更新日：2015年7月4日(土)
2014年12月のギリシャ大統領選出に失敗し、議会解散となったことがギリシャ国民の不幸の始まりでした。2015年1月の総選挙で反緊縮を掲げるチプラス政権誕生を支持してしまったギリシャ国民は、半年後にはそのつけを払わされる事態となりました。
この半年間、ユーログループとの支援延長・債務協議はこじれにこじれ、今年のマーケットの主要テーマとなるはずだった米国の利上げへの関心の一部を奪い、その利上げに対しても少なからず影響を及ぼすことに。
主要指標の2015年上半期騰落率を見ると、
ユーロドルが-7.98％とユーロ売り。ECBの量的緩和導入によるところが大きいものの、少なからずギリシャ不安も影響。そのユーロ安を背景にドイツDAXは+11.62％と大幅上昇。しかし、ギリシャ懸念やドイツ10年債利回りの急騰も重なりやや乱高下状態に。
ドイツDAXを上回る上昇となったのが日経平均の+15.96％。こちらも多少の円安サポートは受けたものの、ドル円は+2.31％どまり。日銀やGPIFなどのクジラが買い支える展開に。
昨年末から急落した原油は3月に42ドルまで下げて底打ち、年初来+11.64％まで反発。この影響で年初にかけて急落していたロシアルーブルも対ドルで反発し、年初来4.73％のルーブル高ドル安へと持ち直し。
ユーロ不安も売り材料の一つとなって昨年後半から下落基調が強まっていたNYプラチナは-10.78％の大幅安。昨年に比べて円安サポートが弱まったことで国内プラチナ価格も-8.12％と大幅安。対象的にNY金相場は米利上げへの警戒感が強まるなかでも-1.04％と小幅安にとどまり、国内金価格は+1.32％とプラス圏。
NY金と同様に微妙に売られたのがNYダウと英FTSE。いずれも米国の利上げ、英国の利上げも視野に入る状態となり、金融緩和による金融相場は一段落の状態に。
やはり利上げへの警戒感が高まる新興国通貨のなかでは、プラチナ安要因ともなった南アフリカ・ランドが5.18％のランド安ドル高。インドネシア・ルピアが7.65％のルピア安ドル高、政局不安がつきまとうトルコ・リラは14.87％のリラ安ドル高。汚職や政局不安に景気低迷が続くブラジル・レアルは16.77％ものレアル安ドル高。利上げに伴うドル高新興国通貨安不安は継続中。
例外はインド。今年にもGDP成長率で中国を上回ると予想されるインドのルピーはわずかに0.9％のルピー安ドル高。
米国の利上げスタート時期が近づき、その警戒感も高まる2015年下半期、まずは脇役のギリシャ動向が上半期に続き、市場を揺さぶる展開でスタートすることになりそうです。
3日のNY市場は独立記念日の振替休日で休場。NY金は時間外の短縮取引で1160ドル台後半へと小幅に値を戻して終了、下落トレンド中の戻り局面に。
週間ベースでは-9.7ドル（0.83％）の続落。
プラチナ相場は2日終値1083.6ドルから1080ドル台半ば近辺での小動きに終始。
週間ベースでは+2.9ドル（0.27％）の小幅高で3週間ぶりの反発。週足チャートの足型は十字線、底値圏からの反発加速か、目先の抵抗水準1090ドルを超えられず再度下値トライへと向かうのか、分岐点に。
ドル円は前日比-0.28％の小幅続落。ギリシャ国民投票への警戒感に伴う安全資産の円買いと週末のポジション調整により、欧州時間以降はドル買い円売り傾向が強まり122円台後半へ。122円台半ばでは底堅さを見せ、というよりはNY市場休場によりドル売り円買いの流れがこの程度でいったん収まった形。日足チャートでは6月5日の今年高値125円80銭台、6月24日高値124円30銭台、7月2日高値123円70銭近辺を結ぶきれいな右肩下がりの上値抵抗線が形成され、短期下落トレンド継続中。123円台前半へと切り下がるこの上値抵抗線が目先のトレンド転換への節目。この水準を超えることができればドル買い円安再開、125円台半ばを目指す流れとなる可能性。円高方向へは122円台前半にサポート水準、ここを抜けると90日移動平均線のある121円近辺までは売られやすい状況。
ギリシャ国民投票の結果が判明している月曜朝にはボラティティが高まることが予想され、上下どちらかへ大きく動き出している可能性も。
週間ベースでは-1.17円（0.94％）の反落。こちらもきれいな十字線、上下どちらかへの動き出しを示唆。
2015年7月4日(土)時点の相場
国内金：4,948 円 7/3(金) ▼14(0.28％)
国内プラチナ：4,607 円 7/3(金) ▼6(0.13％)
NY金：1,163.5 ﾄﾞﾙ 7/3(金) +-0.0(0.00％)
NYプラチナ：1,083.6 ﾄﾞﾙ 7/3(金) +-0.0(0.00％)
ドル円：122.72 円 7/3(金) ▼0.34(0.28％)