更新日:2016年3月26日(土)
「マイナス金利」政策のマイナスイメージ払拭に向けて日銀から「5分で読めるマイナス金利」という説明資料が国内向けに公開されました。
一部引用すると、
「本当にそれでデフレから抜け出せるの?」
「みなさん忘れているかもしれませんが、3年前まで物価はマイナスでした。今は、ガソリンのように世界中で下がっているものを除くと、物価は1%以上上がっています。『もうデフレには戻らない』というところまで、あと少しです。この3年間、『異次元緩和』は、たしかに効きました。それをもっと強力にするということです。かならずデフレから抜け出せます。」
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「話を聞くとわかったような気もするけれど、『マイナス金利』と聞いて不安になってしまったんだよね。」
「『マイナス』という言葉の響きも悪かったかもしれません。それと、今、世界中で金融市場が不安定になっていて、『ニューヨークで株価が下がった』とか『中国から資金が逃げてる』とか、心配なニュースが多い。このイメージと重なったのもあるでしょう。」
---以上、引用終わり。
丁寧に、わかりやすく説明してあり、かつ世間一般に広く、理解を求めようとの姿勢には好感も持たれそうです。
政府側でも、消費再増税見送りか、もしくは財政出動かといった動きも見られ、政府・日銀一体となっての現状打開に向けた対応が続きます。円安株高の流れを取り戻そうと、あの手この手で必死の作戦が繰り広げられます。
いっぽう、米国では第4四半期のGDPは低水準ながらも予想を上回り、低迷状態の製造業も回復傾向への兆しが見られ始め、労働市場の好調は続き、インフレ上昇に向けての期待感(一部では警戒感)も高まり始め、既に『ニューヨークで株価は上がり』始めています。危機感を煽っていた原油価格もこの一カ月では随分持ち直してきました。
『中国不安』が高まるようなことがなければ、米国の追加利上げに向けた市場コンセンサスも高まっていくことになりそうです。
そうなれば、徐々にドル高傾向が復活し、相対的に円安傾向へと反転し、日本国内での円安株高傾向へと連鎖していくことも考えられます。足下でのドル円の動きも、そんな流れへの兆しを見せ始めているようにも。次週、一連の米経済指標でそれなりの好結果が確認されるようだと、その流れが一段と進むことにもなりそうです。
結果的に、政府・日銀の努力が報われる形で、円安株高への流れが強まる可能性も高まるかもしれません。
25日のNY市場はグッドフライデーの祝日で休場。ほぼ唯一オープンしていた東京市場では株高に連れて113円30銭まで上昇したドル円もポジション調整で軟調推移へ。やはり休場の欧州時間以降は113円ちょうど付近に収束。為替市場も開店休業状態となるなかで発表された米10-12月期GDP確報値が+1.0%から+1.4%へと上方修正されると113円10銭まで小幅に急騰。個人消費が+2.0%から+2.4%へと拡大修正されたことが貢献した模様。
結果的に前日比+0.22%の小幅ドル高円安となったドル円は昨年11月以来となる6日続伸。週間ベースでも+1.6円(1.43%)と4週間ぶりの反発。2月11日、24日と3月17日安値とでトリプルボトムを形成する形で底値反発の流れ。厳密なネックラインとしては2月16日高値114円90銭、しかし実体部としての抵抗水準114円が重要な節目となり、ここを超えるとネックラインも超えてドル高円安方向へと大きく動き出す可能性。その場合の目標水準としては116円台半ば辺り。逆に円高方向へと反落し、111円台前半のサポート水準を割れると110円割れへと一段安の可能性も。
2016年3月26日(土)時点の相場
国内金:4,742 円 3/25(金) ▲4(0.08%)
国内プラチナ:3,694 円 3/25(金) ▼35(0.94%)
NY金:1,221.6 ドル 3/25(金) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ:952.4 ドル 3/25(金) +-0.0(0.00%)
ドル円:113.14 円 3/25(金) ▲0.25(0.22%)
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