更新日:2015年6月9日(火)
FRBが発表するLMCI(労働市場情勢指数)の5月分は+1.3となり、上方修正された4月の-0.5から反発し、3カ月ぶりの水準となり、3-4月のマイナス圏からは脱しました。
2012年以降の平均値+3.96と比較するとまだ低水準ながらも改善傾向を示し、米労働省発表の5月雇用統計での好結果、特に賃金上昇率と労働参加率の改善などを反映する形となっているものと思われます。
過去1年間の今回発表値(と前月発表値)、修正幅は以下のとおり。
2014年6月:5.7(5.5)+0.2
2014年7月:3.5(3.4)+0.1
2014年8月:3.1(3.0)+0.1
2014年9月:4.9(4.7)+0.2
2014年10月:6.1(5.9)+0.2
2014年11月:7.2(7.1)+0.1
2014年12月:7.2(7.1)+0.1
2015年1月:3.5(3.5)+-0.0
2015年2月:1.4(1.0)+0.4
2015年3月:-1.0(-1.8)+0.8
2015年4月:-0.5(-1.9)+1.4
FRBが発表するLMCIは、1976年8月以降の数値が毎月発表されますが、その都度過去全般に渡って修正が入ります。
1976年8月の前月発表値は+1.1、今回発表値は+1.2。
過去40年に渡り、全般的に上下0.1-0.2ポイント程度修正されています。
雇用統計では、年に1度、過去数年間分の修正が入りますが、通常は1-2カ月程度の修正のみです。
LMCIの修正が毎月過去分全般に渡る理由は、全19指標と言われる参考指標のウェイトを変更しているのか、計算式自体を見直しているのか、様々な理由が推測されますが、FRB内部での労働情勢に対する見方が微妙にブレているのではないか、と推測することもできそうです。
雇用情勢の回復傾向に対する見方の迷いが、そのまま利上げに向けてのFRBの迷いとして現れているようにも見えます。
8日のNY金相場は4日ぶりの反発で0.47%高。先週末1160ドル台の安値から1170ドル台へと戻した状態をキープ。ドル売り進行による買い戻しはほとんど見られず、1170ドル台で若干買われた程度と限定的な値動き。下値もそれなりに堅いが上値も重い状態。1200ドル手前が当面のレジスタンスとなり、1150ドル台辺りまでの下落余地を抱える状況。
プラチナ相場も4日ぶりの反発で0.84%高。2番底をつけて反発へ、と向かう可能性をとりあえずは示した状態。1100ドルの大台回復も、まだ下落トレンド中の戻り局面の範囲内。当面の抵抗水準1110ドル台から1120ドルを超えるようなら、流れが変わる可能性も。下落トレンド継続の目標水準は1060ドル近辺。
ドル円は4日ぶりの反落で0.87%の大幅安。オバマ米大統領のドル高問題視報道で125円00銭まで下落し、1時間後の否定で元の水準まで反発したものの、結局は利益確定売り優勢の流れでコンスタントなドル売り円買い。金曜日の上昇分をほとんど消してしまう反落となり、高値圏での不安定な状態に。それでもドル買い優勢の流れは維持し、上値目標127円台後半も継続。ただし、124円割れなら122円台後半までの円高余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/8終値とチャート
9日の国内金価格は0.43%の反落。ドル売り円買いの流れに伴う調整幅拡大で5040円台のサポートラインをわずかに下方ブレイク。1カ月強続いたゆるやかな上昇トレンドがいったん終了し、調整局面入りの可能性。目先の下値メドは4980円台。5060円台が当面の抵抗水準に。
プラチナは0.15%の小幅安。下値目標4710円台までもう一度しっかり下落して下落基調継続か、もしくは4720円から4780円台までのレンジで揉み合い状態へと移行か、という状況に。目先、いったんは後者の流れとなりそうな動きにも見えるものの、金の下落基調が進めば前者の流れに。
※参考:金プラチナ国内価格6/9とチャート
2015年6月9日(火)時点の相場
国内金:5,039 円 6/9(火) ▼22(0.43%)
国内プラチナ:4,752 円 6/9(火) ▼7(0.15%)
NY金:1,173.6 ドル 6/8(月) ▲5.5(0.47%)
NYプラチナ:1,101.2 ドル 6/8(月) ▲9.2(0.84%)
ドル円:124.48 円 6/8(月) ▼1.09(0.87%)
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