更新日:2015年10月6日(火)
FRBが公表する労働市場情勢指数(LMCI)の9月分は「0.0」と予想外の低水準に落ち込みました。雇用情勢の改善傾向を示すプラス圏と悪化傾向を示すマイナス圏との境界線上です。
今年1月からの推移は以下のとおり。(括弧内は前回からの修正幅)
1月:4.0(-)
2月:1.8(+0.2)
3月:-0.7(+0.3)
4月:-0.5(+0.3)
5月:1.6(+0.3)
6月:1.5(-0.1)
7月:1.1(-0.7)
8月:1.2(-0.9)
9月:0.0
今年前半では合計1.1ポイントの上方修正、しかし後半3カ月で合計1.7ポイントの下方修正。その結果年間平均も先月時点の1.3から1.1へと低下。6カ月平均では7月に0.8、8月は0.7、9月で0.82と低迷状態が続き、3カ月連続で1.0を下回るのは2009年以来のこと。
9月分の雇用統計がネガティブ・サプライズとなり、非農業部門雇用者数の伸びも予想を大きく下回り、7-8月分も大幅下方修正となったことなどと整合性がとれる結果となっています。
多数の労働指標を総合的に判断するための数値であるLMCIは、低調な雇用統計を裏付けるように、今年に入って急低下していました。
それでも1カ月前の8月分では、低迷期のなかでも順調な回復基調を示すように、4月以降着実に上昇していました。
ところが、今回の9月分では低迷期のなかでもさらに下落基調を示し、米労働市場の弱い状態継続を示唆するかのような状況となっています。
利上げに向けての課題は、程遠いインフレ2%だけではなく、労働市場の復活も必要となり、それ相応の時間を要することになりそうな気配です。
5日のNY金相場は先週末比わずか1ドルの小幅続伸。コンスタントに進む株高基調を横目で見ながら1130ドル台半ばでの横ばい推移。早期利上げ観測後退にもリスクオンの株高が進み過ぎると金の上値は抑制され、米9月のISM非製造業景況指数が予想を下回ったタイミングで1140ドル台を何度か試したのがこの日の上値の限界。1110ドルから1150ドル台のレンジをさらに縮小傾向へと保ち合い状態継続中。
プラチナは0.62%の続伸。1週間ぶり高値水準となる920ドル台後半まで上昇した直後には910ドル割れへと反落する不安定さと上値の重さは健在。長引く下落トレンド中の戻りを形成し、再び強まりそうな戻り売り圧力との攻防へ。反発に向けては、まずは8月高値からの下落幅の23.6%戻しとなる930ドル台辺りまで戻しておきたいところ。早々に900ドル割れへと再び水準を切り下げるようなことがあれば、さらに急落局面が続く可能性も。
ドル円は0.45%のドル高円安で小幅ながらも4営業日続伸。利上げ先送り濃厚となっても株価大幅上昇に10年債利回り上昇などに連れてドル高円安が進行。日銀の追加緩和期待の高まりも円安サポートに。下値トライの流れは仕切り直し、改めて119円台後半から120円台半ばのレンジ相場継続状態となり、上下どちらかへのブレイクによる大幅変動への可能性を待つ状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/5終値とチャート
6日の国内金価格は0.23%の小幅続伸。底値からの反発、上昇トレンドへの勢いを少しづつ強めようかという状況に。9月高値4755円が上方向への節目となる重要水準、ここを突破すると4800円程度までの上昇が見込まれ、下落基調が続く90日移動平均線との攻防へと向かう次のステージへ。
プラチナ価格は0.37%の小幅続伸。下落トレンド継続の範囲内からは抜け切れない状態のなか、節目の3800円をわずかに超えたことで3700円方向へと下値を切り下げる可能性は大きく後退し、3860円辺りまで戻り局面継続の可能性が高まってきた。これを達成できず、安値圏での揉み合い継続となるようだと再び流れが逆行する可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/6とチャート
2015年10月6日(火)時点の相場
国内金:4,706 円 10/6(火) ▲11(0.23%)
国内プラチナ:3,809 円 10/6(火) ▲14(0.37%)
NY金:1,137.6 ドル 10/5(月) ▲1.0(0.09%)
NYプラチナ:912.9 ドル 10/5(月) ▲5.6(0.62%)
ドル円:120.46 円 10/5(月) ▲0.54(0.45%)
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