更新日:2015年3月5日(木)
昨日ADP社が発表した2月全米雇用統計の数値は、事前予想をやや下回り、前月からも低下。マーケットへの影響は限定的となりましたが、過去分が大きく修正され、米雇用情勢の良好な状態が、より鮮明となっています。
1月分と12月分の合計では+5.9万人の上方修正となり、過去1年分の修正幅は合計で+28.5万人に達しています。前回の雇用統計で過去分が大幅上方修正されたことにより生じていたADPとの差が縮小された形となりました。
雇用統計のNFPは昨年3月から今年1月分までで11カ月間連続で+20万人超、ADPでは昨年2月以降、今回の2月分まで13か月間連続での+20万人超となっています。6カ月移動平均で見ると、雇用統計のNFPは前月時点で+28.22万人。ADP雇用者数は前月時点で+25.11万人、今回分で+25.06万人。
十分良好な数値を示す、両者の24か月間の相関係数は1月分時点で0.7082。強い相関関係を示し、日経平均とドル円の30日間相関係数0.6282を上回り、90日間相関係数の0.72425をやや下回る水準。
今回の雇用統計NFPの事前予想は+24万人程度、1月分の+25.7万人からやや低下することが見込まれています。仮に+20万人の大台を割れて+19万人程度となった場合、ネガティブ・サプライズも予想されますが、6カ月平均では+27.83万人と好調維持の範囲内にあり、しかも最近頻繁に行われる、後日上方修正の可能性もあります。
雇用者数の動向については既に十分良好な状況にあり、今後の雇用統計では、イエレン議長が懸念する、低迷状態が続く賃金上昇率への注目度が次第に高まることになります。今朝のベージュブックでも、賃金圧力については「大半の地区で緩やか」とされ、一部の熟練職では賃金上昇も見られる、という状況。1月分では平均時給24.75ドル、前年同月比+2.19%となっていた数値が、2%台半ば方向へと動き出したなら、FRBも動き出す要警戒サインに。
4日のNY金相場は0.29%安で3日続落。ADP雇用者数が予想を下回ると小幅に買い、その後ISM非製造業景況指数が予想を上回ると売りで反応も値幅は限定的。やや軟調推移も下値は1,190ドル台半ばのサポートラインで支えられる状態。1,230ドル近辺までの反発の可能性も残しつつ下値警戒感も高まり、1,190ドル台半ばを割れた場合には年初につけた今年最安値1,167.3ドル近辺が意識されることに。
プラチナ相場は0.66%の続落。1,200ドル付近の目標水準にほぼ到達したことで小幅に調整局面。1,160ドルから1,190ドルまでを目先の主要レンジとして揉み合いから上方向への再始動もうかがう展開へ。上限超えなら1,200ドル台回復へと水準を切り上げる可能性、下限割れの場合には上向きかけた流れが逆転し、今年安値を大幅更新へと向かう可能性も。
ドル円は0.05%の小幅続落。週末にかけての警戒感から上下わずかに36銭ほどの小動きに。118円台後半をサポートラインにやや上方向優勢の流れで121円台前半を目指す展開は継続中も一時ストップ状態。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/4終値とチャート
5日の国内金価格は0.08%の小幅安で3日続落。上昇傾向の90日移動平均線と下落傾向の21日移動平均線との中間付近で水平移動状態の9日移動平均線4,963円に沿う流れが継続。4,930円台から5,020円までのレンジで中立状態に。
プラチナは0.23%の小幅続落。短期上昇トレンド入り後の調整局面が継続。21-90日移動平均線が集中する4,900円前後が強めの抵抗線、上値を押さえられやすい水準。超えると大幅上昇の可能性。
※参考:金プラチナ国内価格3/5とチャート
2015年3月5日(木)時点の相場
国内金:4,961 円 3/5(木) ▼4(0.08%)
国内プラチナ:4,871 円 3/5(木) ▼11(0.23%)
NY金:1,200.9 ドル 3/4(水) ▼3.5(0.29%)
NYプラチナ:1,181.7 ドル 3/4(水) ▼7.9(0.66%)
ドル円:119.66 円 3/4(水) ▼0.06(0.05%)
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