更新日:2015年10月27日(火)
ドル円相場は今年6月5日終値で1ドル=125円50銭台まで上昇し、2002年6月以来13年ぶりの高値を記録しました。
この時点で1990年4月高値と1998年8月高値を結ぶ長期レジスタンスラインを完全に上抜けた状態となり、長期的なトレンドが変わりはじめる可能性が高まりました。しかし、2カ月後の8月半ばから下旬にかけてドル安円高方向へと急落したことで、長期レジスタンスラインを再び割り込み、120円近辺での保ち合い状態が2カ月間続くことになりました。
そして10月23日には再び121円台へと水準を切り上げ、122円近辺まで水準を切り下げてきた長期レジスタンスライン超えへの再トライをかけた攻防へと推移してきました。重要水準での攻防の行方をFOMCと日銀金融政策決定会合の結果に委ねる形となってきました。
今朝時点ではまたも120円台半ばまで水準を切り下げた状況で、今回のFOMCでは現状維持濃厚。12月に向けた利上げの可能性がどの程度残されるのか、というところがポイントとなりそうで、FOMC直後のドル円レジスタンス超えへの可能性は極めて低そうです。
ただし、その後の日銀会合では、追加緩和見送りムードが高まりつつあることで、逆にサプライズの追加緩和の可能性もわずかに残るところです。決行ならレジスタンスライン超えへ、見送りなら失望売りで大幅下落となり、徐々に水準を切り下げる長期レジスタンスラインの存在感が高まることにもなりそうです。
26日のNY金相場は0.29%の小幅高で4営業日ぶりの反発。米9月新築住宅販売件数の大幅下振れを受けて急騰した場面でも上値は1170ドルにわずかに届かず、1160ドル台での値動きに終始。FOMCへの警戒感からの様子見状態で高低差わずか7.6ドルは今年の平均値幅16.7ドルの半分以下。今年の高安値幅の38.2%ライン1162.3ドル近辺がサポートラインとして機能しつつある状況。下方向への次のサポートライン候補は23.6%ラインの1127.9ドル。上方向へは1190ドルが当面のレジスタンス、週末にかけて大きく動き出し、ブレイクするようなら1200ドル超えは時間の問題か。
NYプラチナ相場は0.42%安で続落。株安の流れが進んだ夕刻には連れ安となって一時990ドルを割り込む場面もあり、調整余地となっていた990ドル近辺に到達。1010ドル台までのレンジで揉み合いながら次の展開へ。990ドル近辺はしばらくはサポートされやすい水準に。上方向へと動き出せば1030ドル台が目安に。
ドル円は0.28%安となって8日ぶりの反落。米9月新築住宅販売件数が予想を大きく下回り、8月分も下方修正されると121円近辺から120円60銭割れまで急落。しかしこれも一時的となって、121円前後まではすぐに戻す堅調さも。基本的にはドル高円安方向優勢で123円台も見込まれる状況のなか、日銀への失望感の度合いによっては急反落への警戒感も高まる状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/26終値とチャート
27日の国内金価格は0.21%の小幅反落で4810-4850円レンジ維持。FOMCでは年内利上げ見送り濃厚となってやや金が買われてもドル安は限定的に、日銀へは失望感からの円高傾向で金買い、というパターンをメインシナリオとすると、国内金価格は乱高下となってわずかに上昇も。いずれのケースでも一方向に極端な流れが発生する状況は想定し難いところ。
国内プラチナ価格は0.77%の続落。4140円から4200円台までのレンジを形成し、下限割れをうかがう状況に。割り込むと4080円近辺まではズルズルと軟調推移となることが予想され、急反発で4200円を超え、抵抗線状態になりつつある90日移動平均線も突破できたなら、再び上昇基調が強まる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/27とチャート
2015年10月27日(火)時点の相場
国内金:4,831 円 10/27(火) ▼10(0.21%)
国内プラチナ:4,142 円 10/27(火) ▼32(0.77%)
NY金:1,166.2 ドル 10/26(月) ▲3.4(0.29%)
NYプラチナ:997.5 ドル 10/26(月) ▼4.2(0.42%)
ドル円:121.09 円 10/26(月) ▼0.35(0.28%)
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