と10月17日の3.12%上昇の2回のみ。
ユーロ安・欧州株高の流れは英米にも波及し、英FTSEも2.34%の大幅上昇。FTSEの2%超の変動も昨年1年間では5度しかなかった大幅変動。
NYダウの1.84%の大幅高も同様で、昨年1年間で1.8%超の変動は5回のみ。それが今年に入って5日に1.86%下落したのに続き2回めの1.8%超の変動。
今回の大幅上昇で年初の急落局面を完全に脱した形の欧米株と同様に、ドル円も年初のドル安円高局面から反発。株高・ドル高の流れの巻き戻し局面は長くは続かず、わずか1週間で元の水準に戻り、2015年のマーケットは振り出しに戻った形です。
あらためて2015年の方向性を決めるきっかけは米雇用統計、となりそうなマーケットで例外的にユーロ安、原油安、金利安(債券高)はフライング進行中で、少なくとも今年前半のトレンドを先取りしているような状況です。
なお、金とプラチナもわずかにプラス圏に位置し、金は今年も、プラチナは今年は、下落局面がそれほど続くことはないのではないかと思われる今年のトレンドを、やはり示唆しているのかもしれません。
8日のNY金相場は0.18%の小幅続落。ユーロ売りが先導する形でドル高・株高の流れに伴い、上値の重い展開。新規失業保険申請件数がやや低調となったタイミングでは1,216ドルまで上昇するも一時的。それでも先週までの抵抗線となっていた1,200ドルの大台がサポートラインとなって下値も支えられる状況。短期的には上方向優勢の流れにあり、1,250ドル付近まで上昇してもおかしくない状態。雇用統計次第で現在の流れが加速するか、腰折れか。
プラチナ相場は0.17%の小反発。12月後半以降の短期抵抗線となっていた1,220ドルを上抜けたことで、わずかながらも上昇の兆し。1,230ドル近辺までは何度も上値を試しながら、長続きせず上値の重さも残る状況。基本的には、11月以降の長期抵抗線を形成する1,250ドルまでの上昇余地は十分に想定される。重要イベント通過による急変動には警戒感も。1,200ドルのサポートラインは重要な節目。
ドル円は0.35%の小幅続伸。年初のリスク回避の流れが収束し、ゆっくりとドル高円安基調へと回帰。しかし、120円の大台ラインが抵抗水準となって上値も抑えられる状況に。やや停滞気味となった新規失業保険申請件数にドル売りの場面でも119円台前半で切り返し、再び119円台後半へ。雇用統計下振れ、もしくは多少の上振れ程度までにとどまった場合には、現状の下押し優勢の流れが再び強まる可能性も。120円台半ばの抵抗線突破の為にはポジティブ・サプライズが必要か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/8終値とチャート
9日の国内金価格は0.16%の小幅高で4日続伸。上値メドとなっていた4,970円付近を超えてじわじわと上値を伸ばす展開も通常なら短期的にはそろそろ限界。しかし、NY金もドル円にも底堅さが見られる現状では、雇用統計の結果に関わらず国内価格は上昇しやすい状況。5,000円前後までの行き過ぎも想定されそう。
週間ベースでは+79円(+1.61%)の続伸。
プラチナ価格は0.3%の小幅高で3日続伸。5,010円台のレンジ上限をわずかに抜けたことで上方向への勢いが強まる可能性。当面の上値目標水準は5,070円から12月高値5,090円辺り。
週間ベースでは+39円(+0.78%)となり、3週続伸。
年末に安く、年初に上昇しやすい金とプラチナ年末年始のアノマリーは今年も有効に。
※参考:金プラチナ国内価格1/9とチャート
2015年1月9日(金)時点の相場
国内金:4,987 円 1/9(金) ▲8(0.16%)
国内プラチナ:5,017 円 1/9(金) ▲15(0.30%)
NY金:1,208.5 ドル 1/8(木) ▼2.2(0.18%)
NYプラチナ:1,223.0 ドル 1/8(木) ▲2.1(0.17%)
ドル円:119.67 円 1/8(木) ▲0.42(0.35%)
Copyright(C) Let's GOLD