更新日:2015年12月12日(土)
やはりマーケットはおとなしく米国の利上げを受け入れることができない様子で、週末の金融市場はリスク回避傾向が強まり、プチ・パニック状態の展開となりました。不安心理をかきたてたのは、供給過剰懸念がとまらず、下落基調もとまらない原油安。NY原油は今年3月以来となる6日続落で2008年12月、リーマン後の最安値32ドル台を目指す流れが続き、週間の下落率は昨年12月の急落時以来の10%超えとなる10.88%に。
NYダウが9月末以来となる300ドル超の大幅下落となったことで、欧米株は軒並み2%超の大幅安、日経平均も大引けの19200円台からCME先物価格は18600円台へと500円超の大幅下落で追随。
為替市場でもリスク回避の円高ユーロ高ドル高でその他通貨安が急進。
とりわけ目立ったのが南アランド安。米利上げに伴う資本流出が懸念される最中のズマ大統領によるネネ財務相解任が政治問題へと発展し、景気低迷に政局不信が加わった形で南ア市場は債券安、株安と合わせてトリプル安状態に。
南アランドは対ドルでの最安値更新が続いていた状態から、この円高局面によって対円でも暴落状態となり、リーマン後の最安値を7年ぶりに更新して史上最安値圏へ。
南アランド急落の影響で、南アランドの金価格も急騰。この1年間でドル建て金価格が12%下落しているのに対し、南アランド建て(理論値)では19.8%の大幅上昇。ただし、これがNY金相場に与える影響は限定的と思われます。
NYプラチナ相場急落により、今年最安値圏まで下落していた南アランド建てプラチナ価格も急反発しています。足下では12,000ランド割れ水準から、13,400ランド付近まで急騰。
世界の7割以上のプラチナを産出する南アフリカでのプラチナ価格上昇は、NYプラチナ相場の下落余地を若干拡大してしまった可能性もありそうです。
11日のNY金相場は0.35%の小幅反発。ロンドン市場では1061ドルまで売られても底堅く推移、株安ドル安が進行したNY市場では急速に買い戻されて1080ドル手前まで上昇もこの近辺では上値も重い状態。1060-80ドルのレンジ内での売り買い交錯状態で前日の十字線から長めの下ヒゲ陽線を形成し、反発方向への動き出しを示唆する様子も。1080ドル台後半へと抜け出すことが出来れば上昇基調加速で1100ドル台へと上値を伸ばす可能性。1060、1050ドルでもサポートされないような流となれば、1020ドル辺りまで下値を切り下げることも。
週間ベースでは-8.4ドル(0.77%)と小幅反落。
NYプラチナ相場は1.43%の大幅続落。7日連続となる1%超の値動きで底値圏からの反発基調に迷いが生じているかのように短期三角保ち合い下抜けの兆し。前日の十字線から長めの陰線を残して金とは逆行、1週間ぶりに今年最安値圏830ドル台に片足を踏み入れた状態となり、このまま850ドル付近まで戻しきれないようなら安値トライ再開濃厚。下値目標は800ドルの大台ライン付近へ。
週間ベースでは-36.9ドル(4.19%)の大幅反落。
ドル円相場は0.57%の反落でドル安円高進行。東京市場で122円台前半まで反発した後は原油安株安に連れるように円高基調。リスク回避ムードも高まる展開で一時120円50銭台まで下落し、11月2日以来6週間ぶりのドル安円高水準。若干の円高余地を残し、9月から10月初旬までの保ち合いレンジ上限付近となる120円台前半までは下値を切り下げる可能性を残す状況。
週間ベースでは-2.31円(1.88%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/11終値とチャート
2015年12月12日(土)時点の相場
国内金:4,499 円 12/11(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,594 円 12/11(金) ▼4(0.11%)
NY金:1,075.7 ドル 12/11(金) ▲3.7(0.35%)
NYプラチナ:843.7 ドル 12/11(金) ▼12.2(1.43%)
ドル円:120.85 円 12/11(金) ▼0.69(0.57%)
Copyright(C) Let's GOLD