更新日:2016年2月26日(金)
米1月の耐久財受注は前月比+4.9%となり、3カ月ぶりにプラス圏を回復し、10カ月ぶりの大幅増となりました。変動の大きい輸送機器を除いた数値でも+1.8%となって2014年6月以来、1年7カ月ぶりの大幅な伸びに。
さらに、民間設備投資の先行指標と言われる、非国防資本財から航空機を除いたコア受注でも前月比+3.9%。やはり3カ月ぶりのプラス圏回復で2014年6月(5.8)以来、1年7カ月ぶりの高水準となっています。
低迷状態が続く米国の製造業にとって、ようやく明るい材料も出てきたようです。しかし、コア受注の6カ月平均の推移では前月比-0.2%となり、前月の-0.5%に続いてマイナス圏、2015年の好調時の水準も過去の好調時のピークと比べて低く、2015年前半の低迷期からの回復途上、といった状況のように見えます。
また、各地区連銀発表の製造業指数の低迷状態は継続しており、今週発表された2月のリッチモンド連銀製造業指数は3カ月ぶりのマイナス圏となる-4.0となって5カ月ぶりの低水準、下降傾向も続きます。昨日のカンザスシティ連銀の指数は12カ月連続マイナス圏となる-12、しかもリセッション時の2009年4月以来、6年10カ月ぶりの低水準へと落ち込んでいます。
先週発表されたNY連銀の7カ月連続マイナス圏、フィラデルフィア連銀の6カ月連続マイナス圏などとも合わせ、各地区連銀レベルでの製造業の業況は2月も芳しくない状態です。
米国の製造業底入れに向けては、暗い材料のほうが圧倒的に多い状態が続きます。
25日のNY金相場は0.3ドルの小幅反落。時間外に1220ドル台まで反落した後は軟調推移の原油に対して再び買い圧力が強まる状態へ。米1月の耐久財受注上振れやNY時間引けにかけての原油急騰には売られる展開も下値はいずれも限定的、1230ドル台を中心とした保ち合い状態が継続。底堅さが目立ち、1260ドル付近までの上値再トライの可能性を残す状況。但し、1210ドル割れの場合には1170ドル台まで調整幅拡大も。
NYプラチナ相場は1.77%の大幅反落。売られては買い戻される金のような底堅さは見られず、910ドル程度を目安とする調整フェーズが進行、安値では一時918ドルまで下落し、なんとか920ドル台に戻した状態。金との価格差は過去最大となる311.8ドルまで拡大。940ドル台へと切り下げたレンジ上限を超えることができれば大幅反発の可能性も確率は低め、もう一段の調整進行優勢か。
ドル円は0.74%のドル高円安で113円台にタッチ。前日の111円割れ寸前まで下げて急反発した流れが継続し、2番底からの反発基調を維持。株価や原油の続伸、好調を示す米経済指標にもサポートされる形で円全面安。113円ちょうどの抵抗水準にいったん押さえられた形も今朝には上抜け、しかし再び112円台へと押し戻される厳しい状況。113円台回復できるようなら、反発基調継続で上値目安114円台後半を目指す展開も。G20への過度の期待剥落による反落を警戒しつつ、売られ過ぎ状態からの脱却を目指す攻防が進行中。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/25終値とチャート
26日の国内金価格は1.54%の大幅反発。予想外の底堅さを見せるNY金に対して、ある程度は想定された円高の巻戻しが急速に進んだことにより、売り優勢の流れのなかでも急反発で大きく水準を切り上げることに。今年高値4815円も目前となり、高値更新トライへ、目先の目標水準としては4850円近辺。週末のG20通過で流れが巻き戻されるケースも懸念され、急反落で4730円割れの場合には4600円台前半へと下値余地拡大も。
週間ベースでは+12円(0.25%)の小幅高となり、2年ぶりの6週続伸。
国内プラチナ価格は0.28%の小幅続落。軟調推移となるなか、3600円から3640円の小幅レンジ内での小康状態。下限割れで3500円台半ばへと向かう可能性のほうがわずかに優勢か。3650円へと切り返した場合には3700円までの反発余地。金との価格差は2月3日の1118円から1194円へと拡大、過去最大を更新中。
週間ベースでは-66円(1.79%)で続落。
※参考:金プラチナ国内価格2/26とチャート
2016年2月26日(金)時点の相場
国内金:4,806 円 2/26(金) ▲73(1.54%)
国内プラチナ:3,612 円 2/26(金) ▼10(0.28%)
NY金:1,238.8 ドル 2/25(木) ▼0.3(0.02%)
NYプラチナ:927.0 ドル 2/25(木) ▼16.7(1.77%)
ドル円:112.99 円 2/25(木) ▲0.83(0.74%)
Copyright(C) Let's GOLD