更新日:2015年4月9日(木)
3月のFOMCでは経済見通しやFF金利見通しの下方修正によるハト派イメージが強く、ドル売り金買いの流れとなり、ドル円は1%超の下落、NY金相場は翌日にかけて1.5%の大幅上昇、プラチナは2.5%もの急騰となっていました。早期利上げ観測後退により、ここからドル円はやや軟調推移、それまで下落基調が続いていた金とプラチナはFOMCをきっかけに底値反転、上昇傾向へと相場の流れが変化していました。
そのきっかけとなったFOMCの議事要旨では、6月利上げを正当化するメンバーも数名いたことが判り、ややタカ派寄りに受け止められた様子で今朝に掛けてはドル買い金売り傾向が優勢となっています。3月のFOMCから始まったトレンドが、そのFOMCの議事内容によって失速状態となってきました。
FOMCの3週間後となる議事要旨公表タイミングは、短期トレンドが収束するのにも程よい期間ということもあってか、しばしばFOMC直後の流れとFOMC議事要旨後の流れは逆方向となります。
昨年3月のFOMCでも、イエレンFRB議長会見で利上げ前倒し観測が浮上し、ドル円は101円台から102円台へと急騰。金相場は1%超の大幅下落となっていました。その後4月9日にこの議事要旨が公開されると、ハト派寄りの内容が強調されて早期利上げ観測の後退、ドル売り、金は1%超の上昇で反応。
4月のFOMC後にも金は下落、5月の議事要旨では金は反発。
6月と7月のFOMCとその議事要旨では同じ方向への反応となりましたが、9月FOMCでは金は下落、10月の議事要旨で金は反発。
量的緩和終了が決定した10月のFOMCでがはドル高、金は2%超の大幅下落に。11月の議事要旨では金は小動き。
12月FOMCでは金は小幅安、1月の議事要旨では小幅高。
今年1月のFOMCでは、タカ派寄りの声明文から金は2%超の大幅下落。2月の議事要旨では利上げを急がないハト派感が強まり、金は反発。
FOMC議事要旨公開後は、偏った流れを修正するかのような内容によって、FOMC後の流れとは逆方向へと反応しやすくなるようです。
8日のNY金相場は0.62%の続落。FOMC議事要旨への警戒感からジリ安の展開となり、公表直後には一時1,200ドルの大台を割れて1,197.4ドルまで下押し。重要なサポートラインとなっている1,200ドル台には持ち直したものの、短期上昇トレンドの勢いは失速気味。上値目標1,250ドル台を目指す流れは継続中も、1,200ドルの大台をしっかりと割り込むようなら、それなりの調整フェーズとなり、少なくとも3月末水準の1,180ドル近辺が意識されそう。
プラチナ相場も0.65%の続落。再び金に歩調を合わせるように同程度の調整幅に。底値からの反発の勢いがやや強かった分だけ、サポートライン1,150ドルまでの距離を残す状況。90日移動平均線のゆるやかな下降が続き、中期スパンでは下落トレンドを抜け切れず、短期上値目標1,200ドルへのトライに時間を要した場合、徐々に切り下がる90日移動平均線が抵抗線に。
ドル円相場は0.11%の小幅反落。黒田日銀総裁会見でドル売り円買い、FOMC議事要旨でドル買い円売り。日銀に失望、FRBに好感したような形でドル安円高方向への行って来い。120円20銭の抵抗線をわずかに超えても方向感はまだ定まらないような様子も。ゆるやかにドル買い方向へと傾斜し、121円台前半まで上値余地は拡大。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/8終値とチャート
9日の国内金価格は4日ぶりの反落で0.64%安。上値目標5,010円台付近への到達による一服感からの調整。上昇基調継続の範囲内にあり、上向きの90日移動平均線にも引っかかった状態で再度5,000円の大台乗せの可能性も残る。近年、5,000円の大台到局面では、5,000円にワンタッチして反落、素通りでの上抜け、素通りでの下抜けというケースは一度もなく、ある程度揉み合いをはさんでの通過、もしくは反落という流れ。揉み合い状態が続くことにより、その後発生するトレンドの勢いが増すことに。上方向か下方向かは別として。
プラチナも0.66%の反落。21日移動平均線をゴールデンクロスした9日移動平均線を価格ラインがゴールデンクロスした状態が継続し、水平状態の90移動平均線が位置する4,900円付近を目指す流れも継続中。
※参考:金プラチナ国内価格4/9とチャート
2015年4月9日(木)時点の相場
国内金:4,974 円 4/9(木) ▼32(0.64%)
国内プラチナ:4,817 円 4/9(木) ▼32(0.66%)
NY金:1,203.1 ドル 4/8(水) ▼7.5(0.62%)
NYプラチナ:1,166.3 ドル 4/8(水) ▼7.6(0.65%)
ドル円:120.13 円 4/8(水) ▼0.13(0.11%)
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