更新日:2015年7月9日(木)
景気鈍化が懸念される中国の株式市場がバブル的上昇からバブル破裂的急落局面となっていることで、にわかにチャイナリスクとして警戒感が高まってきました。
今年の上海総合指数は、6月12日まで年初来59.72%もの上昇となり、ここから反落に転じ、7月8まで32.11%もの暴落状態となっています。
5カ月余りの上昇率は2013年に急騰した日経平均の年間上昇率56.72%を上回り、この1カ月弱の下落率は、同じ2013年のNY金の年間下落率28.26%を超えています。
この半年弱で1.6倍になった中国の株価は、そこから1カ月もたたないうちに3割以上の下落で、本日時点でも下げ止まりの兆しはまだ見られないようです。
今年前半の主要株や商品市場は、期間の違いはあれど極端な動きとなっている中国株と同様に、上昇から下落へと転じています。
昨年末から今年の年初来高値までの上昇率と高値から最近までの下落率は以下の通り。
ドイツDAX:4月10日の過去最高値まで26.2%上昇、7月7日まで3.72%下落
NYダウ:5月19日の史上最高値まで2.75%上昇、7月8日まで4.35%下落
日経平均:6月24日の18年ぶり高値まで19.58%上昇、7月8日まで5.42%下落
ドル円:6月5日の13年ぶり高値(ドル高円安)まで4.88%上昇、7月8日まで3.88%下落
NY原油:6月10日まで15.32%上昇、7月8日まで15.92%下落
NY金:1月22日まで9.85%上昇、7月7日まで11.39%下落
NYプラチナ:1月22日まで6.28%上昇、7月8日まで19.38%下落
国内金:1月23日まで7.95%上昇、7月9日まで8.93%下落
国内プラチナ:1月23日まで4.32%上昇、7月9日まで17.6%下落
下落率だけなら、プラチナも中国株の3分の2に相当する大幅下落となってきました。
8日の金融市場は中国株の暴落に日経平均も大幅調整、NYダウはシステム障害で3時間余りの取引停止に大幅安と荒れ模様。株安ドル高円高の流れに同調したNY金相場も連日の1140ドル台半ばまで下げたところから反転、リスク回避の流れが続くなかでNY時間にかけては従来の金買いパターンへ。1150ドル前後の下値目標到達による反発で1160ドル台を回復し、前日比0.95%の上昇。下押し圧力も緩和傾向、しかし市場が落ち着きを取り戻せば再び上値の重い展開も予想され、3番底確立への可能性を残して揉み合い形成へ。
プラチナ相場は4日続落となり0.55%安。金に連れて下押し圧力が強まる局面では2009年3月安値を下回り、大台目前となる1010.9ドルまで下落。2009年2月以来6年5カ月ぶりの安値水準をつけての反発へ。下値メド1040ドル割れ水準を大幅オーバーランして戻って来た状態となり、長い下ヒゲを残してセリング・クライマックスとなった可能性も。南アランド建てプラチナ価格も13,000ランドを挟む底値圏での乱高下状態が継続中。
ドル円もリスク回避の流れがコンスタントに続く展開となり、5日続落で1.48%の大幅安。今年最大の下げ幅となって下値目標水準121円付近をクリア。レンジ状態の時間が長引いたことにより、目標水準を突き抜けて一時120円台前半まで下落。5月19日以来、1カ月半ぶりの円高ドル安水準となり、3月から5月半ばまでの揉み合い水準上限付近に戻ってきたこともあり、いったんは下げ止まりやすいところ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/8終値とチャート
国内金価格は1.11%の大幅安で3日続落。3月18日の今年安値4816円以来、4カ月ぶりの安値水準となり、4月27日の4835円と合わせて今年のトリプルボトムをつけた状態。今のところはまだ株安円高のリスク回避優勢の状況が続き、NY金の反発にもそれほど勢いは感じられない状態にあり、売られ過ぎ状態からの反発力も限定的か。2013年安値3978円から今年高値5298円までの38.2%戻しラインが4794円となり、今年安値を含む4800円近辺は長期的な節目水準としてサポートライン候補に。
プラチナは5営業日続落でも2.08%の大幅安。2012年11月19日以来、2年8カ月ぶり安値水準。NYプラチナの動向次第という状況。2012年10月から11月にかけての揉み合い水準下限、4100円台がサポート水準候補に。
※参考:金プラチナ国内価格7/9とチャート
2015年7月9日(木)時点の相場
国内金:4,825 円 7/9(木) ▼54(1.11%)
国内プラチナ:4,279 円 7/9(木) ▼91(2.08%)
NY金:1,163.5 ドル 7/8(水) ▲10.9(0.95%)
NYプラチナ:1,035.8 ドル 7/8(水) ▼5.7(0.55%)
ドル円:120.70 円 7/8(水) ▼1.82(1.48%)
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