更新日:2016年4月23日(土)
マークイットと日経が発表した4月の製造業PMI速報値は、日米欧いずれも3月から低下。ユーロ圏ではフランスの8カ月ぶり低水準への悪化をドイツの上昇が支える状態。米国の50.8は2009年11月以来の最低水準、節目の50超は維持しているものの、ユーロ圏に追い越された状態となりました。日本は2カ月連続の節目50割れで3月の49.1から48.0へとさらに低下し、2013年1月以降の最低水準。フランスを下回る状態も続き、景況感の悪化傾向が鮮明となっています。
ブルームバーグなどの報道で、日銀のマイナス金利拡大に際して金融機関への貸出に対してもマイナス金利を適用し、収益悪化が懸念される金融機関への補助金対策のような形で支援する、という政策を検討中と伝えられたことで、円安株高の流れが急加速しています。
日本国内ではマイナス金利の弊害論ばかりが目立っていた状況を打破すべく、貸出マイナス金利は、日銀の名誉回復と円高リスク、景気後退懸念からの脱却をかけた重要な政策となりそうです。
ただし、この政策効果に対しては疑った見方もあるのも事実で、ECBでも3月のマイナス金利拡大時に同様の対応を行っており、実際に効果が見られるのかどうか、そして製造業PMIも底入れへと向かうのかどうか、今後の動向への注目後も高まります。
その前に、この日伝えられた内容の真偽のほどが次週、明らかにされることになります。日銀の金融政策決定会合への注目度がにわかに高まり、ゴールデンウィーク前の28日は一大イベントとなりそうです。
22日のNY金相場は20ドル、1.62%の大幅続落。東京市場午後に伝わった日銀の金融機関向け貸し出しへのマイナス金利適用検討報道でドル円が急騰。円安が牽引する形でのドル高の流れが欧州・NY市場へも波及したことで金の売りが加速。1260ドル台の抵抗感が強い状態のまま大きく値を下げ、1週間ぶり安値水準でレンジ下限付近となる1230ドル前後へ。1220ドル台のサポート水準で支えられた状態は次週半ばまでは続きそうだが。この水準を割り込んだ場合には1200ドル前後が下値目安に。
週間ベースでは-4.6ドル(0.37%)と小幅続落。
NYプラチナ相場も20ドル、2.01%の大幅反落。1030ドル付近で耐える時間は金よりも長く、予想外の強気状態もNY市場で力尽きて急落。このところの急騰局面からの反落の流れが急加速した形も1000ドルの大台を維持し、目先しばらくはこの心理的節目に支えられる可能性も。ただし、大台割れとなった場合にはサポートライン970ドル台まで急落の可能性も。1030ドル台が当面の抵抗水準となり、突破するような展開となれば1050ドル付近が次の高値目安に。
週間ベースでは+21.3ドル(2.15%)となり、今年2度めの4週続伸。
ドル円は2.3円、2.1%の大幅ドル高円安で反発。2%超の上昇は日銀追加緩和の日、2014年10月31日(2.89%)以来。それ以降の1年半では最大の上げ幅となり、3週間ぶりの水準となる111円台後半へ。日銀の金融機関向け貸し出しへのマイナス金利適用報道で109円台半ばから110円台へと急騰すると、積み上がり過ぎた円買いポジション解消の動きと日本株高・円安のポジティブ・スパイラルで上げ幅を拡大。FOMC・日銀金融政策決定会合前に上値余地110円台半ばを大きくオーバーランした状態となり、目先は警戒感からの調整も見込まれそうな状況に。日銀への期待感がさらに高まった状態でまさかの現状維持など、期待はずれの結果となった場合の急反落リスクは相当な度合いに。逆流時には109円台半ばの元の水準が目安となり、割り込むと108円付近へ、さらには106円付近を目指す流れが再開することにも。
週間では+2.99円(2.75%)の大幅続伸。ドル円の2週続伸はようやく今年2度め。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/22終値とチャート
2016年4月23日(土)時点の相場
国内金:4,700 円 4/22(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,834 円 4/22(金) ▼3(0.08%)
NY金:1,230.0 ドル 4/22(金) ▼20.3(1.62%)
NYプラチナ:1,011.2 ドル 4/22(金) ▼20.7(2.01%)
ドル円:111.75 円 4/22(金) ▲2.30(2.10%)
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