更新日:2015年2月7日(土)
大方の予想を裏切るポジティブ・サプライズとなった米1月分の雇用統計。非農業部門雇用者数(NFP)は上振れたとしても、前月比+20万人台後半はないだろうとタカを括っていた水準となる+25.7万人と伸びを示し、さらに過去2ヶ月分で合計14.7万人もの大幅上方修正。なお、今回は過去のデータも改訂されており、NFPの年間合計でも2014年の総数は295.2万人から311.6万人へ、年間平均では24.6万人から26.0万人へと上方修正されています。NFPの伸びは2014年から水準を大きく切り上げ、2015年1月もほぼ同等の水準を維持していることになります。
失業率が5.6%から5.7%へ、U6失業率(広義の失業率)も11.2%から11.3%へと0.1ポイントの後退。しかし、労働参加率が62.7%から62.9%へと改善したことによる影響も想定されます。また、前月悪化していた長期失業者の割合も31.9%から31.5%へと改善。
さらに、前月大きく落ち込んだことで不安視されていた賃金についても大幅上昇。この数値も過去分の改訂が反映され、1月分の平均時給は24.75ドルとなり、前年同月比では前回の+1.86%から+2.19%へと上昇、昨年8月以来の上昇率に。前月比では、前回-0.2%と2年ぶりのマイナスを記録していたのに対し、今回は+0.49%。2008年11月以来6年2カ月ぶりの大幅増となり、前回の落ち込み分を完全に相殺した形。
もちろん、長期的に見れば前年比2%前後の低迷水準が続くペントアップ賃金デフレ懸念を脱してはいないものの、少なくとも純粋な賃金デフレ懸念は払拭した形で、今後の動向への期待も高まります。
雇用統計の予想外の好結果により、三角保ち合い継続予想もあっけなく裏切られつつある状況となっています。
6日のNY金相場は2.23%の大幅続落で1月14日以来3週間ぶりの安値圏へ。予想外にポジティブとなった米雇用統計の結果を受けて急落すると、短期三角保ち合いを下抜け。節目の1,250ドルを下回ったことによる変動幅は、予想された20ドル程度の下落となって1,230ドル付近へ。レンジブレイク後の目標水準にいきなり到達したことにより、いったん落ち着く可能性は大。下げ止まりが確認できれば1,280ドルまでの間が当面の主要レンジに。
週間ベースでは-43.9ドル(-3.43%)の続落。
プラチナ相場も2.257%の反落。下落トレンド中の戻り局面での上値目標1,260ドル台へと向かっていた流れは1,258.7ドルまでで終了。金に連れ安となり、足元の小さな三角保ち合い上抜けから反転し、逆に下抜け。当面の下値目標水準は1,200ドルの大台前後。昨年末安値1,175.6ドルから下値を切り上げてきたサポートライン割れの可能性も高まり、再び下値トライへの警戒感が高まる状況に。
週間ベースでは-16.6ドル(-1.34%)の3週続落。
ドル円は1.29%の大幅続伸。軟調推移気味の保ち合い状態から一転、上方向への節目水準118円台半ばをブレイクすると、1月8日以来1カ月ぶりの119円台へ。ゆるやかな下落トレンドを脱し、上昇トレンドへと向かう可能性が高まり、当面の目標水準は121円台前半。ただし、12月高値121円80銭台から右肩下がりに続く中期三角保ち合いの上値抵抗線が119円10銭付近にあり、この水準を上抜けできるかどうかが大きなポイントに。
週間ベースでは+1.55円(+1.32%)の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/6終値とチャート
2015年2月7日(土)時点の相場
国内金:5,114 円 2/6(金) ▼22(0.43%)
国内プラチナ:5,037 円 2/6(金) ▲37(0.74%)
NY金:1,234.6 ドル 2/6(金) ▼28.1(2.23%)
NYプラチナ:1,221.6 ドル 2/6(金) ▼28.1(2.25%)
ドル円:119.02 円 2/6(金) ▲1.52(1.29%)
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