更新日:2015年1月31日(土)
年初の1カ月が終了し、金相場はここまで100ドル弱の大幅上昇。この年末年始2カ月間の騰落率推移を比較すると、株価も為替も乱高下が続く団子状態にあり、そのなかでNY金相場は頭ひとつ抜け出した形になっています。年初来騰落率(=1月の月間騰落率)でもDAXの9.06%上昇と並び群を抜く状態。昨年1月もリスク回避の流れとなったことで金だけが上昇し、その他リスク資産は全面安。1月の金相場は2年連続での独歩高状態となっています。
昨年の金相場は3月にピークをつけ、その後横ばい推移から年末に失速し、年間トータルではわずかにマイナス圏。今年も出だしは好調となった金相場、しかし、いずれどこかでまた流れが変わり、厳しい展開も?との懸念も拭えません。
昨年は米国の量的緩和終了のなか、株高を維持してドル高も急加速したことで金相場は上値を押さえられました。
今年は、米国の金融引き締めへの転換というイベントが金相場の上値を抑える大きな要因となります。
しかし、今年は米国以外の量的緩和や利下げなどの金融緩和が大流行の兆しを見せ始め、金相場へのサポート材料となりつつあります。ECBの量的緩和によってドイツDAXも金を上回る上昇率へと押し上げられ、局面的には米株などでもこれを好感する場面も見られます。
ただし、米株自体は米国の金融引き締めとドル高懸念がマイナス材料となり、上値の重い展開も予想されるところです。
強弱入り交じり乱高下状態が続く米株の状況や、20前後の高水準を維持するVIX指数が示す市場の不安心理も金のサポート材料に。
強弱材料に振り回され、ある程度の急落局面は避けられないとも予想される今年の金相場は、昨年よりは進まないのではないかと見られる株高ドル高の流れに伴い、堅調推移継続とはならないまでも、下値もある程度限定的となり、2年連続の下落は回避する可能性が高いのではないか、と予想します。
30日のNY金相場は1.9%の大幅反発。1,250ドル台の下値メド到達後の自律反発で1,260ドル付近での推移、米GDP低下による米株急落をきっかけに1,280ドルまで急上昇。中期スパンでは上昇トレンド維持も短期的には中立からわずかに下向き優勢。1,290ドル台と1,250ドルが上下の節目となり、1,300ドルはやや強めの抵抗線に。
週間ベースでは-14.1ドル(-1.09%)となり、4週間ぶりの反落。月間では+94.4ドル(+7.97%)の大幅高で3カ月続伸。
プラチナ相場も1.72%の大幅反発。しかし前日の40ドル超の下落に対しては20ドルと半値戻し。下落幅は金を上回り、上昇幅は金よりも小幅にとどまる状態が続き、価格差は40ドルへ拡大。1,260ドル台をレジスタンスラインとする下落基調のなかでの戻り。1,210ドル台が当面のサポートライン。
週間ベースでは-30.5ドル(-2.4%)の続落。月間では+29.3ドル(+2.42%)の続伸。
ドル円は0.68%の反落。日本時間朝に118円台半ばのレンジ上限にぶつかって反落すると、軟調推移が継続。米GDPの下振れがなくても、この流れはそれほど変わらなかったのではないかと思われる。117円台前半での底堅さも相変わらずで鯨幕状態を継続。116円台半ば辺りまでの円高リスクは継続。
週間ベースでは-0.33円(-0.28%)の小幅反落。月間では-2.25円(-1.88%)となり、7カ月ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/30終値とチャート
2015年1月31日(土)時点の相場
国内金:5,126 円 1/30(金) ▼68(1.31%)
国内プラチナ:4,976 円 1/30(金) ▼84(1.66%)
NY金:1,278.5 ドル 1/30(金) ▲23.9(1.90%)
NYプラチナ:1,238.2 ドル 1/30(金) ▲20.9(1.72%)
ドル円:117.48 円 1/30(金) ▼0.80(0.68%)
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