更新日:2015年4月16日(木)
FRBが15日に公表したベージュブック(地区連銀経済報告)では、米国経済は2月半ばから3月末にかけて大半の地区で拡大傾向。
全12地区のうちアトランタとカンザスシティーの2地区のみが横ばいで、その他10地区は拡大傾向。その度合が最も強いのがボストン地区、第2グループにはニューヨークなど3地区が続く情勢となっており、第2グループ以降の拡大ペースは、緩やかに、穏やかに、わずかに、といった抽象的な表現で序列されます。
ボストンほど強くはないけれど、それなりに拡大傾向が続いているなかでは上位に位置するニューヨーク地区では、同じ日にNY連銀製造業景気指数が発表されています。
市場予想の+7ポイント台に対して-1.19ポイントとなり、3カ月連続の低下で4カ月ぶりのマイナス圏へと落ち込みました。
昨年半ばには好調な状態が続き、9月にピークをつけるとその後は急落。6カ月移動平均も昨年11月から6カ月連続低下し、昨年前半の5ポイント近辺まで鈍化しています。
製造業については、原油安やドル高、悪天候の影響などもあったことがベージュブックでも報告されてはいますが、昨年後半以降の低下傾向が底打ちするのかどうか、次月以降の結果への注目度が高まります。
なお、NY連銀製造業景気指数の最近の傾向は、月初に発表されるISM製造業景況指数と非常によく似た推移となっており、5カ月連続低下中のISMの指標が低迷状態から脱却できるかどうかも注目されます。
15日のNY金相場は0.73%の反発で3日ぶりに1,200ドルの大台回復。前日に引き続き1,190ドル前後の揉み合い状態から、NY連銀製造業景気指数や鉱工業生産などの指標が悪化したことを受けて急反発。下向きかけた流れを中立状態に引き戻すきっかけに。1,180ドル割れ程度までの下落リスクも若干残しつつ1,190ドルでの足場固めの動きも。1,200ドル近辺での揉み合い状態から方向感模索へ。
プラチナ相場は0.25%の小幅反発。連日1,140ドル台まで下げては反発、終値ベースでは1,150ドルのサポートラインを維持。しかし上値も限定的となり、1,150ドルから1,170ドルまでを主要レンジとする揉み合い状態が継続。下値トライが続くようなら1,120ドル近辺までの下落余地。1,170ドルを超えると1,200ドルの大台トライへ。
ドル円相場は0.21%の小幅安で4日続落。119円台半ばでの揉み合い状態から、低調な米経済指標の結果に急落すると4月6日以来の119円割れ。いったんは119円台に戻すも今朝時点では再び軟調推移で118円90銭のサポートラインとの攻防へ。堅そうにも見えるこの水準を下抜けた場合には円高方向への流れが加速、117円台半ば辺りまでの下落余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/15終値とチャート
16日の国内金価格は0.63%の反発。ドル売り金買いの流れが強まったことにより、上向きの21日移動平均線にサポートされ、4,900円近辺の下値目標まであとわずかのところで切り返した形。ほぼトレンドレス状態となり、4,910円台から5,000円近辺までの間でレンジ形成へ。
プラチナは3日ぶりに0.72%の反発。下値メド4,750円台に到達したことにより調整局面を終えて、しっかりめの上昇。減速感はあるものの、ゆるやかな上昇トレンドに回帰した様子も。4,750円台は比較的重要なサポートラインとなり、4,860円台の上値抵抗線を目指す流れへ。サポートライン割れの場合には流れが巻き戻されて大幅反落リスクも。
※参考:金プラチナ国内価格4/16とチャート
2015年4月16日(木)時点の相場
国内金:4,950 円 4/16(木) ▲31(0.63%)
国内プラチナ:4,789 円 4/16(木) ▲34(0.72%)
NY金:1,201.3 ドル 4/15(水) ▲8.7(0.73%)
NYプラチナ:1,156.6 ドル 4/15(水) ▲2.9(0.25%)
ドル円:119.13 円 4/15(水) ▼0.26(0.21%)
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