更新日:2015年8月27日(木)
約2週間ほど前、8月11日には1ドル=125円台に達し、高値トライへ向かうかとも思われていたドル円相場は、長期トレンドの目安となる200日移動平均線からの上方乖離率は4.0%に達していました。しかし、その後訪れた世界同時株安の流れに巻き込まれて急落。21日時点で+1.2%あった200日移動平均線乖離率は週明けの24日、NYダウが1000ドル超のフラッシュ・クラッシュとなった日には-1.9%へと下方ブレイクしました。長期上昇トレンドにあるドル円相場が200日移動平均線を下回ったのは昨年8月15日以来ちょうど1年ぶり。その後2日間の反発で26日NY終値時点では-0.7%の水準まで戻した状態です。参考:ドル円1カ月チャートと200日移動平均線
円安株高の流れで同じような推移を描いてきた日経平均の200日移動平均乖離率も、8月21日の+2.1%から24日には-2.4%へ、昨年10月以来10カ月ぶりの下方ブレイク。その後25日には-6.4%まで拡大し、26日には-3.8%へと縮小。
ドイツDAXは今年1月以降200日移動平均線の上での推移が続いていた状態から、一足早く8月18日に下抜け、24日には-12%まで拡大し、25日には-8.1%へと戻しました。
NYダウの場合はさらにタイミングが早く、7月末に下抜け、8月24日に-10.9%へと急拡大、26日には-8.5%へと縮小した状態。
元々軟調推移気味となっていた欧米株の200日移動平均までの距離は日本株やドル円に比べてかなり遠く、その道は険しそうです。
今回の200日移動平均線下抜け、あるいは下方乖離率急拡大のきっかけともなった上海株の場合は、6月にバブルが弾けて急落した後、7月上旬までの下落局面では200日移動平均線で下げ止まる状況が続いていました。しかし、その後8月21日には完全に下抜け、26日には-20.2%へと拡大しています。
短期的には、この上海株の200日移動平均乖離率のマイナス幅がもう少し縮小することが、ドル円と日経平均の200日移動平均線上抜けへのポイントとなりそうです。
なお、今回の株安局面でユーロキャリートレード巻き戻しとなったユーロドルの場合は、方向は逆で8月21日に昨年6月以来、1年2カ月ぶりの上抜け。24日の+2.5%まで拡大後、26日には-0.1%とわずかに下抜け状態。
同じように上抜けも期待されたNY金相場の場合は、今年5月半ば以降は下方推移が継続し、今年安値をつけた7月24日に-9.4%、8月21日には-2.3%まで縮小、26日には-5.2%へ再反落。リスクオフの流れでの反発でも200日移動平均線を上抜けることはできませんでした。
NYプラチナは1年前の8月20日に下抜け、今年安値となった8月5日にピークの-17.8%、20日には-9.4%へ縮小、26日は-13.9%へ。弱気相場が続くプラチナのピーク時でも上海株急落時の乖離率には及びません。
これを上回るのはNY原油。昨年7月末に200日移動平均線を下抜けると、今年1月末には-48.7%まで乖離率は拡大していました。再下落基調となった現在は26日時点で-28.9%。比較対象にもならない状況です。
26日のNY金相場は1.2%の大幅安で3日続落。1160ドル台の節目にぶつかっての反落基調が継続し、リスク回避ムード緩和に伴う下落とも言える状況。見込みどおり、底値からの反発値幅の半値戻し1120ドルでいったん下げ止まり。方向感としてはニュートラル、しかしリスク回避ムードがさらに解消方向へと向い、株高ドル高の流れが加速するなら上値の重い展開へ。1110ドルを割れた場合には今年安値圏1080ドル台が視野に。
プラチナ相場は4日ぶりの反発で0.36%の小幅高。2日連続で安値970.3ドルと下値目標水準970ドルまでしっかりと下げた形となり、いったん下げ止まっただけの状態。底値からの反発の勢いは完全に消滅し、反落の勢いもそれほど強い訳でもなく、揉み合い形成となりやすい状況に。
ドル円は0.96%の大幅続伸。上海株こそ下げ止まらなかったものの、日経平均の大幅反発に米7月耐久財受注の好結果、そして米株の大幅反発を受けての堅調推移。NY連銀・ダドリー総裁発言の9月利上げ後退発言での小幅ドル売りをはさみながら120円目前まで回復。今朝時点では120円台、ダブルトップのネックライン120円台半ば、そして120円70銭の200日移動平均線との攻防へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/26終値とチャート
27日の国内金価格は0.66%下げて4日続落。NY金の下落が円安を相殺しサポートされず、今年安値4632円をつけた8月4日以来の安値水準に。先週末からの世界同時株安の流れから昨日NY市場の収束方向への流れまでの間で、NY金は上昇・下落の行って来いでほぼ同水準に戻ったのに対し、ドル円の急落後の戻りは相対的にかなり鈍い状況。これを反映する形で国内価格は水準を切り下げてしまった状態。さらなる円安余地はNY金の下落余地よりも大きいと見られるものの、株価動向にらみの不安定な状況が完全に払拭された訳ではないことによる国内価格の不安定感も継続。
プラチナは4日ぶりの反発で1.69%の大幅高。売られ過ぎ状態からの大幅反発必至の状況から1テンポ遅れての反発。NYプラチナの下落に達成感が見られることに加え、中国株の安定も若干のプラス材料となり、これにも期待する面も。ただし、現状では中国株の反発度合いが強すぎると世界同時株高を誘引しかねない状況にあり、そうなると金の急落に連れてのプラチナ再反落の可能性も。やや不安定な状況は継続。
※参考:金プラチナ国内価格8/27とチャート
2015年8月27日(木)時点の相場
国内金:4,653 円 8/27(木) ▼31(0.66%)
国内プラチナ:4,094 円 8/27(木) ▲68(1.69%)
NY金:1,124.6 ドル 8/26(水) ▼13.7(1.20%)
NYプラチナ:980.2 ドル 8/26(水) ▲3.5(0.36%)
ドル円:119.90 円 8/26(水) ▲1.08(0.90%)
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