更新日:2016年2月3日(水)
マイナス金利の影響が国内では急速に拡大している様子です。元々超低金利だった定期預金金利を普通預金なみの実質ゼロ金利レベルに引き下げる銀行も増え始めるなか、三菱東京UFJ銀行は大手企業の普通預金に手数料徴収も検討中、との報道も。
さらに金利低下の影響で昨年既に募集を中止していた個人向け国債の2年債に続き、1月には5年債も募集中止、今朝には遂に10年債の募集も中止することを財務相が発表。この流れで複数の証券会社では国債を投資対象とするMMFなどの金融商品の販売停止を発表。
これと並行して金融市場はリスク回避再燃。
主導したのはやはり原油。一度は原油価格反発のきっかけとなりかけたOPEC加盟国とロシアなどによる協調減産への期待も後退し、世界的供給過剰懸念払拭への糸口もつかめず、NY原油は大幅続落。今年に入ってからは昨年安値を下回る水準での推移が続き、再び30ドル割れへと水準を切り下げてきました。
NYダウも続落で原油に追随し、今朝の時間外では再び16000ドルの大台割れを警戒するような流れに。VIX指数も年初からリスク回避のボーダーライン、20を超える水準での推移が続き、ようやく20割れへと低下した翌日にはまたも急反発。
今朝の東京市場も大幅株安に円高の流れが急速に進行中。
日銀のマイナス金利導入による緩和効果は、その影響度合いとは裏腹に急速に縮小してしまった状態です。
なお、財新が発表した1月の中国非製造業PMIが12月の50.2から52.4へと上昇したことで、火に油を注ぐ事態は回避された様子。
2日のNY金相場は0.07%の小幅安。NY原油が30ドルを割り込み、株安円高急進の場面では1131ドルまで急騰し年初来の最高値を更新。その後も株安円高傾向がジリジリと進行するなかで、金の上値も限定的に。金の上値の重さは、リスク回避への警戒感がそれほど大きくはないことを示唆している可能性も。目先は1110ドル台半ばをサポートラインに1140ドル程度までは上値を伸ばす可能性。4カ月前と同様に200日移動平均線が抵抗水準となりつつある状況。
NYプラチナ相場は1.65%の大幅続落。原油安主導の株安円高の流れに追随する形で水準を切り下げ、860ドル台の節目を割り込む調整フェーズへ。ただし、9日移動平均線が21日移動平均線をゴールデンクロスしたところにちょうどぶつかり、サポートされる可能性も。目先は840ドル付近までの調整余地は見込まれるものの、短期的には上向きの流れが完全に途絶えた訳ではなさそう。870ドル台半ばの抵抗水準を超えた場合には900ドルの大台トライ再開も。
ドル円は1円超、0.83%の続落。欧州・NY時間にかけての原油安進行にリスク回避の流れが加速。株安・円高の流れ急進でほぼ一本調子の下落で120円割れ。ここまでは行き過ぎた水準から元々の上値メド付近に収束した、と見ることも可能。円高方向への節目118円台前半までの間で新たなサポートラインを形成できるかどうか。円高加速で118円台前半を割り込んだ場合には117円付近までは下げやすい状況。逆に円安再開なら121円が当面の上限、超えると122円前後まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/2終値とチャート
3日の国内金価格は1.06%の反落。予想どおりの減速で上昇一服も、リスク回避への警戒感もやや想定以上となって下げ幅拡大。それでも上昇トレンドを維持し、上値トライ延長戦で4750円再トライの可能性は維持。しかし、リスク回避ムードがさらに拡大し、4550円を割り込んだ場合には流れが変わり、4500円割れへと向かう可能性も。
国内プラチナ価格は2.51%の大幅続落。リスクオン局面では株高に連れて上昇し易いNYプラチナの現状により、リスクオフ局面ではプラチナ安と円高のダブルで下げ圧力がかかり、ボラティリティが非常に高い状況。上向き優勢の流れが急速に巻き戻される形で直近安値3547円をしっかりと下抜け。目先は3500円割れ、3480円台辺りまでの下落余地も。
※参考:金プラチナ国内価格2/3とチャート
2016年2月3日(水)時点の相場
国内金:4,647 円 2/3(水) ▼50(1.06%)
国内プラチナ:3,529 円 2/3(水) ▼91(2.51%)
NY金:1,127.2 ドル 2/2(火) ▼0.8(0.07%)
NYプラチナ:855.7 ドル 2/2(火) ▼14.4(1.65%)
ドル円:119.96 円 2/2(火) ▼1.01(0.83%)
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