更新日:2014年12月20日(土)
今年11月に4年7カ月ぶりの安値水準となったNY金相場、その1週間後には5年4カ月ぶりの安値水準まで下落したプラチナ相場。それぞれ歴史的安値水準を更新した2014年も残りわずかとなり、再び安値圏での推移が続きます。
現状水準でも十分安値と言える状況にありながら、さらにもう一段の下落の可能性すら想定されるこの年末。過去を振り返ると、金相場もプラチナ相場も年末には安値をつけて、年初は上昇する、というアノマリーがあります。
金相場が史上最高値を更新した2011年までは、いつ買っても上昇していた、とも言えるほどの長期上昇トレンドが続いていましたから、年末年始に限ったことではない、という見方もできますが、乱高下が続いた2012年、大幅下落となった2013年、軟調推移が続く今年2014年にかけてもこのアノマリーは当てはまります。
2013年末、NY金相場は1,202ドル、翌2014年1月23日には1,262ドル。この間、約5%上昇。プラチナは6.7%の上昇率。
2012年末から2013年1月17日までの騰落率は、NY金は+1.63%と小幅上昇にとどまりましたが、プラチナは+11%の大幅上昇。
2011年末から2012年2月末までの騰落率では、NY金は+14%、プラチナは+23%といずれも大幅上昇。
なお、これらの期間では国内金価格とプラチナ価格も全て上昇しています。
2010年末から2011年にかけては、NY金相場だけは3月25日まで待って上昇、その他は2月22日までで上昇。
2009年末から2010年にかけては、12月24日から1月20日までにかけて全て上昇。
2008年末から2009年にかけては、12月25日から1月30日にかけていずれも上昇。
NY金、プラチナがいずれも歴史的安値圏付近にある現在、米国の利上げが近づくアゲンストの風のなか、逆オイルショックやロシア危機、ギリシャの政局混乱などのリスクが一時的にはサポート材料となる可能性も。
国内金価格、プラチナ価格にとっては引き続き円安サポートがプラス材料となる可能性。
やや荒れやすくなる年末年始を経て、2015年の年初も上昇するのかどうか、金とプラチナの年末年始のアノマリーに注目です。
19日のNY金相場は0.1%の小幅高で3日続伸。原油が4.45%の大幅反発、米株高ドル高も3日連続となるなかで、1,190ドル台半ばでの実質横ばい推移状態。1,190ドル台での底堅さと1,200ドル超えでは上値が重い状態が継続。1,190ドル台から1,230ドル台までのレンジを形成し、レンジ割れなら1,150ドル近辺までの下値余地拡大への警戒感を抱えつつ、レンジ上限までの上昇もあり得るニュートラルな状況。
週間ベースでは-26.5ドル(-2.17%)となり、3週間ぶりの反落。
プラチナ相場も前日比ほぼ変わらずで金と同水準、1,190ドル台での推移が4日連続。終値ベースでの今年最安値圏がサポートラインとなり、金と同様に1,190ドル台での底堅さが見られる状態。しかし、短期下落トレンドの流れが続けば目標水準は1,160ドル近辺。現状維持か下落再開か。
週間ベースでは-34.5ドル(-2.8%)、3週間ぶりの反落。
ドル円は0.54%高で3日続伸。米FOMOCと日銀会合を経て、2015年半ば以降の米政策金利引き上げ見込み、日銀の量的質的緩和継続を確認したことでドル高円安基調が進行。週足チャートでは最高値圏での反落を示唆していた1週間前の状況から、そのとおり一度は反落し、長い下ヒゲ陽線で切り返し、反発を示唆する状況へ。121円台半ばの上値目標水準へと向かう可能性が高まってきた。
週間ベースでは+0.72円(+0.61%)の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/19終値とチャート
2014年12月20日(土)時点の相場
国内金:4,904 円 12/19(金) ▲34(0.70%)
国内プラチナ:4,897 円 12/19(金) ▲4(0.08%)
NY金:1,196.0 ドル 12/19(金) ▲1.2(0.10%)
NYプラチナ:1,197.0 ドル 12/19(金) ▼0.1(0.01%)
ドル円:119.47 円 12/19(金) ▲0.65(0.54%)
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