更新日:2015年1月30日(金)
昨日米労働省が発表した新規失業保険申請件数は26.5万人となり、ここ最近の30万人前後での推移から大きく減少し、2000年4月15日までの週の25.9万人以来、およそ15年ぶりの低水準。ただし、祝日も1日含んでおり、何らかの特殊事情による影響も想定されなくもありません。しかし、この水準が続くようなことがあれば、15年ぶりどころか40年ぶりの低水準も目前という状況になります。
25.9万人となった2000年4月15日までの週の前後の推移を確認すると、その1週間前が26.8万人、1週間後は27.4万人。当時26.5万人を下回る水準となったのはその週のみであり、極端に減少した特殊ケースだったと言えそうです。2000年以前で26.5万人を下回った週を探すと、1973年12月1日までの週の25.6万人まで遡ります。この時期から1972年までは20万人台前半での推移期間も長く、特殊ケースではなかったことがわかります。
人口動態の変化や労働参加率の問題などはあるにしても、新規失業保険申請件数は、既にここ数十年での最低水準レベルに到達しており、あと9千人減少すると40年ぶりの低水準となるほど、米国の労働市場が改善していることを示しています。
29日のNY金相場は2.43%の大幅続落。下落率としては2013年12月19日以来1年1カ月ぶりとなる急落。タカ派寄りのFOMC声明文への反応が欧州時間以降になって加速、新規失業保険申請件数の大幅減もその流れを後押しした様子。1,270ドル台後半の節目を下抜けたことにより、想定された下値メド1,250ドル台まで一気に到達。年初からの上昇値幅の38%戻しラインにも到達したことにより、いったんは一服感も出やすいところ。下落圧力がもう少し高まるようなら、61.8%戻しラインでもある1,220ドル付近が次の警戒ラインとして意識される。
プラチナ相場も3.27%の大幅続落。40ドル超の急落は昨年10月3日以来。ドイツの1月CPIもマイナス圏へと落ち込み、欧州デフレ懸念の高まりも影響した様子。厚めのサポートラインとなっていた1,250ドルを割れたことにより下値想定水準1,230ドルに早々の到達。NY時間に入って金がさらに下落したことに追随し、下げ幅を拡大。年初からの上昇分の76.2%戻しの水準に。当面の下値サポートラインは1,200ドルの大台ライン。
ドル円は0.65%の反発。米株の大幅反発の流れに乗じてこれまでの揉み合い形成水準となる118円台前半を回復。下値目標116円台半ばへの警戒感を残し、118円台半ばのレンジ上限をしっかりと超えた場合には120円台を目指すドル高トレンド再開の可能性も睨みつつ、再びレンジ相場継続の様相か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/29終値とチャート
30日の国内金価格は1.31%の大幅続落。NY金の大幅下落に伴う下値メド5,140円に到達。短期的な方向感は完全に下向き状態、行き過ぎがもう少し進むようなら21日移動平均線も位置する5,080円近辺も。上方向へのレジスタンスは5,240円。
週間ベースでは-172円(-3.25%)の大幅安となり、5週間ぶりの反落。月間では+218円(+4.44%)の大幅高で3カ月続伸。
プラチナも1.66%の大幅続落。4,990円近辺の下値目標水準に早々の到達。今年ここまでの安値4,965円をつけた6日以来の水準となり、1カ月かけて往って来いの状態。月間ベースでも年末比わずかに-2円(-0.04%)の小幅反落。年初の水準から仕切り直しへ。
週間ベースでは-217円(-4.18%)の大幅反落。
※参考:金プラチナ国内価格1/30とチャート
2015年1月30日(金)時点の相場
国内金:5,126 円 1/30(金) ▼68(1.31%)
国内プラチナ:4,976 円 1/30(金) ▼84(1.66%)
NY金:1,254.6 ドル 1/29(木) ▼31.3(2.43%)
NYプラチナ:1,217.3 ドル 1/29(木) ▼41.2(3.27%)
ドル円:118.28 円 1/29(木) ▲0.76(0.65%)
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