更新日:2015年1月17日(土)
スイスショックの余波で一部大手銀行では多額の損失が発生し、なかには破綻に追い込まれる為替業者もあるなどとも伝えられ、事の重大さをあらためて思い知らされる週末。それでも市場は混乱から徐々に落ち着きを取り戻し始め、米株は大幅反発、まだ売りが続くスイス株を除いて欧州株は堅調推移が続き、スイスフランも対ユーロでは前日の暴騰後はパリティ割れの水準で徐々に小康状態に。
ユーロドルの売り傾向継続で前日安値をさらに更新する状況はやむなしとして、ドル円は円高局面からはいったん脱した形で大幅反発へ。
一部不安定な状況も残るものの、全体的にはリスク回避的な流れはいったん収束したような状況に。
そんな流れのなか、従来なら株高ドル高円安の流れに伴い、売られやすい金も一段高。
ドル買い、金買いの同時進行により、日本国内の金価格は週明け5,100円台後半も予想されます。昨年高値を更新し、2013年高値5,255円も射程圏内へとなりそうな状況に。
スイスショックの余波から抜けだしても、総選挙を控えたギリシャの政局不安や、相次ぐフランスでのテロ事件への懸念、原油安継続に伴うロシアの経済危機懸念などが続きます。
今朝もムーディーズがロシアの格付けを投資適格級最低ランクとなる「Baa3」に引き下げ、さらにジャンク級へと追加引き下げへの可能性も示唆。さらにタンダード・アンド・プアーズも今月末までに格付け見直し予定としており、現在の「BBB-」からジャンク級への引き下げの可能性も高まります。
いずれかがジャンク級へと格下げすれば、ロシア経済危機へのリスクは一段と高まり、その余波がユーロ圏へと波及することになります。
様々な不透明感や警戒感が入り乱れ、「有事の金」状態はもうしばらく継続しそうな状況です。
16日のNY金相場は0.96%上昇し6日続伸。スイスショック後も1,260ドル近辺を維持し、NY時間にはさらに上値を伸ばすと昨年8月29日以来4カ月半ぶりの高値水準へ。昨日1,255ドルの200日移動平均線を超えたのも8月29日以来4カ月半ぶりのこと。中長期的な節目の水準1,250ドル近辺を完全に超えたことで、中長期的な流れが好転し始めた可能性も。短期的には一服感も出やすい状況。
週間ベースでは+60.8ドル(+5%)の大幅続伸。
プラチナ相場は0.52%の続伸。2カ月半ぶりの水準での堅調推移となり、短期的には目先の上値目標1,280ドル台を目指す流れが進行。サポートラインは1,240ドル。金と同様1,250ドルの重要水準を突破しての推移が続き、中長期的な流れも好転しつつある様子も。
週間ベースでは+39.3ドル(+3.19%)の続伸。
ドル円は6日ぶりの反発となり1.18%の大幅上昇。米12月の消費者物価は相変わらず低調ながらも前月比ではほぼ予想どおり、前年比ではわずかに予想を上回ったこともあり反発傾向を強める展開に。中期スパンでは12月8日の121円80銭台と12月23日の120円80銭台でダブルトップを形成後の反落の流れが続き、12月16日安値115円50銭台が意識されていたなかで、115円80銭台までの下落で大きく切り返したことにより、下落局面は収束の可能性。当面のレジスタンスラインは119円80銭、サポートラインは116円。昨年同様、ここから長期レンジ形成へと向かう可能性も。
週間ベースでは-0.99円(-0.83%)となり、10月前半以来3カ月ぶりとなる2週続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/16終値とチャート
2015年1月17日(土)時点の相場
国内金:5,039 円 1/16(金) ▲63(1.27%)
国内プラチナ:5,007 円 1/16(金) ▲22(0.44%)
NY金:1,276.9 ドル 1/16(金) ▲12.1(0.96%)
NYプラチナ:1,269.4 ドル 1/16(金) ▲6.6(0.52%)
ドル円:117.52 円 1/16(金) ▲1.37(1.18%)
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