更新日:2015年2月19日(木)
1月末のFOMC議事要旨によれば、FRBでは早過ぎる利上げに対する懸念のほうが優勢であることが分かりました。
中国・中東・ウクライナ・ギリシャなどの不安定な国際情勢が米経済に及ぼす下振れリスクも警戒し、低インフレが続く状況も不安要素として警戒されます。
力強さを示す最近の労働市場を背景に、早期利上げを期待するように2月に入って反発傾向に転じた米10年債利回りの上昇にも待ったをかけられた様子。
賃金上昇率が未だ低迷水準から抜け出せないことが危惧され、このことが消費意欲を抑制し、最近の消費関連指標の鈍化傾向にもつながっているようです。
雇用指標のなかにも、まだ不十分な要素も抱えていることは、先日のLMCIやイエレン・ダッシュボードの不完全さにも表れています。
声明文やイエレン議長発言などで度々聞かれる、金融政策の変更はデータ次第という基本スタンスに立ち返れば、最近の米経済指標は、FRBメンバーの多数を納得させるだけの水準には達していないと言えそうです。
年央利上げの可能性がやや後退し、それでも年内利上げの可能性はまだ十分に残るものと推測されます。
とりあえず3月以降も、patient(忍耐強く)待ち続ける必要はありそうです。
18日のNY金相場は0.7%の続落で年初1月2日以来の安値水準へ。FOMC議事要旨への警戒感から一時1,200ドルの大台を割れて1,197.2ドルまで下落。引け後のFOMC議事公表で1,210ドル台へと急騰。ハト派論調が金市場にとっての安心材料となったことと、目標水準1,200ドル前後に完全到達したことにより買い戻し。1月末以降続いた短期下落トレンドの流れに変化が見られる可能性が拡大。当面の主要レンジは1,200ドルから1,230ドル、上限突破なら上値余地は1,250ドル前後まで。
プラチナ相場も0.83%の続落。NY時間の下落局面では下値余地1,150ドル台辺りへ急接近、1,163.1ドルまで下落して引け後の反発局面へ。しかし金と比較して反発力はやや弱め、1,170ドル台回復も前日終値には届かず。若干の下落余地も残し、1月末以降の下落トレンド収束にはもう少し時間を要しそうな状況。
ドル円は3日ぶりの反落で0.38%のドル安円高。黒田日銀総裁の会見では「追加緩和逆効果」説が否定されて円安方向に動く場面もあったものの、当面の「追加緩和の必要性」も否定されたことでプラス・マイナス0。円安材料とはならなかった会見後は「FOMC議事要旨タカ派」説に期待する流れで徐々に上値を試す流れで119円台半ばまで上昇。しかし「FOMCハト派」論調に再び118円半ばへと急落。円買い材料にもドル買い材料にも急ブレーキとなり、118円台半ばから119円台前半までのレンジでの揉み合い継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/18終値とチャート
19日の国内金価格は前日比1円安とほぼ横ばい。日米金融政策動向を示すイベントはやや予想外の方向性となり、ドル売り円買い、金買いの流れでバランスは均衡。1カ月ぶりの5,000円割れ水準から身動き取れず。FOMC議事要旨などNY時間引け後に発表される指標やイベントへの反応は、翌営業日のNY時間まで継続されるケースも多く、NY金の買いはもう少し進む可能性もあり、国内金価格のサポート材料にも。
プラチナは0.7%安で3日続落、昨年11月18日以来3カ月ぶりの安値水準に。売られ過ぎ過熱感もそれほど高くもなく、下値警戒感も若干残る状況か。昨年10月の安値4,513円から今年1月高値5,193円までの上昇幅に対する50%戻しライン4,853円を下回り、次のサポートライン候補としては61.8%戻しとなる4,773円近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格2/19とチャート
2015年2月19日(木)時点の相場
国内金:4,965 円 2/19(木) ▼1(0.02%)
国内プラチナ:4,812 円 2/19(木) ▼34(0.70%)
NY金:1,200.2 ドル 2/18(水) ▼8.4(0.70%)
NYプラチナ:1,167.2 ドル 2/18(水) ▼9.8(0.83%)
ドル円:118.78 円 2/18(水) ▼0.46(0.38%)
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