更新日:2015年5月16日(土)
米経済指標も第2四半期入り、4月分の結果が続々と発表されています。今週は小売売上高、卸売物価指数に続き、鉱工業生産も予想を下回る前月比-0.3%となり、5カ月連続の低下。好調だったはずの雇用に減速感が見られ、消費も物価も低迷し、鉱工業も軟調推移。予想以上のスロースタートとなっている第2四半期、残り2カ月での挽回を図りたいところですが、早くも5月分に黄色信号も点灯し始めています。
ISM製造業景況指数との連動性が高く、先行指標としても注目されるNY連銀製造業景気指数の5月分が発表され、4月分の-1.19を上回り4カ月ぶりの上昇となったものの、予想の5.0には届かず3.09どまり。
2002年以降の長期推移を見ると、3.09ポイントがかなり低水準に位置することがわかります。また、6カ月移動平均では4.2ポイントまで低下、2013年6月以来2年ぶりの低水準となっています。
また、2008-2009年のリセッション時期の前と比較すると、2010年以降は好調時のピークが切り下がっており、好調時が長続きしない傾向にあります。そして、長期的にも、短期的にも下落トレンドにあるようです。
5月分の指標として、ミシガン大学の消費者信頼感指数も発表され、こちらも予想の96を下回り、4月分の95.9からも大幅低下となる88.6。昨年10月以来の低水準。やはり消費関連もまだまだ厳しい状況が続きます。
ただし、1年先の期待インフレ率は4月の2.6%から2.9%へと上昇し、物価動向は若干上向き傾向となる可能性を示しています。
NY連銀製造業景気指数の構成指数のなかに、半年先の業況見通しというのがあり、こちらは4月の37.06から5月は29.81へと低下しています。
製造業の景気は、半年先への期待も低下中です。
15日のNY金相場は前日比わずか0.1ドルの上昇とほぼ横ばい推移ながらも4日続伸。前日高値1220ドル台後半からは手仕舞い売り優勢の調整局面が継続、しかし低調な米4月分経済指標を受けてドル売りが進んだことにより再び反発。短期上値目標1230ドル台手前で、今年の高安50%ライン1224.7ドルを挟んだ攻防が継続。流れは好転し、上昇基調が強まる可能性も。今後の米経済指標次第で加速、もしくは頭打ちの展開へ。
週間ベースでは+36.4ドル(+3.06%)の大幅続伸。
プラチナ相場は0.58%上昇の堅調推移で4日続伸。4月10日以来5週間ぶりの高値水準に達し、今年高値-安値の38.2%ライン1164.5ドルをしっかりと超えたことで、今後さらに上値を伸ばす可能性も高まる状況。次の目安となる50%ラインは短期上値目標1180ドル台と重なる1188.5ドル。その手前には90日移動平均線などが位置する1170ドル台後半が抵抗水準候補。
週間ベースでは+25.6ドル(+2.24%)となり、3週続伸。
ドル円は0.21%の続伸。118円80銭台の安値トライに失敗した前日からの反発基調が続き、今度は上値トライへと向かい一時119円90銭台まで上昇。低調続きの米指標に反してドル買い圧力の強さが目立つ状況ながら、この日の上値を押さえたのもまた低調な米経済指標。鉱工業生産にミシガン大学消費者態度指数の速報値と立て続けに予想を下回る結果に119円10銭台まで急落。ここからまたも反発基調で次週へ。
週間ベースでは-0.38円(-0.32%)の小幅続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/15終値とチャート
2015年5月16日(土)時点の相場
国内金:5,006 円 5/15(金) ▲29(0.58%)
国内プラチナ:4,768 円 5/15(金) ▲44(0.93%)
NY金:1,225.3 ドル 5/15(金) ▲0.1(0.01%)
NYプラチナ:1,169.1 ドル 5/15(金) ▲6.7(0.58%)
ドル円:119.40 円 5/15(金) ▲0.25(0.21%)
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