更新日:2015年3月14日(土)
15年ぶり高値となる19,000円台に到達した日経平均は、GPIFなどの年金基金や日銀など公的資金、いわゆるクジラに買い支えられての堅調推移が続きます。まだまだ買い余力があると見られるクジラの資金を当て込んで、日経平均は20,000円到達も時間の問題との声も聞かれます。持たざるリスクに焦りを感じる向きには「買いたい!」衝動に駆られる状況となってきています。
円安の勢いも減速気味となり、NYダウが3週続落となっているのに対し、クジラ頼みの日経平均は5週続伸。FOMCの影響もそれほど受けないのではないかとすら思われるような状況ながら、高値警戒感と達成感も見られ始める水準。
「買いたい!」誘惑と「冷静に判断して待つべき」と思いとどまる理性とが交錯する状況のなか、中長期的には上昇傾向にあり、2万円もいずれ視野に入ってくる可能性は高そうですが、足元では押し目形成の動きもあるのでは?と見ますが・・・。
別の意味で「買いたい!」衝動に駆られそうなのが金とプラチナ。2013年以降の下落率が30%前後に達し、金は500ドル以上、プラチナも400ドル以上下落し、それぞれ4-5年ぶりの安値水準。そろそろ底値か、との思いも。
しかし、ここは我慢のしどころ。FRBの利上げフェーズが実際に開始されるまでは下値警戒感は続きそうです。
逆に「売りたい!」誘惑が再び高まるのが原油とユーロ。
昨年から半値水準まで暴落した原油相場は、1月末には40ドル台前半まで下げて50ドル台へと反発し、下げ止まりの様相も見え始めていましたが、今週に入って9.6%の急落。再び44ドル台まで下げて安値更新への警戒感も高まります。
また、今年の年初来騰落率では原油の-15.8%と並び下落率が突出するユーロ(対ドルで-13.27%)。ギリシャ不安やECBの量的緩和スタートに伴いユーロ売りが加速した流れも今週1ユーロ=1.05ドルに到達した時点で一服感も見られましたが、金曜日に再びユーロ売りが加速し、1.05ドルを割り込んできました。
いよいよパリティ(等価)となる1ユーロ=1.00ドルへと向かう流れが再び加速し始めた様子です。
日経平均2万円に向けての「買いたい!」衝動よりも、1ユーロ=1.00ドル到達に向けて「売りたい!」誘惑のほうが、現時点では勝りそうです。
13日のNY市場、金相場は前日比+0.5ドル(0.04%)の小幅続伸。1,150ドルから1,160ドルまでわずか10.5ドルの値幅に収まる小動きは、今年の平均値幅20.2ドルの半分となる最小水準。1月末から続いた下落トレンドは昨年安値一歩手前となる水準に達したことで流れがとまった状態。1,150ドルがサポートラインとなりそうな様子も、下落トレンド終了の判断は次週の動向次第。
週間ベースでは-11.9ドル(-1.02%)で続落。
プラチナ相場はわずかに0.3ドル(0.03%)の上昇で9日ぶりの反発。5年8カ月ぶりの安値水準となる1,110ドル台での小康状態も、下げ止まりの判断は金と同様、次週の動向次第。2009年前半の主要水準安値圏でもあり、心理的な節目となる1,100ドルの大台ラインがサポートラインとなるかどうか。
週間ベースでは-43.6ドル(-3.76%)の大幅続落。
ドル円は0.12%の小反発。FOMCを控えて121円台前半での小動きに終始。121円台半ばの上値抵抗線を超えられない状態が継続中も、基本的にはドル高円安方向への堅調推移中の一服。FOMC声明文変更でタカ派寄りの印象なら122円の高値更新へ、そうでなければいったん反落でダブルトップ形成への警戒感がやや高まることに。
週間ベースでは+0.71円(+0.59%)で4週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/13終値とチャート
2015年3月14日(土)時点の相場
国内金:4,839 円 3/13(金) ▼4(0.08%)
国内プラチナ:4,694 円 3/13(金) ▼14(0.30%)
NY金:1,152.4 ドル 3/13(金) ▲0.5(0.04%)
NYプラチナ:1,115.2 ドル 3/13(金) ▲0.3(0.03%)
ドル円:121.43 円 3/13(金) ▲0.14(0.12%)
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