更新日:2015年7月28日(火)
上海総合指数が8.48%の急落となり、中国株リスク再燃となった27日のマーケット。中国政府による力技で急落局面を食い止め、平静を装っていたかに見えた中国株が再び暴落したことで、他の市場との連動性は低く、直接的な影響は限定的とは言うものの、さすがにこの異常な状況に警戒感を煽られる状態となっています。
前日比8.48%の急落は、上海株では2007年以来とのこと。もし、他の主要市場でこんな急落が発生したら、もっと大騒ぎになります。
主要指標の近年の大幅下落を振り返ります。
最近では、ドイツDAXが今年6月29日に-409.23ポイント、3.56%の下落。ギリシャのユーロ離脱懸念に振り回された時期。
NYダウは2008年9月30日に-777.68ドル、6.98%の暴落。リーマン破綻後、米議会での緊急経済安定化法案否決を受けて。世界金融危機拡大へのきっかけに。
日経平均では、比較的記憶に新しいところで5.23ショック。2013年5月23日に-1,143.28円、7.32%の暴落。中国製造業PMI悪化を引き金にアベノミクスによる円安株高の流れ急進に伴う調整局面が一気にスタート。
株式市場などと比較すると低ボラティリティの為替・ドル円相場では、2010年5月6日に-3.31円、3.53%の急落。NYダウが誤発注騒ぎで一時、前日比998.5ドル安(9.2%安)のフラッシュ・クラッシュとなった日。リーマン・ブラザーズ破綻当日の2008年9月15日の-3.26円(3.02%)、その後の世界金融危機でのピーク2008年10月6日の-3.44円(3.27%)などがこれに続きます。
最近の商品市場では、NYプラチナが2013年4月15日に-71.1ドル、4.75%の急落。NY金暴落に連れ安。
そのNY金相場は2013年4月15日に-140.3ドル、9.34%の暴落。米FRBの量的緩和策縮小懸念などを背景にストップロスを巻き込んだ暴落で長期下落トレンドが加速し始めた日。
NY原油は昨年、2014年11月28日に-7.54ドル、10.23%の暴落。原油安傾向にも関わらずサウジの思惑によりOPEC総会で予想外の減産見送りとなった翌日。
近年でも、金や原油の最大下落率は昨日の上海株の下落率を凌ぎます。
高ボラティリティの商品市場に対して逆の動きとなりやすい為替ドル円相場の影響で、比較的小動きとなるケースも多い国内商品市場では、稀に両者が同じ方向へ動くこともあり、高ボラティリティ×為替変動リスクにより、大幅変動が発生することがあります。
国内プラチナ価格は2010年5月21日に-584円、11.86%の暴落。欧州債務危機の最中、NYプラチナの-110.4ドル(6.88%)の急落にドル円の-1.89円(2.06%)の円高が重なりました。
国内金価格は2013年4月16日に-618円、12.5%の暴落。NY金暴落の翌日、ドル円もリスク回避の流れで-1.669円(1.70%)の円高に。
中国株リスクを発端に、現在も高ボラティリティ×為替変動リスクが高まり、同じ方向へと動きやすい、稀な時期となりつつあることに警戒しなくてはなりません。
27日のNY金相場は1%の反発。前週末の5年5カ月ぶり安値水準からの反発の流れは1100ドルラインで頭打ち。終値ベースで見るとそれなりの反発も日本時間土曜朝時点で既に1100ドル近辺まで反発しており、1100ドルラインの攻防で反落した形。中国株急落を受けた世界株安ドル安の流れでは、リスク回避で金が買われることはなく、同じように売られる展開。ただし1080ドル台での下値固めのような動きも見られ始め、1080ドルから1100ドルのレンジ推移で流れが変わるのを待つことができるかという状況に。
プラチナ相場も0.84%の反発。金と同様に990ドル付近まで反発していた状態で週明けを迎え、わずかに反落したところ。970ドル台での足場固めで少しづつ下値を切り上げる形となり、990ドルが当面の抵抗線状態に。金に先行して流れが変わる可能性も見え始めてきた様子も970ドル台に形成しつつあるサポートラインを割れないことが重要。
ドル円は0.45%の円高で3日続落となり、123円台前半へ。上値トライのチャンスをうかがう状態から中国株リスクの影響でやや雲行きが怪しくなってきた様子も。米国の6月耐久財受注の上振れにも反発は限定的となり、一時123円割れ寸前まで下落。一目均衡表の雲の上限などにサポートされる水準にあり、耐えれるかどうか。抜けると122円台半ばが次のサポートライン候補に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/27終値とチャート
28日の国内金価格は0.64%の反落で予想外の安値更新。円高圧力が強まり、昨年11月14日以来の安値水準へ。サポートラインとなるかとも思われた4650円台をわずかに下抜けてしまったことにより、追加下落リスクが浮上。当面の下値目安としては4600円近辺。確率はまだ低いと思われるものの、NY金の動向次第ではさらに大きく水準を切り下げる可能性にも警戒。8カ月前の上昇局面では4500円から4600円の水準はほぼ素通りしており、下落局面でも同じように素通りする可能性も想定される。
プラチナも0.92%の大幅反落。若干の余地も想定された反発への流れも腰折れ。逆に下落トレンドの流れに回帰し、下値リスク再開の兆しも。ただし現状では底値揉み合い状態のほぼ最下限、しばらくレンジ推移が続く可能性も十分に想定される。4180円割れの場合には4100円近辺が下値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格7/28とチャート
2015年7月28日(火)時点の相場
国内金:4,649 円 7/28(火) ▼30(0.64%)
国内プラチナ:4,183 円 7/28(火) ▼39(0.92%)
NY金:1,096.4 ドル 7/27(月) ▲10.9(1.00%)
NYプラチナ:988.9 ドル 7/27(月) ▲8.2(0.84%)
ドル円:123.25 円 7/27(月) ▼0.56(0.45%)
Copyright(C) Let's GOLD