更新日:2015年2月4日(水)
ギリシャのバルファキス財務相が債務減免の要求を取り下げ、既存債務を成長率に連動した新発債と交換することを提案。財政緊縮策の見直しを公約に掲げていたはずのチプラス新政権の態度軟化とユーロ圏との債務交渉進展期待の高まりが好感され、欧米株上昇とともにユーロが大きく買い戻されています。
一方、米国の石油掘削装置(リグ)の稼動数が減少していることなどを背景にこのところ買い戻しが進んでいた原油相場も大幅上昇。NY原油相場は4日間で19%以上の急反発となっています。
昨年末から圧倒的に売り込まれていた原油とユーロ、行き過ぎた流れが大きく巻き戻され、原油安とユーロ安の是正が進行しています。
この流れに伴い、金の買われ過ぎていた流れも是正されつつあるようです。
ユーロの対ドル相場は、12月の米FOMC後、ECBの量的緩和期待やギリシャ政局不安などから下落スピードが加速。
12月16日高値1.2560ドル台から1月26日安値1.1090ドル台まで急落後、下落値幅の23.6%戻しラインとなる1.1440ドル台まで反発しています。
NY原油相場は、11月末のOPEC総会前から下落スピードが加速していました。
11月21日高値77.80ドル台から1月29日安値43.50ドル台まで下落、その後この下落幅に対する23.6%戻しライン、51.60ドル台をわずかに超える水準まで反発。
NY金相場は、原油安やギリシャ情勢不安などに伴うリスク回避の流れにより、年初から買われ続けました。
1月2日安値1,167.3ドルから1月22日高値1,307.8ドルまで急騰後、29日には上昇幅の38.2%戻しラインとなる1,254ドルまで反落、その後は23.6%戻しライン1,274ドル付近までの間で上下動が続く状態となっています。
それぞれ、行き過ぎた流れからの巻き戻しが一定水準まで進行したことによる一服感も見られ始めます。さらに巻き戻しが進行し、流れが反転するのか、それとも調整局面を終えて、ここまでの流れ再開へと向かうのか、重要な分岐点にさしかかってきたようです。
3日のNY金相場は1.3%の大幅続落。ギリシャを巡る不透明感が大幅に緩和されたことが売り材料に。1,250ドルのサポートライン付近まで一方的に下落し、いったんは落ち着いた状況。短期的な方向感はやや下方向、ボラティリティは過去1年で最大水準にあり、上下に大きく振れやすい状況。1,250ドル台のサポートラインを割れると下値余地は1,230ドル台まで拡大、上方向には1,280ドルが抵抗線、超えると1,300ドルの大台再トライへの可能性も。
プラチナ相場は0.54%の反発。ユーロや欧州株の堅調推移に伴い、欧州景気回復期待もサポート材料となったもよう。短期下落トレンドの流れ一服からの三角保ち合い傾向を強め、1,230ドル近辺から1,240ドルまでにレンジを縮小。存在感が高まりつつある上方向への抵抗線を超えると1,260ドル付近へ。下方向へのブレイクなら1,200ドルの大台前後が視野に。
ドル円は前日比ほぼ変わらず。豪州中銀のサプライズ利下げに伴う円高豪ドル安の流れに連れて一時116円台後半まで下げて反発。下ヒゲの長い十字線を残し、反発への可能性も示すものの、やや軟調気味の保ち合い状態からは抜け切れず。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/3終値とチャート
4日の国内金価格は0.82%の続落。ゆるやかな短期下落トレンド継続で5,120円台のサポートライン割れ、1カ月ぶりに21日移動平均線も下抜けたことで下落トレンド継続濃厚。目標水準は5,050円台。
プラチナは0.42%の反発。前日の今年安更新で下げ一服。比較的サポートされやすい水準4,950円台がひとまず目先のサポートラインに。やや一方的な売り局面が続いた割には過熱感もなく、下値警戒感は継続。再びサポートラインを割れると下落トレンド再加速の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格2/4とチャート
2015年2月4日(水)時点の相場
国内金:5,105 円 2/4(水) ▼42(0.82%)
国内プラチナ:4,977 円 2/4(水) ▲21(0.42%)
NY金:1,260.3 ドル 2/3(火) ▼16.6(1.30%)
NYプラチナ:1,235.2 ドル 2/3(火) ▲6.6(0.54%)
ドル円:117.56 円 2/3(火) ▼0.02(0.02%)
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