更新日:2015年7月17日(金)
米国の第3四半期初月、7月指標の2つめとなるフィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表され、前日のNY連銀の指数に続いての好結果も期待されたなか、予想に反して下振れとなりました。今年最高値となっていた6月の15.2から大きく低下、市場予想の12.0の半分にも届かない5.7。3月の5.0以来4カ月ぶりの低水準にとどまり、6カ月平均では2013年8月以来ほぼ2年ぶりの低水準となる7.6。
新規受注や雇用関連など全般的に低調な結果となり、不安も残るところですが、半年先の見通しは前月よりも上昇。6カ月平均の7.6は前月の7.7から小幅低下で下げ止まりの兆しもあり、2010年以降の平均値8.7と比較しても小幅低水準。年後半に向けての回復傾向が期待されるところです。
この指標発表前には新規失業保険申請件数が改善傾向を示し、前日から続いた好結果の流れで株高ドル高の勢いが加速しそうなところにブレーキをかける結果となりました。
リスクオン傾向に早るマーケットには適度な調整フェーズとなったかもしれません。と同時に軟調推移の金にも適度なサポート要因に。しかし、依然下押し圧力が強いプラチナは、サポートし切れない状況が続きます。
16日のNY金相場は0.31%の小幅安で6日続落。米国の早期利上げ観測台頭やギリシャ支援進展に伴うリスクオン地合いを背景にやや軟調な推移が継続。6日続落となるのは今年最長で昨年10月29日から11月6日までの7日続落以来。この時は7日合計86.8ドル(7.06%)の大幅下落で1142.6ドル(終値ベース2014年安値)まで下落。8カ月後の今回は6日合計で19.6ドル(1.68%)の小幅下落で1143.9ドル(現時点で終値ベース2015年安値)まで下落。目先は1150ドルのサポート水準割れに伴い、1130ドル台までの下落が見込まれる状況。昨年は7日続落の翌日、11月7日に1130.4ドルの最安値を記録して急反発。今年もセリング・クライマックス?かどうかは微妙ながら、いったんの底打ちが近づいているようにも見える流れに。
プラチナ相場は3日続落で0.99%安。1020ドルの重要なサポートラインを大きく割り込み、2009年2月9日以来6年5カ月ぶりの安値水準に。1000ドルの大台ラインが心理的節目としてどこまでサポートラインの役目を果たすか。流れとしては、急落再開のパターンにはまった形で下値目標970ドル台を目指す展開へ。
ドル円は0.3%の小幅続伸。堅調推移継続で新規失業保険申請件数の改善を確認すると124円20銭付近まで上昇。フィラデルフィア連銀製造業景況指数がやや弱含んだことでの調整局面も123円80銭台までにとどまり、すぐに124円台を回復し、1カ月ぶりの124円台定着に向けての足場固めへ。レジスタンスラインにもなりかねなかった124円ちょうどのラインをあっさり上抜けたことで、ここをサポートラインに今年高値水準125円台半ばを目指す展開継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/16終値とチャート
17日の国内金価格は0.12%の小幅安で3日続落。円安にサポートされて下押し圧力はそれほど強くはない状態。4820円台から4920円台までのレンジは4月後半、3月前半にも揉み合いを形成した水準で居心地の良い価格帯。このレンジ内で耐えて流れが変わるのを静かに待つ展開へ。
週間ベースでは+19円(0.39%)となり、4週間ぶりの小反発。
プラチナは0.8%安で3日続落。4270円台から4410円台までの広めレンジで下限のほうにやや近づき、金に比べても下値警戒感はやや強め。NYプラチナ一段安への警戒感も高まり、円安サポートの状況によっては下限割れリスクが高まることも。現実化すれば少なくとも4200円台前半が目安となり、場合によっては4200円を割れての大幅安へと向かう可能性も。連休明けには万が一のケースに警戒。
週間ベースでは+15円(0.35%)で3週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格7/17とチャート
2015年7月17日(金)時点の相場
国内金:4,887 円 7/17(金) ▼6(0.12%)
国内プラチナ:4,328 円 7/17(金) ▼35(0.80%)
NY金:1,143.9 ドル 7/16(木) ▼3.5(0.31%)
NYプラチナ:1,011.6 ドル 7/16(木) ▼10.1(0.99%)
ドル円:124.14 円 7/16(木) ▲0.38(0.30%)
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