更新日:2015年7月15日(水)
ギリシャに振り回され続けた今年前半のユーロ圏は、景気への悪影響も懸念され、実際にドイツのZEW景況感指数は4月から7月まで4カ月連続での低下となりました。しかし、7月分は市場予想を上回り、相対的に見てもそれほど悪い水準まで低下している訳ではなく、下げ止まりの兆しも見られます。むしろ長期的にはほどほどの好水準と捉えることも可能。ドイツの景況感は予想以上に悪くはなく、強さを見せつける状況と言えそうです。
対照的に、今年前半の一時的な不調からの脱却が見込まれていた米国の消費は、予想以上に弱い結果を示しました。
米6月の小売売上高は前月比+0.3%の予想を大きく下回る-0.3%。2月以来4カ月ぶりのマイナス圏に落ち込みました。しかも5月の1.2は1.0へ、4月の0.2は0.0へと下方修正。さらに1年前の7月分も0.2から0.0へ、5月分も0.1から0.0へとマイナス修正されています。
これで2010年以降の平均は前月時点の+0.38から+0.37へと低下し、1992-2007年平均の+0.44からの下方乖離が拡大。
自動車を除く数値でも前月比+0.5%の予想に対して-0.1%へと大きく鈍化し、ガソリンを除く幅広い分野で全般的に減少傾向となりました。
予想を超える米国の消費の弱さを受けて、アトランタ連銀のGDPNowによる米4-6月期GDP予想は2.6%まで上昇していた前日から2.4%へと反落。
月初に発表された6月の雇用統計も予想を下回り過去2カ月分も下方修正されており、雇用の減速に続き、物価動向とGDPにも大きく影響する消費までも減速傾向となったことで、「今年いずれかのタイミングで利上げが妥当」とい言い続けて来たイエレンFRB議長のトーンにも影響が見られるかどうか注目です。
14日のNY金相場は0.16%の小幅安で4日続落となり1週間ぶり安値水準へ。米小売売上高の下振れに1160ドル付近までの反発も一時的、終値ベースではきれいな下落トレンドが1カ月ほど継続中。しかし、ドル高の流れが一服したこともあり1150ドル台半ばでの横ばい推移で耐える状況。1150ドルのサポートライン割れの場合には1130ドル台までの一段安が見込まれ、1160ドル台半ばのレジスタンスライン超えなら1190ドル近辺を目指す反発基調へ。
プラチナ相場は3日ぶりの反落となって0.73%安。1040ドルラインが抵抗線となって押し返された形で底値圏での揉み合い形成。このラインを超えることができれば5月以降の急落値幅の23.6%ライン1050ドルを超え1060ドル辺りまでの反発も見込める状況へ。1020ドルの重要なサポートラインを下抜けた場合には、底割れ状態で再度急落リスク浮上、970ドル近辺が下値目安に。
ドル円は4日ぶりの小反落もほぼ前日と同水準。小売売上高の想定外の悪化により、当面の上値目標125円台半ばを目指してドル高の流れが加速する最初のきっかけを逸してしまった形。それでも指標発表直後に123円割れへと急落した後の押し目買いの勢いは強く、きっかけ次第でドル買い円安が再加速する可能性の高さを示唆。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/14終値とチャート
15日の国内金価格は0.35%安で4日ぶりの反落。円安基調がストップしたことで反発の流れもいったん調整。4920円台が目先の抵抗線となり、反発基調継続、そして短期上昇トレンドへの転換に向けての分岐点に。超えると4980円台が上値目標、最大では5000円の大台回復を目指す流れとなる可能性も。
プラチナも4日ぶりの反落となり0.82%安。急落値幅に反発値幅も大きくなったことで調整幅も大きめ。反発基調が続く可能性は十分に残っており、前日の4410円台が抵抗線としての存在感を強める前に上抜けできれば、地合い好転で一段高の可能性、4470円台から4500円台を目指す流れとなる可能性も。超えられないようなら安値水準での新たなレンジ形成へ。
※参考:金プラチナ国内価格7/15とチャート
2015年7月15日(水)時点の相場
国内金:4,906 円 7/15(水) ▼17(0.35%)
国内プラチナ:4,376 円 7/15(水) ▼36(0.82%)
NY金:1,153.5 ドル 7/14(火) ▼1.9(0.16%)
NYプラチナ:1,028.4 ドル 7/14(火) ▼7.6(0.73%)
ドル円:123.39 円 7/14(火) ▼0.05(0.04%)
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