更新日:2015年12月29日(火)
変動相場制となって初となる4年連続陽線への可能性が高まる2015年のドル円相場。残り3日時点で年間上昇率はわずかに0.6%。それでも閑散状態のマーケットに波乱さえなければ、1ドル=120円の水準を維持することは、そう難しくはない状況のように見えます。
ドル円相場の年足チャートを見ると、高値圏での十字線を形成し、2016年に向けての反落を示唆するような形状となりつつあり、円高優勢論の支援材料となりそうです。しかし、2009年には安値圏での十字線に近い形状となりましたが、翌年には反発どころか一段安へと円高基調が進行しました。
年間の値幅はちょうど10円にとどまり、2011年と2006年と並びぶ小動きとなっています。変動率では8.3%となり今世紀最低。過去2年間が20%超の大幅変動となったことによる反動と見ることもできそうです。2011年も2006年の時も、前年までの大幅変動から急縮小、そして翌年にはいずれも14%台へと拡大しました。
直近3年間の平均変動率は16.7%となり、2016年にこの程度まで変動率が拡大する可能性は十分に想定できそうです。
現状水準120円×16.7%=20円。
2016年の変動値幅としては20円程度を見込むことができます。
現状水準120円から上下10円ずつ振り分けると2016年安値は110円、高値は130円との予想も成り立ちます。
原油安・中国減速リスクなどへの警戒感が高止まりし、米国の利上げ見通しがよりスローペースとなれば、年前半に110円までの円高進行。年後半にかけてリスク後退、米大統領選挙に向けてドル買い進行となれば年末にかけて130円も。
あるいは逆のパターンで、年初にリスク後退で3月に2度めの利上げ、その後の見通しも年4回程度のペースへと市場織り込み進行で年央にかけて130円、しかし年後半にはドル高懸念とリスク再燃で110円方向へ。
いずれのシナリオでも、一時的に1ドル=130円辺りまでドル高円安が進行することは、想定不可能ではないようにも思えます。
クリスマス休暇明け、28日のNY金相場は0.71%の反落で休み前24日の上げ幅全てを帳消し。5営業日ぶりに原油が3%超の大幅反落となったことを受けた株安の流れでも上値は重く、逆に低インフレ懸念によるインフレヘッジ需要減少との連想も影響した模様で、1060ドル台から1080ドルまでのレンジ下限付近へ。ダブルボトム完成に向けてはネックライン突破の前に1080ドルの壁が厚く、レンジ下抜けならトリプルボトム、ではなく安値更新の可能性も。
NYプラチナ相場は0.38%の小幅反落。日本時間朝の890ドル台からは軟調推移も870ドル台では下げ止まり、880ドルまで持ち直したことで堅調推移への流れをなんとか維持した形。薄商い状態で動意縮小気味のなか、910ドル付近まで上値を伸ばす可能性は維持。860ドル台のサポート水準維持が重要に。
ドル円相場は7営業日ぶりのドル高円安も0.17%の小幅高。東京市場で120円60銭台まで上昇後に反落するとNY時間にかけて120円10銭付近まで下落。その後は米株が急落後に反発に転じた流れに支えられて持ち直し。120円台前半での保ち合い状態となり、ようやく日銀発円高の流れも収束方向へ。比較的静かな年末年始となりそうな気配も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/28終値とチャート
29日の国内金価格は0.69%の反落。15日につけた今年安値4433円をわずかに下回り、2014年6月10日(4422円)以来、1年半ぶりの安値水準に。ゆるやかながらも反発基調の兆しも見られ始めていた流れは三角保ち合い下方ブレイクで急ブレーキ。NY金が現状水準を維持できないようなら安値トライの流れは加速、当面の下値メドは4360円台辺り。
国内プラチナ価格は3日ぶりの反落で0.95%安。それでも三角保ち合い上方ブレイク後の堅調推移中の調整の範囲内にとどまり、3750円台の上値目標を目指す短期上昇トレンド継続。ただし反落の流れ継続で3630円台を割り込んだ場合には流れが変わり、今年安値圏付近となる3510円台付近までの下落見込みも。
※参考:金プラチナ国内価格12/29とチャート
2015年12月29日(火)時点の相場
国内金:4,431 円 12/29(火) ▼31(0.69%)
国内プラチナ:3,666 円 12/29(火) ▼35(0.95%)
NY金:1,068.3 ドル 12/28(月) ▼7.6(0.71%)
NYプラチナ:880.8 ドル 12/28(月) ▼3.4(0.38%)
ドル円:120.40 円 12/28(月) ▲0.20(0.17%)
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