更新日:2015年4月20日(月)
市場反応では今のところ多少の警戒感、という程度でしかないギリシャの破綻リスクがじわじわと進行している様子です。
あらゆる公共セクターから資金をかき集めなければ本日20日にもギリシャ政府の資金が枯渇するといった報道に対しても、悲観的な市場反応は見られず、悲観的ではないのはギリシャ首脳も同様。ギリシャの財務省も資金枯渇報道を否定し、チプラス首相は債権団との交渉は4月末までの合意が得られると楽観、バルファキス財務相は、現在の経済状況で達成できない目標に合意するつもりはない、とあくまで反緊縮姿勢で支援を引き出そうと貫きます。
楽観姿勢のギリシャ政府と財政緊縮を要求する債権団側の交渉はいつまでたっても平行線、24日のユーロ圏財務相会合でも支援協議に決着が見られる可能性は低そうです。
こんな状況を背景に、3月末には格付会社フィッチがギリシャの格付けを「B」から「CCC」へと3段階引き下げ、先週にはスタンダード・アンド・プアーズも「B-」から「CCC+」へと格下げしています。半年ほど前、昨年9月までは財政再建に向かっていたギリシャの格付けは引き上げフェーズが続いていました。それが今年1月末に反緊縮を掲げるチプラス政権が誕生したことで一変、上昇トレンドだったギリシャの格付けは急速に下降トレンドへと切り替わりました。
主要格付け会社のうち、チプラス政権誕生以降で唯一、格下げしていないムーディーズも2月に格下げ方向で見直す方針を表明しており、そろそろ見直しが行われることにもなりそうです。
そのムーディーズは、日本の「2020年財政黒字化」目標が達成困難となれば、日本の格下げ圧力が高まるとし、日本の膨大な公的債務を考えれば、財政政策は引き続き緊縮的とする必要があること、構造改革が不十分なことなどを危惧しています。
黒田日銀総裁が言い続ける「2015年度を中心とする時期に物価目標2%」が達成するようなことがあれば、金利も上昇傾向となり、日本の膨大な公的債務もさらに拡大することになります。
20日の国内金価格は0.37%の反発。NY金と為替の膠着感に伴い、方向感が見え難い状況。どちらかといえばやや下方向優勢のため、4,950円の抵抗線に押さえられた格好。ここを超えることができれば方向感は上向き始め、5,000円の大台再トライへと向かう可能性。しかし現状では4,900円近辺までの下値余地を残す状態で保ち合いを形成中。4,920円を下抜けた場合には4,900円では下げ止まらない可能性。
プラチナは0.8%の反発。3月後半から続いた上昇トレンドは減速こそしたものの、ゆるやかに継続中。小幅レンジの保ち合い状態を上抜けたことで上値余地は4,850円程度まで拡大。ただし4,770円のサポートラインを割れると4,700円近辺までの下落リスクも。
※参考:金プラチナ国内価格4/20とチャート
2015年4月20日(月)時点の相場
国内金:4,941 円 4/20(月) ▲18(0.37%)
国内プラチナ:4,810 円 4/20(月) ▲38(0.80%)
NY金:1,203.1 ドル 4/17(金) ▲5.1(0.43%)
NYプラチナ:1,167.5 ドル 4/17(金) ▲8.3(0.72%)
ドル円:118.90 円 4/17(金) ▼0.10(0.08%)
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