更新日:2015年4月10日(金)
米財務省による半期に一度の為替報告では円安けん制コメントもなかったことで円安方向への障害がなくなり、米雇用指標の改善傾向も見られたことにより、ドル高へのサポートも増して来そうな気配も出始めています。
昨年までの円安株高基調でセット買いされていた日経平均とドル円がバラ売り状態となった今年、日経平均が15年ぶりに2万円の大台をつけたのに対し、大きく出遅れていたドル円相場も、今後のドル高円安傾向再開と8年ぶりとなる124円台に向けて、背景的には整いつつあるような状況となってきました。
昨日発表された週間ベースの新規失業保険申請件数が予想よりも好結果となり、4週移動平均では28.23万件と15年ぶりの低水準に達しました。
この数値は4月4までの4週間の平均値となる為、対象期間は3月8日から4月4日。ほぼ3月全般を含む期間であり、3月の雇用統計が大きく下振れたのとは対照的な結果となっています。雇用者数の伸びは大きく鈍化したけれど、失業保険の申請件数は近年まれに見る低水準へと改善していることになります。
4週間のうちの前半2週は、29.3万件、28.8万件、3週目には26.7万件と大きく減少、4週目には28.1万件。前半2週の平均29.05万件に対して後半2週の平均は27.4万件と大きく低下。3月の雇用統計調査対象期間はこの1週目(29.3万件)に相当し、4週間のうち失業保険申請件数が最も多かった週。それ以降、急速に改善している状態にあり、3月の雇用統計は季節的要因などが大きく影響していたことを裏付ける結果となっています。
次週、次々週の失業保険申請件数が現在の水準近辺で推移するようなら、4月の雇用統計もそれなりの改善傾向が見られる可能性が高まります。
そうなれば、米雇用市場回復の鈍化懸念も払拭され、ドル高円安傾向への流れも本格的に再開へと向かう可能性も高まりそうです。
ただし、米財務省為替報告では、日本は金融政策への過度な依存を避けるべきとのコメントもあり、やんわりと日銀追加緩和による円安誘導を否定しています。
9日のNY金相場は0.79%安となり3日続落。終値ベースでは6日ぶりに節目の1,200ドル割れ。軟調推移の状態から1,200ドル台を回復したところで新規失業保険申請件数の好結果を受けて反落。サポートラインとしての1,200ドルは短命に終わり、抵抗線になりかねないような流れに。目先は調整局面が継続し、下値目安は1,170ドル台辺り。
プラチナ相場も0.8%安で3日続落。金との連動性がいっそう高まり、調整基調が継続。ただし、今のところは1,150ドルのサポートラインを維持し、1,200ドルを目指す短期上昇トレンドは継続。1,150ドルを割れると、さらに20ドル程度の下落余地も。
ドル円相場は0.37%の反発。金とは逆行で120円割れ局面から、新規失業保険申請件数をきっかけに反発基調へ転換、3月20日以来3週間ぶりのドル高水準となる120円70銭台まで上昇。中期スパンではレンジ状態も、短期的にはドル高円安傾向が強まり、121円台前半まで上値を伸ばす可能性。サポートラインは118円90銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/9終値とチャート
10日の国内金価格は0.22%の小幅続落。9日移動平均線にサポートされる短期上昇トレンドでの調整フェーズ。このまま上方向への節目5,010円を超えられないようなら、4,890円台のサポートラインまでの間でレンジを形成しつつ、新たな短期トレンド形成をうかがう展開に。
週間ベースでは+7円(+0.14%)の小幅高で4週続伸。
プラチナはわずかに2円の反発。堅調な状態を維持し、上値目標4,900円近辺を目指す為には、4,850円近辺が抵抗線となる前に早めに上抜けておきたいところ。サポートラインは4,750円台。
週間ベースでは+61円(+1.28%)で3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格4/10とチャート
2015年4月10日(金)時点の相場
国内金:4,963 円 4/10(金) ▼11(0.22%)
国内プラチナ:4,819 円 4/10(金) ▲2(0.04%)
NY金:1,193.6 ドル 4/9(木) ▼9.5(0.79%)
NYプラチナ:1,157.0 ドル 4/9(木) ▼9.3(0.80%)
ドル円:120.57 円 4/9(木) ▲0.44(0.37%)
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