更新日:2016年2月25日(木)
2013年前半に急落したNY金相場は、それ以降ゆるやかな下落基調が3年近く続きました。そして今、1年ぶり高値水準まで反発し、このゆるやかな下落基調からは片足抜け出した状態となっています。完全に抜け出す為には、超えておきたい壁が存在します。
今回を含む過去5回の反発局面では、その期間は2カ月程度、上昇率では20%程度が壁となってきました。
1回めは、2013年6月28日から8月28日までのちょうど2カ月で1179ドルから1434ドルまで21.6%の上昇で反落に転じました。
2回めは2013年12月31日から2014年3月17日までの2カ月半で17.9%の反発。
3回めは2014年11月7日から2015年1月22日までの2カ月半で15.7%の反発。
4回めは2015年7月24日から10月15日までの2カ月半強で11.1%の反発。
そして5回めの今回は、
2015年12月3日安値1045.4ドルから、現時点では2月11日高値1263.9ドルまで、2カ月と1週間で218.5ドル、上昇率は20.9%となっています。
このまま2月11日の高値を超えられずに反落方向へと流れが変わるようなら、3年間の流れを引き継いで、再び安値トライへの警戒感が高まるような展開も予想されます。
ある程度の反落をはさんだとしても、安値を更新することなく再び上値トライへと切り返し、3月16日FOMCでの利上げ先送りを受けて高値更新、といった展開となれば、「2カ月で20%の壁」突破へと大きく前進することになります。
少なくとも「2年で2%」よりも現実的なシナリオかもしれません。
足下ではやや失速傾向も見受けられるNY金相場は、これから3月半ばにかけて、正念場を迎えようとしています。
24日のNY金相場は1.35%の大幅続伸。欧州時間の原油安株安ドル安の流れで上方向への節目1230ドルラインを突破したことにより上昇基調が加速。マークイット発表の米2月サービス業PMI速報値が2013年10月以来、2年4カ月ぶりに節目の50を割り込む49.8となったことで一段高、2週間ぶり高値水準となる1254ドルまで上昇。その後、原油相場が30ドル台で切り返したことで株安ドル安の流れも急速に巻き戻され、金も急反落。三角保ち合い上抜けによる急騰も今朝にかけては何事も無かったかのように1220ドル台へと元の水準に。再度上値目標1260ドル付近まで再トライの可能性も残しつつ、買い圧力の後退で1210ドルのサポートラインが意識される展開も。
NYプラチナ相場は前日からほぼ変わらず。金に連れての上昇局面では一時950ドルの上値抵抗線を突破、しかし高値更新トライを前に流れが巻き戻されて失速。今朝には930ドル台へと逆に水準を切り下げる形となり、950ドルの抵抗線を確認しただけで再び保ち合い下抜けによる下値トライへの流れに戻ってきた状態。上値トライへの息切れ状態は金よりも顕著で910ドル程度までの調整余地継続。
ドル円は円高方向への往って来いで前日と同じ112円10銭台。米サービス業PMI下振れで円高の流れが加速すると111円05銭まで急落し、下値目安111円前後にしっかりと到達。この水準がサポート水準にもなり、11日安値110円90銭台寸前で切り返したことによって長い下ヒゲも残し、2番底をつけての反発への可能性も示唆。G20での要人発言などもきっかけとなり、行き過ぎた円高の流れがいったん巻き戻される展開も予想され、113円台回復なら114円台後半へと巻き戻しの流れ加速も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/24終値とチャート
25日の国内金価格は0.25%の反落。堅調に推移してきたNY金の失速と急速に進み過ぎた円高の流れの巻戻し(の可能性)により、小幅上下動の状態に。どちらかと言えば下方向優勢の状態で若干の調整フェーズが進行する可能性のほうがやや高めか。下値目安は4620円程度まで。上方向には4750円が抵抗線となり、超えた場合には上向きの勢い加速で10月高値4850円近辺が目標水準に。
国内プラチナ価格も0.49%の反落。目標水準3600円到達後の方向感喪失状態で上下動も限定的となり、どちらに動いてもやや勢いには欠ける状態。目先はやや下向き優勢で3600円割れなら3500円台半ばへ、3640円を超えると3700円近辺までの反発余地も。
※参考:金プラチナ国内価格2/25とチャート
2016年2月25日(木)時点の相場
国内金:4,733 円 2/25(木) ▼12(0.25%)
国内プラチナ:3,622 円 2/25(木) ▼18(0.49%)
NY金:1,239.1 ドル 2/24(水) ▲16.5(1.35%)
NYプラチナ:943.7 ドル 2/24(水) ▲0.2(0.02%)
ドル円:112.16 円 2/24(水) ▲0.05(0.05%)
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