更新日:2015年11月11日(水)
10日のドル建て金価格は1,088.5ドルとなり、今年安値圏まで下落した状況です。1年前の価格と比較すると71.3ドル下落し、騰落率では-6.1%。
世界の主要金産出国や金消費国でのこの1年間の金価格騰落率は、
1位:ロシア +31.9%
2位:トルコ +21.1%。
3位:南アフリカ +18.7%
4位:オーストラリア +15.1%
5位:カナダ +9.5%
6位:ユーロ圏 +8.7%
7位:インド +1.1%
8位:中国-2.4%
※価格はドル建て価格×為替レートの理論値で計算。
ドル高自国通貨安の影響で、主要金産出国での金価格は軒並み大幅上昇となっています。価格面では国内産業に貢献していることになります。
これに対して、2大消費大国、インドと中国での金価格は1年前とそれほど変わらず。純粋に国内景気や需要動向が今年の金消費量に影響することになりそうです。
トルコやユーロ圏では割高となり、金消費にはマイナス影響となりそうです。
日本の金価格は+1.12%でインドと同水準、1年前からそれほど変わらず。
この1年間でドル高が随分と進み、ロシアや南アフリカ~ユーロなどでの通貨安が進行しているのに対して、円安がそれほど進んでいないことが影響しています。
円安がそれほど進行しなくても、ドル高懸念は大きく進行している状況を表します。
なお、ドル建てプラチナ価格の1年間の騰落率は-25.5%。南アフリカのプラチナ価格は-5.7%。ロシアでは+4.7%。
いずれも大幅な自国通貨安によって、プラチナ価格の大幅下落分の大半を相殺しています。
日本では-19.02%となり、円安が限定的となっていることでプラチナ価格の大幅下落分の大半が国内価格に反映される状況です。
10日のNY金相場はわずかに0.4ドルの続伸。先週末からの1090ドルを挟んだ水準での揉み合い状態が継続。下値は今年終値ベースの安値1085.5ドル付近がサポートラインとなり、上値も1090ドル台半ばまでと限定的。12月利上げを相当程度織り込み、売られ過ぎ状態からの一服感が続くなかで買い戻しも進まない状況からは、きっかけ次第でもう一段の下値トライが進む可能性も。その際には今年最安値1072.3ドルが下値目安として意識されることになり、その後は達成感と買い戻しによる急反発も。
NYプラチナ相場は連日の大幅安で1.63%の下落となって9日続落。終値ベースでは900ドルの大台割れとなって今年安値を更新、2009年1月以来6年10カ月ぶりの安値水準に。安値でも10月2日の今年最安値897.1ドルちょうどまで下げて少し反発。9日続落は昨年8月以来。1年3カ月に渡るプラチナ相場の急落トレンドは9日続落でスタートし、今回の9日続落で締め括りとなるかどうか。
ドル円は前週末に到達した123円10銭台での横ばい推移状態が継続。円高方向へは123円ちょうど付近でサポートされ、円安方向には123円半ば付近の抵抗感が強まる状態に。ドル円の膠着状態が続くなか、対ユーロなどでのドル買いは先週末の急騰後もゆっくりと継続中、この為ドルインデックスも緩やかに上昇。これ以上円安が進行しなくてもドル高懸念は高まり続けることに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/10終値とチャート
11日の国内金価格は0.37%の小幅反落。NY金とドル円の膠着状態が続くなか、9月の安値圏4600円前後の水準にほぼ到達。目先はこの水準での揉み合い状態も予想され、週末にかけての米経済指標がポジティブ材料となった場合には今年安値4578円が意識される展開も。
国内プラチナ価格は1.47%の下落で連日の大幅安となり、昨年1月末以来、1年9カ月ぶりの8営業日続落。今年安値3760円から3800円の底値揉み合いレンジが意識される水準となり、2番底形成も。前日の2%超の下落が月初からの急落局面のセリングクライマックスではなく、月初からの下落局面自体が、今年の下落トレンドのセリングクライマックスとなる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格11/11とチャート
2015年11月11日(水)時点の相場
国内金:4,621 円 11/11(水) ▼17(0.37%)
国内プラチナ:3,833 円 11/11(水) ▼57(1.47%)
NY金:1,088.5 ドル 11/10(火) ▲0.4(0.04%)
NYプラチナ:899.5 ドル 11/10(火) ▼14.9(1.63%)
ドル円:123.13 円 11/10(火) ▼0.03(0.03%)
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